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ストーリー

ひばり | 2007年2月7日(水)〜2月28日(水) Bunkamuraシアターコクーン

 

蜷川幸雄の舞台への出演は、初顔合わせとなった1998年の「ハムレット」以来、9年ぶりとなる松たか子が、“ジャンヌ・ダルク”に挑む!!

神に選ばれた少女が起こした真実の奇跡なのか? それとも羊飼いの娘が見た夢に、国中が振り回されただけなのか?
15世紀、馬にも乗ったことのない17歳の少女が、軍隊を指揮し、フランスを救った。しかし宗教と政治の黒い渦に巻き込まれ、魔女として断罪され、火あぶりにされる──。繰り返し文学、映画、アートに採り上げられ、いまだに私達の想像力を駆り立てるジャンヌ・ダルク。20世紀の演劇に多大な影響を及ぼした劇作家アヌイも彼女を題材に書いた戯曲を書き、その作品『ひばり』はアヌイの最高傑作と言われている。
この『ひばり』が、新しく翻訳し直され、演出・蜷川幸雄、主演・松たか子で上演される。蜷川と松は、98年の『ハムレット』以来、9年ぶりの顔合わせとなる。
「あの『ハムレット』は私にとって初めての、翻訳劇だったんです。共演の真田広之さんのしなやかさ、辻萬長さんの声の響き、三田和代さんの演技のこまやかさ、そういうものにいちいち目をパチパチさせていましたね。そんなことを思い出していると蜷川さんから「松もあの頃は初々しかったよな」って嫌味を言われちゃうんですけど(笑)。再演もありましたし、やっぱり思い出深いんです、蜷川さんとのお仕事って。今度は、この9年に少しは成長したところを見ていただきたいですね」(松)
「松さんはね、育ちの良さがいいほうに出てくるんだ。頭の回転が速くて負けず嫌いっていうほうにね。いい女優さんだよ」(蜷川)
『ひばり』は裁判劇で、ジャンヌ・ダルクが自分の半生を法廷で再現する形で描かれる。
「キリスト教とか百年戦争とか、私達が身近に感じづらい題材がベースにあるので、観ている方がそこでつまずかないよう、最初からあるテンションが必要なのかな、と思います。せりふ量も半端じゃないんですけど、シェイクスピアとは違う美しさ、生々しさがあるので、それを大切にしたいですね」(松)

Texts:徳永京子(演劇ライター)

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