陥没

★2/15(水)は昼夜公演とも映像収録のため場内にカメラを設置します。

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POINT見どころ

2009年の『東京月光魔曲』と2010年の『黴菌』で、昭和の東京をモチーフに作品を発表し、「昭和三部作」を目指したケラリーノ・サンドロヴィッチ。7年という時間を挟んで、いよいよ完結編となる3作目が誕生する。

第一弾『東京月光魔曲』は、経済的な発達が始まり、庶民の生活にもモダンと呼ばれる西洋趣味が入り込んで、独自の文化を生み出した昭和初期が舞台。カフェ、探偵事務所、富豪の屋敷、小さな民家など、次々と場所を変えて描かれたのは、猟奇的な殺人事件、姉と弟の禁断の愛、新興宗教などで、東京が華やかさをまとうほど濃くなる影の部分だった。

第二弾『黴菌』の舞台となったのは、恐慌と戦争で価値観の転換を迫られる昭和中期。没落に向かう富豪一族とその周囲の人々を描いて、ひとつの家から生まれるシニカルな喜劇、デリケートな悲劇を、時代全体に投影してみせた。 稀代のストーリーテラーにとって、自身が生まれ育った東京と、懐かしさと未知が混在する昭和は、つねに好奇心と創造性を刺激する対象だ。

そして「昭和三部作」の締めくくりにKERA が選んだのは、昭和の東京オリンピックを目前に控えた1963年頃。

約50年前の日本を、空前の高揚感で包んだ東京オリンピック。それは、わずかな年月で敗戦から復活を遂げたこの国が、輝かしい成果を世界に示す晴れの舞台だった。メインであるスポーツ競技とは別のところで、道路の拡張と舗装、区画整理、さまざまな施設やビルの建設、新幹線の走行など、真新しく、立派になっていく街の様子を、当時の人々の大半は誇らしい想いで眺め、興奮したはずだ。それを機に一攫千金を目論んだ人も、実際に豊かになった人も少なくない。さまざまな向上心、野心、情熱、欲望が、工事の音ともにこの街に渦巻いただろう。だが一方で、その時代、その場所に居合わせながら、なぜか時流に乗り遅れた人々もいた。この作品は、それでも捨て切れないオリンピックとの因縁に翻弄される人々の群像劇である。
2020年の東京オリンピックを前に、再び熱狂へのカウントダウンが始まろうとしている今、この作品は「あったかもしれないオリンピックの物語」を通して、昭和と東京、さらには、平成の東京オリンピックまでも照らし出すはずだ。

今年の読売演劇大賞最優秀作品賞と優秀演出家賞、芸術選奨文部科学大臣賞と大きな受賞が続いたが、KERA の巨大な想像力と緻密な演出力は守りに入ることなくますます奔放さを発揮して、観客を近くて遠い時代、ここにあってここにない場所まで連れていくことだろう。

COMMENT & PROFILEコメント & プロフィール

  • ケラリーノ・サンドロヴィッチ

    プロフィール

    劇作家 演出家 映画監督 音楽家
    1963年1月3日生まれ、東京都出身。1982年、ニューウェイブバンド・有頂天を結成。また自主レーベルであるナゴムレコードを立ち上げ、数多くのバンドのアルバムをリリースする。
    並行して1985年に劇団健康を旗揚げ、1993年にナイロン100℃を始動。1999年「フローズン・ビーチ」で第43回岸田國士戯曲賞を受賞、現在は同賞の選考委員を務める。
    舞台活動では劇団公演に加え、KERA・MAPなどのユニットも主宰するほか、外部プロデュース公演への参加も多数。「かもめ」(13)を皮切りに、チェーホフ四大戯曲全四作品の演出に取り組んでいる。
    映像活動では、自身の企画である「怪奇恋愛作戦」(シリーズ監督、脚本)が2015年1月クールテレビ東京系連続ドラマ(全12話)として放送された。
    音楽活動では、2013年に鈴木慶一氏とのユニット『NoLie-sense』を結成。2015年には有頂天を再始動。各種ユニットによるライブ活動や新譜リリースも精力的に続行中。
    2016年、KERA・MAP「グッドバイ」にて第23回読売演劇大賞最優秀作品賞及び優秀演出家賞、平成27年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

    コメント

    昭和4年=世界大恐慌の年を描いた「東京月光魔曲」(2009)、昭和20年=敗戦の年を描いた「黴菌」(2010)に続く「昭和三部作」完結編の舞台として選んだのは、東京オリンピックを二年後に控えた昭和37年の新宿のはずれ。
    建設されたはよいが、オープンにこぎつけられそうにない、あるレクリエーション施設。高度成長期で日本中が浮かれる中、どういうわけか時代の溝にはまってしまった一組の婚約中のカップルと、二人を取り巻く人々を描く群像劇になるでしょう。
    シリーズのラストを飾るに相応しい……と気持ちよくいい放てるような分かり易い派手さには欠ける舞台かもしれません。
    明示されないドラマにこそ豊かさがあると信じ、この手練れ揃いのキャストでのみ実現可能な、デリケートな会話劇を作るつもりです。御期待戴きたい。
    ケラリーノ・サンドロヴィッチ

  • 井上芳雄

    プロフィール

    1979年生まれ、福岡県出身。2000年『エリザベート』ルドルフ役で初舞台。以降数々のミュージカルや舞台に出演し、近年は映像にも活躍の場を広げる。また、浦井健治、山崎育三郎とユニット「StarS」を結成、武道館公演を成功させる。第20回読売演劇大賞優秀男優賞、第63回芸術選奨文部科学大臣新人賞、他受賞多数。主な出演作に、舞台『エリザベート』『アルカディア』『漂流劇ひょっこりひょうたん島』『パッション』『モーツァルト!』『シェルブールの雨傘』『組曲虐殺』『ダディ・ロング・レッグス〜足ながおじさんより〜』『ルドルフ・ザ・ラスト・キス』など。映画『宇宙兄弟』 など。TVドラマ『わたしを離さないで』『「経世済民の男」小林一三~夢とそろばん~』『トライベッカ』など。12月にはミュージカル『ナイスガイ・inニューヨーク』出演。また2017年NHK大河ドラマ『女城主  直虎』に小野玄蕃役で出演予定。今回、KERA作品初参加となる。

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  • 小池栄子

    プロフィール

    1998年のTV ドラマ『美少女H』出演以降、映画•ドラマ•CM•舞台等で幅広く活躍。2008年主演映画『接吻』で第63回毎日映画コンクール女優主演賞、2015年KERA・MAP#006『グッドバイ』で第23回読売演劇大賞最優秀女優賞受賞。最近の主な出演作に、舞台『ヴァン!バン!バーン!』『才原警部の終わらない明日』『ラストフラワーズ』『万獣こわい』『それからのブンとフン』『シャープさんフラットさん』など。映画『テラフォーマーズ』『人生の約束』『ふしぎな岬の物語』『許されざる者』『八日目の蟬』『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』など。TVドラマ『世界一難しい恋』『マッサン』『リーガルハイ』『LAST HOPE ラストホープ』『サマーレスキュー』などに出演。また現在『カンブリア宮殿』『クレイジージャーニー』にレギュラー出演中。

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  • 瀬戸康史

    プロフィール

    1988年生まれ、福岡県出身。2005 年俳優デビュー以降、NHK 大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』、『花燃ゆ』、NHK『眠れる森の熟女』、『胡桃の部屋』、フジテレビ系『ロストデイズ』(主演)、舞台『マーキュリー・ファー』、主演映画『合葬』などで演技力を高く評価されるなど舞台・映画・ドラマで幅広く活躍。最近は2015年 NHK 連続テレビ小説『あさが来た』、TBS『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』、フジテレビ系『HOPE~期待ゼロの新入社員~』に出演し注目を集め、2016年10月に公演した舞台『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』では強烈な印象を残し多くの観客を魅了した。また、NHK BSプレミアムにて主演ドラマ『幕末グルメ ブシメシ!』が1月より放送開始予定。KERA作品には初参加。

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  • 松岡茉優

    プロフィール

    1995年生まれ、東京都出身。2008年『おはスタ』でおはガールとして本格的にデビュー。以降、数多くのドラマや映画に出演し注目される。俳優業のほか、ラジオ番組やアニメ映画への声の出演など活躍の場を広げている。最近の主な出演作に、舞台『幽霊』(2014)、映画『聲の形』(声の出演)『ちはやふる』『猫なんかよんでもこない。』『ストレイヤーズ・クロニクル』『悪の教典』『桐島、部活やめるってよ。』、TV『水族館ガール』『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』『真田丸』『コウノドリ』『She』『問題のあるレストラン』『GTO』『あまちゃん』など。現在J-WAVE『AVALON』にて月曜日ナビゲーターを務めている。KERA作品には初参加。

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  • 山西惇

    プロフィール

    1962年生まれ、京都府出身。京都大学工学部石油化学科卒業という異色の経歴を持つ。劇団そとばこまち出身。その飄々とした佇まいが印象的な、舞台や映像で欠かせない個性派俳優。近年はTV『Qさま!!』などバラエティ番組でも活躍中。最近の主な出演作に、舞台『ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない〜』『イニシュマン島のビリー』『スコット&ゼルダ』『七人ぐらいの兵士』『藪原検校』『てんぷくトリオのコント〜井上ひさしの笑いの原点〜』『百年の秘密』など。映像では映画『イニシエーション・ラブ』、TV『相棒』シリーズ、『真田丸』『水族館ガール』『心がポキっとね』、『サラリーマンNEO』シリーズなど。11月『木の上の軍隊』(再演)に出演。

  • 犬山イヌコ

    プロフィール

    東京都出身。1985年劇団健康旗揚げ以降、ナイロン100℃劇団公演に参加し、劇団公演以外でも多くのKERA作品に出演。昭和三部作の過去二作『東京月光魔曲』『黴菌』にも出演。変幻自在の声を生かし、アニメ『みどりのマキバオー』(ミドリマキバオー役)や『ポケットモンスター』(ニャース役)など声優としても活躍。最近の主な出演作に、舞台『ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない〜』『8月の家族たち August:Osage County』『消失』(2004・2015再演)。映画『ラブ&ピース』『天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~』(声の出演)、『綱引いちゃった!』、TV『怪奇恋愛作戦』『まさはる君が行く!ポチたまペット大集合』(ナレーション)。また、KERAとトークライブ『INU-KERA』を定期的に開催中。

  • 山内圭哉

    プロフィール

    1971年生まれ、大阪府出身。中島らもが主宰する劇団リリパットアーミーを経て2001年よりPiperに参加。2枚目且つハードなビジュアル、そしてシリアスからコメディまで柔軟でエッジの効いた演技力を持つ。また現在は「人々」のバンドメンバーとして音楽活動も精力的に行う。最近の主な出演作に、舞台『夫婦』『社長吸血記』『カッコーの巣の上で』『中の人』『鉈切り丸』『こどもの一生』『藪原検校』『十一ぴきのネコ』、映画『Miss ZOMBIE』『マイ・バック・ページ』、TV『HOPE~期待ゼロの新入社員~』『早子先生、結婚するって本当ですか?』『奇跡の人』『あさが来た』など。10月世田谷パブリックシアター主催『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』出演。

  • 近藤公園

    プロフィール

    1978年生まれ、愛知県出身。2000年『キレイ〜神様と待ち合わせした女〜』で初舞台。以後、舞台の他、テレビや映画にも活躍の幅を広げる。近年の主な出演作に、舞台『あたま山心中~散ル、散ル、満チル~』『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』『あぶない刑事にヨロシク』『不倫探偵〜最期の過ち〜』『三人姉妹』『水の戯れ』『殺風景』『祈りと怪物』など、映画『超高速!参勤交代リターンズ』『嫌な女』『家族はつらいよ』『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜』『ふしぎな岬の物語』『探偵はBARにいる2』『東京家族』など、TVドラマでは『ナオミとカナコ』『わたしのウチには、なんにもない。』『下町ロケット』『玉川区役所 OF THE DEAD』などに出演。

  • 趣里

    プロフィール

    1990年生まれ、東京都出身。2011年『3年B組 金八先生 ファイナル』でデビュー。以降、数々の映像や舞台に出演、可憐さと確かな演技力を兼ね備え、存在感を発揮している。 最近の主な出演作に、舞台『アルカディア』『ファンファーレサーカス』『大逆走』『クライムス オブ ザ ハート』『ジュリエット通り』など。映画『東京の日』『水の声を聞く』『おとぎ話みたい』、TV『とと姉ちゃん』『わたしのウチには、なんにもない』『東京ウエストサイド物語』『37.5℃の涙』など。今秋には舞台『メトロポリス』への出演、映画『過激派オペラ』『秋の理由』が公開される。

  • 緒川たまき

    プロフィール

    映画『PUプ』でデビュー。TV、映画、舞台などで活躍。1997年に舞台『広島に原爆を落とす日』でゴールデンアロー賞演劇新人賞、1998年に映画『サムライ・フィクション』で高崎映画祭・最優秀助演女優賞を受賞。最近の主な出演作品に、舞台『グッドバイ』『ゴミ、都市、そして死』『狂人なおもて往生をとぐ』『夕空はれて〜よくかきくうきゃく〜』『パン屋文六の思案~続・岸田國士一幕劇コレクション~』『赤色エレジー』『黒い十人の女』『しとやかな獣』、TV『隠れ菊』『メガバンク最終決戦』『私という名の変奏曲』『怪奇恋愛作戦』など。11月、舞台『キネマと恋人』出演。

  • 山崎一

    プロフィール

    1957年生まれ、神奈川県出身。大学卒業後、早稲田小劇場に入団。1年で退団し、その後小劇場を中心に様々な作品に出演。KERA作品には、劇団健康から多数出演し、昭和三部作は『東京月光魔曲』『黴菌』に続いての参加となる。近年の主な出演作に、舞台『月・こうこう,風・そうそう』『夢の劇|ドリームプレイ』『グッドバイ』『三人姉妹』『太鼓たたいて笛ふいて』『太陽2068』『しみじみ日本・乃木大将』『組曲虐殺』など。映像では、映画『駆込み女と駆出し男』『風に立つライオン』『悼む人』、ドラマ『検事・悪玉』『かぶき者慶次』『花子とアン』『最高の離婚』など。10月、舞台『一人二役~殺したいほどジュテーム』出演。

  • 高橋惠子

    プロフィール

    1955年生まれ、北海道出身。1970年『高校生ブルース』にて映画デビュー。テレビ、映画に加え、近年は舞台でも活躍。硬軟自在の演技で幅広い役を演じ、数多くの演劇賞、映画賞を受賞。昭和三部作は第2弾『黴菌』に引き続いての参加となる。最近の主な出演作に、舞台『マイ・フェア・レディ』『ブロッケンの妖怪』『疑惑』『二都物語』『女たちの忠臣蔵』『黴菌』『ザ •キャラクター』『細雪』『ガブリエル シャネル』『キル』『天保十二年のシェイクスピア』『ハムレット』『藪の中』『藪原検校』など。映像では、映画『二流小説家 シリアリスト』『カミハテ商店』『8月のシンフォニー』『ふみ子の海』、TV『ヒガンバナ~女たちの犯罪ファイル』『落日燃ゆ』『ヤスコとケンジ』など。

  • 生瀬勝久

    プロフィール

    兵庫県出身。大学時代に関西の人気劇団に所属、座長をつとめる(2001年退団)。以降、数多くの舞台、映像、バラエティなどで活躍、唯一無比の存在感を発揮する。昭和三部作は第二弾『黴菌』に引き続いての出演。近年の主な出演作に、舞台『8月の家族たち August:Osage County』『ブロッケンの妖怪』『七人ぐらいの兵士』(作・出演)『皆既食〜Total Eclipse 〜』『万獣こわい』『鉈切り丸』『祈りと怪物〜ウィルヴィルの三姉妹〜(KERA ver)など。映像は、映画『疾風ロンド』『エイプリルフールズ』『白ゆき姫殺人事件』『ケルベロスの肖像』など、TVは連続テレビ小説『べっぴんさん』『ドクターX』『侠飯~おとこめし~』『重版出来!』『臨床犯罪学者 火村英生の推理』『花咲舞が黙ってない』など。