ヤン・リーピンの覇王別姫 ~十面埋伏~

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    世界各国絶賛!
    熱狂の世界ツアーを経て、遂に日本上陸!

    • ★★★★

      “息を呑むほど美しい、紅の戦慄”フィナンシャル・タイムズ紙
    • ★★★★

      “シネマを超えた、魅惑のライブステージ”ザ・ステージ誌
    • ★★★★

      “時を超えた珠玉のストーリー ここに極まる”イブニング・スタンダード紙
    • ★★★

      “かつて、これほどまでに 美しい舞台を 観たことがあっただろうか”ザ・ガーディアン紙
    • “騒乱の中から見事なまでの「美」を生み出した”シドニー モーニング・ヘラルド

    息を呑む、洗練を極めた演出の数々!
    進化を続ける奇蹟の舞姫、ヤン・リーピン!

    舞台上方を覆う鈍い輝きのオブジェ。よく見ると、無数のハサミがつり下がったものだ。古代中国では、ハサミは神器だったというが、切刃を開いたまま地上の人間たちを見下ろすその鋭利な金属の群れは、命を賭けて覇権を争う、戦国の人々の緊迫感を具現化しているかのように見える。

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    「四面楚歌」「十面埋伏」などのエピソードを生んだ項羽と劉邦の対立を巡るドラマを、ヤン・リーピン(振付・演出)は、こうした鮮烈なビジュアル・イメージ(アカデミー美術賞を受賞したティム・イップが美術指導・衣裳・舞台デザイン)とともに、大胆かつエネルギッシュに舞踊化してみせる。

    ノーブルな項羽、ワイルドな劉邦、複雑な二面性を持つ韓信。中国伝統舞踊や武術系の研ぎ澄まされた型と、現代舞踊のクールな動きをミックスさせた振付が、それぞれの個性を際立たせる。美しい殺陣を見るような項羽と劉邦のアクロバティックなデュエット、兵士や民衆、黒衣の役割を兼ねたアンサンブルによるスタイリッシュな群舞など、ヴァラエティに富むダンス・シーンが目白押しだ。なかでも、裸身で登場した男性ダンサーが、流麗で求心的なソロを見せた後、そのまま虞美人になってゆくスタティックで官能的な場面には息を呑む。音楽は、琵琶や琴など伝統楽器による斬新なアレンジの生演奏で、これまでとは見(聴き)違えるほど洗練されている。ロンドンのダンスの殿堂サドラーズ・ウェルズ劇場での公演が、大好評を博したというのも頷ける。振付家としてのヤン・リーピンが、着実に進化し、充実期を迎えていることを示す逸品だ。

    伊達なつめ(演劇ジャーナリスト)

    覇王別姫はおうべっきとは>

    秦の始皇帝の没後、天下は乱れ、各領主が割拠した。なかでも優勢を誇るのは西楚の覇王・項羽。一方、弱小だった漢の劉邦が勢力を拡大していた。西楚(項羽)と漢(劉邦)の度重なる激戦の末、漢軍に包囲され孤立する項羽。最期を悟った項羽は最愛の虞美人に別れを告げ、虞美人は足手まといになるまいと自害する…
    中国の人々に愛され、チェン・カイコー監督『さらば、わが愛/覇王別姫』や司馬遼太郎『項羽と劉邦』などで語り継がれてきた物語である。

    十面埋伏じゅうめんまいふくとは>

    項羽軍は劉邦軍に追い込まれ、四方八方から包囲され極めて危険な状況に陥った。この戦いにちなんで作られた『十面埋伏』は中国十大古曲のひとつで、中国琵琶の高度な演奏技法を駆使した勇壮でドラマティックな楽曲。本作品では、中国琵琶奏者により生演奏される。

    • 芸術監督・演出・振付

      ヤン・リーピン(楊麗萍)

      コメント

      コメント

      中国では誰もが知る歴史物語『覇王別姫』を現代に蘇らせたいという思いから、この作品を手掛けました。
      客席に足を踏み入れた瞬間、舞台上に項羽と劉邦の行く末を暗示する、重々しい呪文が垂れ下がっているような幾千ものハサミが寒々しい光を放っています。その中に、めくるめく歴史上の人物に扮したダンサーたちが登場します。彼らは歴史的な人物の役を演じるだけでなく、現代社会にも通じる“人の心にある怖れや欲望”をも同時に表しています。舞台の隅では、切り絵師が開場中から終演まで一 心不乱に紙を切り、文字や絵でもそれらを表現しています。彼女はまた、悠久の時を経ても“時間”は不変であることを示しているのです。
      また今回の挑戦は、欲望に溢れるこの世界を、どのように舞踊で表現するかでした。虞美人や項羽、劉邦を演じるダンサーたちの個性とエネルギーが舞台上で際立ち、現代人の魂を持つ彼らは時を越えた二つの時代を見事につないでくれました。虞美人役を男性ダンサーにしたのは、京劇の要素を取り入れたほか、陰から光(陽)を模索していく様を、両性具有を通じて表現したかったからです。
      波乱に満ちた中国史の大河、想像を絶するハサミの闇、心を揺さぶる生死を超えた愛、残酷な美を象徴するクライマックスの赤い羽毛─ この舞台では、何かがあなたを待っています。日常から遠く離れて、ぜひ足を踏み入れてください。

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      プロフィール

      プロフィール

      中国雲南省大理の少数民族、白(ペー)族出身。幼少から踊りに熱中していたが、一度も舞踊教育を受けることなく、天性の才能と創造力により国内外で評価される舞踊家になった。1971年、西双版納(シーサンパンナ)歌舞団に入団。1986年、自身の制作によるソロダンス『孔雀の精霊』で一躍有名になる。以後、多くの国との芸術交流を積極的に行い、舞踊芸術の普及と探索に努めてきた。演出家としても優れた才覚を発揮し、『雲南映象(シャングリラ)』『蔵謎(クラナゾ)』『雲南的響声』は、伝説的な舞台作品となっている。ヤン・リーピンの舞踊は民間芸術と土地から発している。天地自然と芸術から養分を汲み取り、自然体で踊る彼女は「舞踊詩人」「魂の舞者」と評される。

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      ※本公演には、ヤン・リーピンは出演いたしません。

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