展覧会のみどころ

熊川哲也が選抜する若き才能 Kバレエ ユースが挑む、世界初演バレエ!!

制作ミーティングの様子

 Kバレエ ユースとは、世界的バレエダンサー熊川哲也が総監督を務め、自らが選抜した22歳以下のダンサーによって構成したジュニア・カンパニー。「生徒からプロへの架け橋となる活動を」という熊川の強い信念のもと、プロフェッショナル育成を行っています。昨年の第1回記念公演では、Kバレエ カンパニーと同じ衣裳・装置を使用し、大作バレエ『白鳥の湖』をカンパニー公演と同様の環境のもとに上演。日々成長する若き輝く才能が、真正面から芸術に挑む姿は多くのお客様の感動を誘いました。このとき王子役を努めた福田昂平がその後Kバレエ カンパニー公演『カルメン』で初主演に抜擢されるなど、ダンサーたちへ大きな飛躍のきっかけをもたらしています。
第2弾として来春4月、Kバレエ ユースがお贈りするのは、世界中の子どもたちを虜にしてきた名作『トム・ソーヤの冒険』に基づく新制作によるグランド・バレエ。
 「未来へと向かう子供のためのバレエ作品を」————そんな展望を以前から抱いていたという総監督・熊川哲也が、その第1作として選んだ本作。世界中で愛されるマーク・トウェインの同名小説をベースにしたこのグランド・バレエは、好奇心旺盛な少年トムや親友のハック、ベッキー、そしてインジャン・ジョーなど、誰もが知るあの登場人物たちの魅力や原作の香りはそのままに、オリジナルのエピソードも取り入れながら全2幕で構成されます。

 また、世界初演となる今回、熊川のこだわりは装置や衣裳の細部にまで至ります。「オーチャードホール25周年ガラ」の美術を手掛けた二村周作、Kバレエ カンパニーの多くの代表作で照明デザインを手掛ける足立恒、衣裳の佐野友余ら一流のスタッフとともに1年以上をかけ構想された舞台は「かつて少年少女だった成人たちにも読んでほしい」と作者のマーク・トウェインが語った意思を受け継ぐかのごとく、大人の皆様にも満足いただける内容になることは間違いありません。“大人顔負けのクオリティ”“子供にしか出せないひたむきな想い”が熱い感動を生み出すKバレエ ユースの舞台。バレエ団を代表するダンサー遅沢佑介宮尾俊太郎も日替わりで出演!

 

 未知の才能あふれる子供たちの魅力を引き出す演出・振付を手掛けるのはKバレエ ユースの芸術監督を務める小林由明。Kバレエ カンパニーでもリハーサル・ディレクターを務める小林は、これまでにも数々の熊川版グランド・バレエのクリエーションに携わっています。「この作品に描かれているエピソードはどれも皆、子供の日常に起きた出来事です。でも、大人になったら何も感じなくなってしまうような小さな出来事も、子供にとっては一つ一つが初めての体験で、きっと誰もが“あぁ、こんなことがあったよね”と感じることばかりだと思うんです。今回のプロダクションでもやはりポイントはそこにあって、大人が観ても子供時代に感じたことやその気持ちを思い出せる、そんな物語を描いていきたい。そして観ている人も一緒に踊りだしたくなるような、そんな楽しい作品に仕上げたいです。」と、語る小林、子供から大人まで楽しめるどこか懐かしく、わくわくするような夢いっぱいの冒険物語になることは間違いありません。最高の環境のなか、選りすぐりの若き才能が全力で挑む冒険劇、ぜひご期待ください!