
果てしない広大な大地
ロマンティックなロシアと言うときの背景のひとつとなるのが広大な大地です。日本のような狭い島国の住人にとって、ロシアの圧倒的な広さは体験したことのない未知の世界でもあります。
たとえばシーシキンの《正午、モスクワ郊外》に描かれた地平線まで続く道は、そんなロシアならではの雄大なロマンを感じさせます。雪景色にもまた北国のロマンがあふれています。バクシェーエフの《樹氷》は、真っ白な樹氷が青空に冴え、透き通った大気を感じさせる華やかな作品です。またアイヴァゾフスキーらの描く海景画も、同様の大きな空間の広がりとして展覧会のアクセントとなっています。