百年戦争と呼ばれた長い戦争終結の糸口をつくり、祖国を救った19歳の少女が裁判にかけられている。 何の専門知識も経験もないまま17歳で軍隊の先頭に立ってイギリスと戦い、連戦連勝を収めた戦歴、13歳の頃から何度も聞いた「フランスを救え」という神の啓示、それに伴って彼女が起こした奇跡。それらすべてが、イギリスとフランス、政治と宗教、大人達の虚栄心と欲望によってかき消されようとしていた。 法廷で自らの半生を演じさせられている男装の少女の名は、ジャンヌ・ダルクー。