シアターコクーン・オンレパートリー2017 プレイヤー

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浸食し合うリアルとフィクション―
長塚圭史(演出)×前川知大(作)が放つスリル!

ともに劇作家・演出家として活躍する長塚圭史と前川知大。演劇界の次代を担う同世代の才能が初タッグを組む贅沢な話題作が、この夏、シアターコクーンに登場する。
『あかいくらやみ〜天狗党幻譚』(作・演出)、『マクベス』(演出)と、シアターコクーンの空間に挑戦的で壮大な世界を生み出して来た長塚圭史。蜷川幸雄演出『太陽2068』で近未来SFを確かな筆致で描き出し、近年は映画(入江悠監督『太陽』原作・脚本、今秋公開の黒沢清監督『散歩する侵略者』原作)でも活躍するなど、今、最も注目される劇作家・前川知大。演出家脳/作家脳を持つ二人が、一年以上にわたって刺激的な打ち合わせを重ね、着々と準備してきたサスペンスフルな舞台がいよいよお目見えする。
舞台はとある劇場。国民的スターから地元の大学生まで、あらゆるキャリアを持つ俳優やスタッフが集まり、リハーサルが行われている。演目は、死者の言葉が生きている人間を通して「再生」されるという戯曲『PLAYER』。その劇中劇と、俳優たち(Player)が戯曲に書かれた言葉を再生(Play)する稽古場の世界が併走し、行ったり来たりしながら、その境界線はだんだんと曖昧になる。現実か、虚構か。
『PLAYER』の持つ不穏な世界が演じる俳優たちを浸食し始め、〈演じること〉が入れ子のように幾重にも重なっていく――なんともスリリングな仕掛けが張りめぐらされた舞台になりそうだ。
取り憑かれたように言葉を紡ぎ、“Player”として狂気を帯びていく登場人物には、この上ない魅力的なキャストが集結した。蜷川幸雄演出作品はもちろん、映像でもその存在感を示す藤原竜也。前川作品への出演は5作目、その世界観を深く理解する仲村トオルだ。透明感と力強さをあわせ持つ成海璃子、確かな演技で舞台を締める木場勝己、元宝塚男役トップスターの真飛聖ほか、実力派かつ魅力的なキャストがそろい、刺激的なエンターテインメントが立ち上がる!

STORYストーリー

舞台はある地方都市の公共劇場、そのリハーサル室。国民的なスターから地元の大学生まで、様々なキャリアを持つ俳優・スタッフたちが集まり、演劇のリハーサルが行われている。
演目は新作『PLAYER』。幽霊の物語だ。死者の言葉が、生きている人間を通して「再生」されるという、死が生を侵食してくる物語。

<行方不明の女性、天野真(あまのまこと)が遺体で見つかった。死後も意識として存在し続けることに成功した彼女は、友人達の記憶をアクセスポイントとして、友人達の口を借りて発言するようになっていく。事件を追っていた刑事、桜井を前に、天野真を死に導いた環境保護団体代表であり瞑想ワークショップの指導者、時枝は、これは世界を変える第一歩だと臆面もなく語る。死者との共存が、この物質文明を打開するだろうと。カルトとしか思えない時枝の主張に、桜井は次第に飲み込まれてゆく。>

物語は劇中劇と稽古場という二つの人間関係を行き来しながら進んでいく。
死者の言葉を「再生」することと、戯曲に書かれた言葉を「再生」することが重なる。単なる過去の再生ではなく、今を生き始める死者と、戯曲の言葉に引き寄せられ、アドリブで新たな言葉を紡ぎ出す俳優が重なる。
演じることで死者と繋がった俳優達は、戯曲の中の倒錯した死生観に、どこか感覚を狂わされていく。生と死、虚構と現実の境界が曖昧になっていく。時枝の狂った主張は、桜井の選んだ行動は、リハーサル室でどう響くのか。

STAFF&CASTスタッフ&キャスト

  • 前川知大 / 作

    コメント

    「約10年前に上演し、いつかもう一度やりたいと思っていた戯曲『PLAYER』。ここに描いたある種の気持ち悪さや不気味さを長塚さんが面白がってくださり、新たな構造を加えてまたお客様に観ていただけることになりました。前とはまた別の角度で立ち上がる舞台を、僕自身、楽しみにしています」

    プロフィール

    1974年6月1日生まれ 新潟県出身
    2003年結成の「イキウメ」を拠点に、脚本と演出を手掛ける。「散歩する侵略者」、「太陽」、「関数ドミノ」、「片鱗」、「獣の柱」、短篇集「図書館的人生」他、市民生活の裏側にある異界を、超常的な世界観で描く。13年より劇団の実験室「カタルシツ」を開始。ドストエフスキー原作の小説「地下室の手記」を爆笑のひとり芝居に翻案、演出。以降、語り口(物語の伝え方)を研究発表する場として劇団活動の両輪としている。「生きてる時間」(17)では、柳家三三を迎えた落語とSF演劇とのコラボレーションで好評を博す。ほか、四代目市川猿之助によるスーパー歌舞伎Ⅱ「空ヲ刻ム者」(14)、「奇ッ怪~小泉八雲から聞いた話」(09)、「現代能楽集Ⅵ 奇ッ怪 其ノ弍」(11)、「遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」(16)の脚本・演出など。読売演劇大賞(大賞・最優秀演出家賞、作品賞)、芸術選奨新人賞、紀伊國屋演劇賞 個人賞、読売文学賞 戯曲・シナリオ賞、鶴屋南北戯曲賞などを受賞。16年「太陽」が入江悠監督により映画化されたのに続き、今秋「散歩する侵略者」が黒沢清監督で映画化公開予定。

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  • 長塚圭史 / 演出

    コメント

    「演出家脳/作家脳を持つ二人が、お互いの領域を邪魔しないようにしつつもさまざまな意見を交換し合い、複眼的に作品に向かう豊かな打ち合わせを経ました。すでに刺激的な創作プロセスが始まっており、大きな手応えを感じています」

    プロフィール

    1975年5月9日生まれ 東京都出身
    1996 年、演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」を旗揚げ、作・演出・出演の三役を担う。2011 年、「葛河思潮社」を始動。近年の舞台作品に、『夢の劇-ドリーム・プレイ-』(脚本、出演)、『ツインズ』(作、演出)、『十一ぴきのネコ』(演出)、『かがみのかなたはたなかのなかに』(作、演出、出演)、『蛙昇天』(演出)、『浮標』(演出、出演)、『はたらくおとこ』(作、演出、出演)など。また俳優として、NHK『あさが来た』、NTV『Dr.倫太郎』、WOWOW『グーグーだって猫である』シリーズ、映画『バケモノの子』、TOKYO FM『yes!~明日への便り~』などに出演。読売演劇大賞優秀演出家賞など受賞歴多数。
    2017年GWに、新ユニット「新ロイヤル大衆舎」による北條秀司の代表作『王将』の演出を手掛けた。

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