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シェイクスピア的ラブストーリーに対して岩松了が問う、現代人のための恋愛物語

Bunkamura25周年記念 ジュリエット通り

2014年10月8日(水)~31日(金) Bunkamuraシアターコクーン

あらすじ

 住宅街の一角にひっそりとたたずむ、高級娼館「枯淡館」。その向かいには、この一帯の地主で資産家・田崎昭一郎の宅がある。枯淡館と田崎家のあいだにある道は、いつの頃からか「ジュリエット通り」と呼ばれていた。
 ――かつて、ジュリエットと呼ばれる若い娼婦がいた。田崎家のあった場所に何かの会社の寮があった頃、一度だけ客になった寮の若い男に娼婦は恋をした。お金が払えず娼館を追い出された男のため、女は店の金を盗んだという――。

 田崎家には、昭一郎(風間杜夫)と枯淡館の娼婦だった後妻のスズ(高岡早紀)、前妻との息子・太一(安田章大)が暮らしている。太一は享楽的に生きる父に嫌悪感を抱き、自らの力で道を切り開こうとするが、就職活動はうまくいかない。

 暇に任せて頻繁に枯淡館へ出入りする昭一郎は、主人・菅野一彦(石住昭彦)と女将・登志子(渡辺真起子)、昔なじみの娼婦ボタン(烏丸せつこ)、若い娼婦のカンナ(井元まほ)やナデシコ(荒井萌)と交流を重ねていた。枯淡館では、ダリヤ(池津祥子)がサクラ(東風万智子)に客のウエダ(石田登星)を取られたと騒いでいる。そこには、どこか影のあるスイレン(大政絢)もいる。店の金を盗んだスイレンだったが、昭一郎がその補填をしたため、そのまま店に残り働いているのだった。

 ボタンにはキキ(趣里)という高校生の娘がおり、かつて自分の家庭教師だった太一へ恋心を抱いている。そんなキキに思いを寄せる太一の友人トモ(大鶴佐助)は、モリオカ(裵ジョンミョン)に心酔している様子。最近世間を騒がせている、軍服を着て銃を持ち、ジープを乗り回す一団にモリオカは加わっていた。

 ある日、枯淡館の存続が危ぶまれる事態が起こり、娼館の人々のあいだに動揺が走る。一方、田崎家にはスイレンの姿がある。昭一郎が招き入れたこの若い娼婦は、お金を盗んではいない、仕向けたのは昭一郎だと語り、太一の心はざわめく。さざ波が立ち始めた家庭に身を置くスズは、その状況を静謐な眼差しで見つめていた。通りに目を向けると、キキはジープの連中とつるむようになっており、モリオカとの距離を縮めている。変化していく娘を前に、ボタンの心は乱れていくのだった。
 娼館と家庭、親と子、女と男。
いつしか不安定ながらも保たれていた均等は崩れ、歪んだ風景のなかに彼らは迷い込んでいく――。

出演者