APARTMENT

Rocks/ロックス Rocks

8/11(水)より配信上映開始

日本語字幕付

©GIRL UNTITLED LIMITED
  • “Sisterhood at its most powerful” – ELLE 🦖🦖🦖🦖🦖🦖🦖🦖 “Honest & brilliant…a must see” – THE BRITISH BLACK LIST
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15歳の少女ロックスは、いたずら好きな弟エマニュエル、そして母親とイースト・ロンドンの公営住宅で暮らしている。メイクアップ・アーティストになることを夢見る彼女は、親友にも囲まれ学校では人気者。しかしある日、母親が突如姿を消してしまう。心配した隣人が福祉局に連絡するも、「見つかれば弟とはなればなれになってしまう」と恐れたロックスは、右も左も分からないままロンドンの街を漂流する。やがてお金も尽き限界を迎えるロックス。そんな彼女に助けの手を差し伸べたのは、これまでいつも支え合ってきた親友たちだった──。

『ファーザー』『ミナリ』、そして『ノマドランド』……錚々たる話題作が肩を並べた2021年の英国アカデミー賞。ノミネーション発表の段階で最大のサプライズとして迎えられたのが、本作『Rocks/ロックス』だ。ほぼすべてのキャストがプロの俳優ではなく無名、作品知名度の圧倒的な差にもかかわらず、監督賞・主演/助演女優賞の主要部門、公募部門のライジング・スター賞を含め『ノマドランド』を上回る最多8部門ノミネートを果たし、主役のロックスを演じたブッキー・バックレイは見事ライジング・スター賞を受賞。その快挙はオーディエンスに鮮烈な感動をもたらした。

「最もパワフルなシスターフッド」と評され、ガーディアン、エンパイア、テレグラフなど多くのメディアで最高評価の5つ星を記録、ロッテン・トマトでも97%フレッシュをキープする本作の監督は、20世紀初頭のロンドンで女性の参政権を求め闘う「サフラジェット」を描き絶賛された『未来を花束にして』のサラ・ガヴロン。貧富も、人種も混じり合うロンドンの公営住宅=カウンシル・エステートを舞台に、社会問題と思春期の少女の心の動きを真摯な眼差しと力強い手触りでリンクさせる。撮影には『17歳の瞳に映る世界』『幸福なラザロ』『Pina / ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』のエレーヌ・ルヴァール、前述の英国アカデミー賞を受賞したキャスティング担当には『アメリカン・ハニー』『フィッシュ・タンク』『アタック・ザ・ブロック』のルーシー・パーディーと、確かな腕を持つスタッフが集結。さらに、ロンドンの演劇シーンでデビュー直後から注目を集めるテレサ・イココ、TVシリーズで高評価を得たクレア・ウィルソン、ふたりの新星が脚本に息を吹き込み、Ray Blk、Jorja Smith、Little Simzらの楽曲がサウンドトラックで映画を彩る。

主題歌”Warrior”を提供したRay Blkは『Rocks/ロックス』についてこう語る。「この映画は──私も含めた──多くの人々が心を通わせられる素晴らしい映画です。困難に立ち向かう姿勢、強さ、そして友情を示すこの物語を私は愛し、そしてきっと沢山の若い人が共感してくれるだろうと信じています。このパワフルな映画に関われて本当に光栄です。」
誰かのことを強く想い、青い光をまばゆいストロボライツに変えてみせようとするロックスたちの声は、人を信じ身を預けることの困難と希望を、これ以上なく真摯に語りかける。

Column

COLUMN

コラム

違い、よりも大切なもの

 この世界には無数の壁がある。
性別、人種、国籍、宗教、階級、家庭環境、貧富、などなど、あらゆる違いが交差し、複雑に絡み合っているのが、人間であり、この世界だ。これらの違いは、長い歴史の中でつくられ、違いによって不平等が常態化した時は、権利のために闘う人々によって是正され、状況の変化によって、再び悪化することもある。終わりのない闘いだ(本作の監督サラ・ガヴロンは、参政権を求めて闘うサフラジェットたちの姿を描いた『未来を花束にして』も監督している)。そうやって人々はここまで道をつくってきた。世界は常に不公平を内在し、それぞれの違いをわかり合うことは難しい。それはもう絶望的なほど、そうなのだ。
 『Rocks/ロックス』は、この複雑さが日常となった社会を生きる十代の彼女たちの物語だ。主人公のロックスは十五歳。イースト・ロンドンの公営住宅に母親と弟と住んでいる。ある日、母親が「また家を離れて頭を整理したい」という置き手紙とお金を残し、いなくなってしまう。「また」とある通り、これははじめてのことではない。「必ず戻るから」という母親の言葉を信じるしかロックスには術がなく、彼女はたった一人で家族を守り抜こうとし、お金はもちろん底をつく。福祉局に保護されると、ロックスは弟と離れ離れになってしまう可能性も高く、母親が戻ってきたとしてもまた一緒に暮らせるかどうかもわからない。
 様々なルーツを持つ彼女たちがわいわいと日々を送る学校で、明るく面倒見のいいロックスは人気者だが、彼女は本当に困った時に、仲のいい友人たちに助けを求めることができない。違い、が枷になってしまうのだ。しかし彼女たちは、違い、よりも大切なものを、逃してはいけない瞬間につかみとる。手を取り合って、笑い合って、彼女たちが到達する景色は見事だ。どんな時も不敵な態度で、エネルギーに溢れた彼女たち。
 だが、彼女たちの”強さ”を称えるだけで終わってはならない。彼女たちをそうさせている社会の至らなさ、その社会を温存させている私たちを含む大人の至らなさを、忘れるわけにはいかない。
残酷な現実は、変わらずそこにある。

松田青子(作家)

監督:
サラ・ガヴロン(『未来を花束にして』)
製作:
フェイ・ウォード、アミーナ・アユブ・アレン
脚本:
テレサ・イココ、クレア・ウィルソン
撮影:
エレーヌ・ルヴァール(『17歳の瞳に映る世界』『幸福なラザロ』)
編集:
マヤ・マフィオリ
キャスティング:
ルーシー・パーディー
日本語字幕:
上條葉月
キャスト:
ブッキー・バックレイ、コーサル・アリ、ディアンジェロ・オセイ・キシェドゥ、シャネイヤ=モニク・グレイソン、ルビー・ストークス、トヒーダ・ベガム、アナスタシア・ディミトロウ、アフィ・オケイジャ、サラ・ナイルズ
作品情報:
2019年/イギリス/英語/93分
配給:
Bunkamuraル・シネマ
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