長澤まさみ×森山未來 ダブル主演!
蓬莱竜太の新作書き下ろしは、とある夫婦の10年間の物語――
公演ビジュアルとスポット映像が解禁!
Bunkamura主催の公演では、2022年シアターコクーンにて上演の『広島ジャンゴ2022』で作・演出を務め好評を博し、今回が二度目の登場となる蓬莱竜太。
最新作『おどる夫婦』を来春、THEATER MILANO-Zaで上演いたします。
タイトルには、夫婦でもがく様、世間に翻弄される様、互いに主導権を握り、踊り・踊らされている様、あるいは、足並みをそろえて進もうとする様が投影されています。
人生100年時代と言われるこの時代に、10分の1の時間を共に過ごした夫婦の物語。長いのか短いのかもわからないその時間は、果たして二人に何をもたらすのか。ご期待ください。
<作品概要>
現代社会では非常に生きづらい性質を持っている夫婦。
故に二人は何となく協力するようにつがいになり、粛々と生活することを好んだ。
口にしたことはないが、自分たちのことを理解できるのは自分たちだけで、 互いに相手を理解していると思っていた。
しかし、世界は向こうから入り込んでくる。
共に生活する中で、やがてほころびが生まれたり、ズレが生まれてくる。
不器用な二人は、問題を上手く回避したり、解決するのが苦手であった。
ただ、世界に対してこの言いようのない焦燥感を理解できるのは、伴侶だけであると互いに信じている。信じようとしている。
二人にはわからない。自分たちは何で繋がっているのか。信頼とか絆とかよくわからない。愛がよくわからない。
そんな不器用な夫婦の10年の記録。
長澤まさみさんとは数年前に一人芝居の企画でご一緒して以来です。非常にタフさが必要な稽古でしたが、作品に真っ向からぶつかる姿勢や眼差し、自分と戦っているような在り方がとても印象的でした。立ち姿の美しい役者さんだと思っています。
森山未來さんは知り合ってから随分と年月が経ちますが、仕事をするのは初めてです。才能があらゆる方向に伸びている彼ですが、彼の核のようなものを探して、触れることが出来たらと思っています。未來くんの感性と融合しつつ演劇を造れることは大きな刺激です。
二人のタッグが強力で素晴らしいことは既に立証されていますが、だからこそ新しい関係性の二人をお見せすることが出来たらと思っています。「夫婦」の二人を楽しみに劇場にお越しください。
<プロフィール>
1999年に劇団モダンスイマーズの旗揚げに参加。以降、全公演の作・演出を務める。19年の劇団公演『ビューティフルワールド』において第27回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞。他、『まほろば』(08新国立劇場・栗山民也演出)で第53回岸田國士戯曲賞、『母と惑星について、および自転する女たちの記録』(16パルコ劇場・栗山民也演出)で第20回鶴屋南北戯曲賞、『消えていくなら朝』(18新国立劇場・宮田慶子演出)で第6回ハヤカワ悲劇喜劇賞、『雨とベンツと国道と私』(24東京芸術劇場シアターイースト)でバッカーズアワード演劇奨励賞受賞と数多くの演劇賞を受賞。映画・ドラマと映像作品での評価も高く、人形劇ムービー『しがらみ紋次郎〜恋する荒野路編〜』(21)では脚本のみならず初監督も務めた。近年の主な作品に、【舞台】『中村仲蔵~歌舞伎王国 下剋上異聞~』(24 演出)、『ひげよ、さらば』(23 脚本・演出)、『広島ジャンゴ2022』(22 作・演出)、『醉いどれ天使』(21 脚本)『不毛ドライブ』(21 作)、『首切り王子と愚かな女』(21 作・演出)、【映画】『劇場』(20 脚本)、『ピンクとグレー』(16 脚本)、【ドラマ】『平成細雪』(18 NHK BSプレミアム・脚本)、『コールドケース~真実の扉~』(16・18・20 WOWOW・脚本・各シリーズ一本)など。
蓬󠄀莱竜太さんには2020年に一人芝居を演出していただくはずでしたが、感染症禍のため公演中止に。けれど一緒にプレ稽古は数回しており、その中で俳優のペースや得手不得手を見極めつつ、様々な提案をして下さる蓬󠄀莱さんは演出家として信頼できる方だと確信しました。
また10代、20代それぞれに映画で共演させていただいた森山未來さんと、30代で初めて舞台をご一緒できることもとても嬉しくて。私にとって未來さんは、遥か先のことを見つめつつ挑戦を続けるアートの先駆者であり、頼もしい先輩のような存在。この舞台でも、たくさんのことを教えていただけるはず、と期待を膨らませています。そんな未來さんと、とても現代的で等身大の女性キヌとして演じる夫婦役、どんな関係性がそこには生まれるのでしょうか……。まだ蓬󠄀莱さんの頭の中にしかない物語が届く瞬間を、心待ちにしている「今」です。
森山未來:
『世界の中心で愛を叫ぶ』と『モテキ』。印象深い映画二作で共演した長澤まさみさんと、今度は舞台でご一緒できることを楽しみにしています。しかしながら、いずれの映画でも長澤さんは象徴的な女性として存在しており、そういった意味では僕は、未だに長澤さんのことを全然知らないのかもしれません。今回は夫婦役ということで、そもそも映画と舞台ではつくり方も過ごす時間も違いますし、クリエーションに期待が募ります。
蓬莱竜太さんは、劇団モダンスイマーズの男芝居も魅力的ですが、最近の演劇ソロユニット『アンカル』の創作活動にも興味を持っていました。今回はどちらの作り方でいくのか、はたまた両方とも違うのか。まだわからないことも多いですが、演劇では久々の大規模のプロデュース公演。気持ちよく参加させていただくつもりです。
松島聡:
初めて観た蓬莱竜太さんの舞台は『広島ジャンゴ2022』で、「人間とは何か?」を深く探求されている方だと、劇中の愛憎渦巻く激しいドラマに衝撃を受けながら感じました。また若い俳優の個性を上手く活かして下さる劇作家・演出家さんという印象もあり、自分もどんな風に料理していただけるか、とても楽しみにしています。
役については、「母と姉から愛情を注がれ、自立を望みながらしかねている青年」と伺いました。これまで、舞台では現実とはかけ離れた設定や役を演じることが多かったのですが、今回は等身大で現実とも地続きの設定になるのかなと。僕はどんな役でも共通点を探すことから始めるのですが、今回は家族のことや「自立とは何か」など、自分に向き合いながら考えることになりそうです。でも伊藤蘭さんが母で長澤まさみさんが姉という豪華な家庭環境は、しっかり楽しませていただきます(笑)。
皆川猿時:
長澤まさみさんとは『フリムンシスターズ』で、森山未來さんとは『メタルマクベス』『R2C2~サイボーグなのでバンド辞めます!~』でご一緒してます。長澤さんは絶対に弱音を吐かないんです。芯が強い。カッコいいの。僕は油断すると「疲れた」「お腹空いた」「帰りたい」ってすぐ言っちゃう(笑)。ええ、少しは見習わないといけません。森山さんの身体能力、ありゃなんですか、素直にうらやましいです。でも、僕があんなふうに動いたら、すぐケガしちゃうからなぁ、全然見習わなくていいか(笑)。というわけで、お二人と共演できるなら「是非!」と。ええ、ホント楽しみです。
作・演出の蓬莱竜太さんとは、今回初めてご一緒します。何を求められ、どんな演出をされるのか、ええ、まったく予想できません(笑)。いやー、ワクワクしますねぇ。しかも、タイトル通り「夫婦」を巡る物語になるとか。どんな作品になるのか期待しかありません。…うおー!!!ええ、非っ常に興奮しております。よろしくお願いします。
小野花梨:
16歳で踏ませていただいた初舞台がBunkamuraさん製作の『8月の家族たち』で、ちょうど同じ頃、初めて挑戦した蓬莱竜太さんの出演者オーディションに落ちてもいます(笑)。あれから10年、26歳になった今。観客として拝見するたび「あの台詞を自分でも言ってみたい!」と熱望し続けた蓬󠄀莱作品に、やっと出演させていただくことができました! しかも、こんな素晴らしい先輩方ばかりの座組で、製作は初舞台と同じBunkamuraさん。稽古前の今からご褒美をいただいたようで、友人たちにも「絶対に面白い作品になるから」と既に宣伝しています(笑)。
心を深く抉るような言葉とドラマに、ユーモアまでがにじむ蓬󠄀莱ワールド。男性が主軸のようでいて、女性のキャラクターがとても深く印象に残るところも大好きです。いただいたチャンスに応えられるよう、全力で食らいついていきたいと思っています!
伊藤蘭:
蓬莱竜太さんの作品には若い方々が多く参加されているイメージがあり、お声掛けいただけたことを嬉しく思っています。初めて拝見した蓬莱作品には世代を超えた人の心の機微が深く刻まれており、観劇後もジワジワと浸食され続けるような〝ジワる〟感覚を味わいました。いただいたプロットを読み、今作もそんな、観た人の心に長く残る作品になるのではないかと期待を膨らませています。
役柄は長澤まさみさんと松島聡さん姉弟の母・朋恵とのこと。近年、特に演劇でいただくお役はエネルギッシュと言えば聞こえが良いのですが、何故か強烈でエキセントリックな女性が多く、今回もそこに連なるキャラクターになるかどうか……はまだわかりません(笑)。けれど日本の社会、そこに潜む歪みにも迫るドラマになる予感もしているので、蓬莱さんが届けて下さる戯曲を楽しみに待ちたいと思っています。