シアターコクーン・オンレパートリー2017
DISCOVER WORLD THEATRE vol.3
欲望という名の電車

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テネシー・ウィリアムズの最高傑作が15年ぶりにBunkamuraシアターコクーンに登場!

現代アメリカにおける最高の劇作家といわれるテネシー・ウィリアムズの名を世界的に高めた不朽の名作『欲望という名の電車』。1947年にブロードウェイで初演の幕をあけて記録的なヒットを重ね、ピューリッツア賞などそのシーズンのほとんどすべての賞を受賞。51年にはヴィヴィアン・リーのブランチ、舞台版に続くマーロン・ブランドのスタンリーで、エリア・カザン監督によって映画化され、アカデミー賞を受賞するなど大ヒットしました。今なお世界中で上演され続けているこの『欲望という名の電車』が、2002年の蜷川幸雄演出以来、実に15年ぶりにBunkamuraシアターコクーンに登場致します。

演出は、イギリスの気鋭演出家フィリップ・ブリーン

本作の演出を手掛けるのは、今年の演出作品『THE HYPOCRITE(偽善者)』(RSC)、『TRAVELS WITH MY AUNT(叔母との旅)』(Citizens Theatre)が各紙の劇評で四つ星・五つ星の絶賛を浴び、いま最も注目を集める演出家の一人フィリップ・ブリーン。日本での演出家デビューとなった2015年のシアターコクーンプロデュース公演『地獄のオルフェウス』で成功を収めた気鋭の英国人演出家が、再びテネシー・ウィリアムズの最高傑作に挑みます!ブランチの脆く繊細な美の世界と、相対するスタンリーの粗野なエネルギー。それは、生と死、真実と虚偽、脆さと強さなど互いに矛盾する2つの要素が凝集された「人間」の織り成す光と影です。フィリップ版「欲望という名の電車」の終着駅には何が待ち受けているのか。どうぞご期待ください。

日本演劇界を牽引する豪華キャストが結集

主演のブランチは、15年の『地獄のオルフェウス』でフィリップとタッグを組みその相性は証明済み、02年の蜷川版でも同役を演じ、自身の「真骨頂」と言わしめた、女優・大竹しのぶが再び挑みます。ブランチの妹・ステラの夫で、ブランチを追い詰めていくことになるスタンリーは、映像では映画・ドラマ問わず幅広いジャンルで活躍し、2年ぶりの舞台出演となる北村一輝。名実ともに日本を代表する2人の俳優が、いよいよ本作で初共演を果たします。そして、ブランチの妹であり、スタンリーの妻、本作では唯一未来に希望をもたらすステラを演じるのは鈴木杏。大竹と鈴木は、鈴木の初舞台作「奇跡の人」(03)以来、実に14年の共演となります。そして、ブランチに恋する素朴なミッチにミュージシャンであり、近年ミュージカル作品にも多数出演している藤岡正明が演じます。更に少路勇介、粟野史浩、明星真由美、上原奈美、深見由真、石賀和輝、真那胡敬二、西尾まりと、幅広いジャンルで活躍する個性豊かな俳優が顔を揃えました。

ストーリーStory

第二次大戦後のニューオリンズ、フレンチクォーター。
「欲望」という名の電車に乗り、「墓場」という名の電車に乗り換え、「天国」という名の駅で降りて、ブランチ・デュボア(大竹しのぶ)は妹のステラ・コワルスキー(鈴木杏)の家にたどり着いた。姉妹は南部の大農園で育った古きよき時代の上流階級の出身だ。貧しく卑俗だが活気あふれるこの街に、ブランチのお高くとまった服装はいかにも場違いである。ブランチは妹の猥雑な生活に驚くが、ステラは意に介しておらず、むしろ満ち足りた結婚生活を送っている。ステラの夫スタンリー(北村一輝)は、ブランチの上品さが気に障って仕方がない。出会った瞬間から反目し合う二人は、ことあるごとに衝突する。一方、スタンリーの友人ミッチ(藤岡正明)はブランチに愛を告白し、過去から逃れてきたブランチは最後の望みをかける。だがその願いは無惨にも叶わない。絶望的な孤独の中で、ブランチは次第に狂気へと堕ちてゆく。

スタッフStaff

  • 作:テネシー・ウィリアムズ劇作家/Tennessee Williams、1911年―1983年
    本名トマス・ラニアー・ウィリアムズ(Thomas Lanier Williams)。米国南部の小都市、ミシシッピ州コロンバス生まれ。ウィリアムズ家の先祖はテネシー州の名門だったが、父の祖父の代に没落。靴のセールスマンの父は不在がちで、小さなウィリアムズは牧師館住まいの母方の祖父母を慕い、母、姉ローズ、弟デイキン、黒人の子守り女オジーに囲まれて平和な幼児期を送る。その後、父の昇進に伴い一家は中西部の大都市セントルイスに移転。両親の不和、暴力的な父との暮らしなど、後年ウィリアムズが“悲劇的な移住”と呼ぶ時代が始まる。
     ハイスクール時代に詩や短編小説の執筆をはじめ、大学を転々とするうちに演劇に目覚める。この頃、精神異常の状態が悪化してきた姉ローズが前頭葉切開手術(ロボトミー)を受け廃人同様となる。この、姉の一生を左右した時に居合わせなかった悔恨の思いは、ウィリアムズの作品に大きな影響を与える。
     演劇の道を志し幾つかの戯曲が上演されるものの、映画館の案内人や給仕などをしながらの修業時代が続く。1944年にシカゴで初演された『ガラスの動物園』が好評を博し、翌年、34歳の時、ようやく同作でブロードウェイデビュー。NY劇評家賞ほか多くの賞を受賞した。その後、ピュリツァー賞を受賞した『欲望という名の電車』(1947)や『やけたトタン屋根の上の猫』(1955)、『夏と煙』(1948)、『バラの刺青』(1951)、『青春の美しい小鳥』(1959)、『適応期間』(1960)、『イグアナの夜』(1961)、『牛乳列車はもう止まらない』(1962)など、充実した創作の時代を過ごす。その作品群は、『財産没収』などの一幕もの、『ストーン夫人のローマの春』などの小説、『ベビー・ドール』などの映画脚本、手記『回想録』など、多岐にわたっている。
     40年代後半から50年代、アメリカ演劇界の寵児として駆け抜けたウィリアムズだったが、60年代に入ると、長年の同性愛のパートナーであった秘書フランク・マーローの死をはじめとする私生活での不幸も重なり、アルコールや睡眠薬の過剰摂取など、スランプに陥る。しかし晩年まで創作活動は続き、改訂を繰り返し続けた『二人だけの劇』(のちに『叫び』と改題)や、ロングランとなった『小舟注意報』(1972)など、最期まで歩みを止めることはなかった。
  • 演出:フィリップ・ブリーンPhillip Breen
    英国リバプール出身。ケンブリッジのトリニティ・カレッジにて社会政治学を学びながら、数多くの学生演劇を演出。2001 年には、エジンバラフリンジフェスティバルにて、The Perrier Comedy Award にノミネート。その後はオリヴィエ最優秀監督賞受賞の巨匠テリー・ハンズに師事。フィリップの演出家としてのプロデビューは、グラスゴー・シチズンズシアターにてブレヒトの『アルトロ・ウィの抑え得た興隆』。その後、ロイヤルオペラ、ロイヤルシェイクスピアカンパニー(RSC)、チチェスターフェスティバルシアターにてアシスタントディレクターを務め、スティーブン・ピムロット、マーティン・ダンカン、ナンシー・メックラー、そしてグレゴリー・ドーランといった演出家の元で確かな実績を踏み、彼らの信頼を勝ち得てきた。独立してからの30 本以上に及ぶ自身の演出作品は、Fringe Firsts, Critics Association Awards for Theatre in Scotland, Time Out New York "Best of" Awards, Off Broadway Stonys, Stage Awards and The Holden StreetTheatre Award など様々な演劇賞を受賞もしくはノミネート。新作から、古典戯曲、ミュージカル、ジャズキャバレー、コメディまで幅広い分野の作品を演出。また、アシスタントディレクター時代も含め、ウエストエンド、オフブロードウェイ、東京、シドニー、メルボルン、ドバイ、LA など世界各地での上演を経験。古巣RSC での演出家デビューは、2012年(~13年)の『ウィンザーの陽気な女房たち』で、劇評家達をうならせ、大好評を博した。そして、2014 年ロンドン・トライシクル劇場で演出したサム・シェパード作『TRUE WEST~本物の西部』が劇評各紙で高く評価され、一躍その名を広める。(2013年グラスゴー・Citizens Theatre で上演した作品のリバイバル)。また、2014年12月RSC『The Shoemaker's Holiday』も好評を博し、2015年5月『地獄のオルフェウス』(出演:大竹しのぶ、三浦春馬、水川あさみ、三田和代ほか)にて、日本で念願の演出家デビューを果たし、見事に成功を収めた。最新演出作は、ジャイルズ・ハヴァガル翻案による『TRAVELS WITH MY AUNT (叔母との旅)』がスコットランド Citizens Theatreにて2017年5月に開幕した。

翻訳:小田島恒志 美術:マックス・ジョーンズ
照明:勝柴次朗 音響:長野朋美 衣裳:黒須はな子 ヘアメイク:佐藤裕子 美術助手:ルース・ホール、原田愛 演出助手:渡邉さつき 通訳:時田曜子 舞台監督:幸光順平

キャストCast

  • 大竹しのぶブランチ・デュボア

    プロフィール

    1975年の映画「青春の門 -筑豊編-」のヒロイン役で本格的デビュー。その鮮烈さは天性の演技力と称賛され、同年、朝の連続ドラマ小説「水色の時」(NHK)に出演し国民的ヒロインとなる。以降、気鋭の舞台演出家、映画監督の作品には欠かせない女優として圧倒的な存在感は常に注目を集め、映画・舞台・TVドラマ・音楽等ジャンルにとらわれず才能を発揮している。第十回読売演劇大賞最優秀女優賞、第五十五回芸術選奨文部科学大臣賞、第二十三回日本アカデミー賞 主演女優賞ほか数多く受賞。2011年、紫綬褒章を受章。近年の主な出演作は、映画「後妻業の女」「真田十勇士」(16)、「メアリと魔女の花」(17.7.8公開・声の出演)、ドラマ「アイアングランマ」(NHKBSプレミアム・15)、「黒い看護婦」(CX・15)、「ごめん、愛してる」(TBS・17)、舞台「ピアフ」(11・13・16・18.11月上演予定)、「三婆」(16)、「フェードル」「にんじん」(17)、「リトル・ナイト・ミュージック」(18.4月上演予定)などがある。

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    コメント

    蜷川さんと「また欲望やろう」と、そう約束したのは5年前でした。あのヒリヒリするテネシー・ウィリアムズの世界にまたゆけます。「地獄のオルフェウス」で私たちに演劇の素晴らしさを教えてくださった、フィリップと再び芝居を作れます。蜷川さんに「うん、これならいいよ」と言ってもらえるように頑張ります。

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  • 北村一輝スタンリー・コワルスキー

    プロフィール

    1990年にドラマ「キモチいい恋したい!」(CX)で俳優デビューし、翌年には映画「雪のコンチェルト」に出演。99年には映画「皆月」「日本黒社会LEY LINES」の出演においてキネマ旬報新人俳優賞し注目を集める。以降、数多くの映画・ドラマに出演し、強烈な個性と存在感を放っている。近年の主な出演作は、映画「寄生獣」2部作(14)、「猫侍 南の島へ行く」(15)、「相棒-劇場版Ⅳ-」「無限の住人」(17)、「8年越しの花嫁」(17.12月公開)、「羊の木」「去年の冬、きみと別れ」(18年公開予定)、ドラマ「ビューティフル・スロー・ライフ」(NHK・15)、「破門疫病神シリーズ」(BSスカパー・15・16)、「大江戸事件帖 美味でそうろう」(BS朝日・15・16)、「世界一難しい恋」(NTV・16)、「4号警備」(NHK・17)、「皇室の窓」(TX)では番組ナビゲーターを務めている。舞台「恋の骨折り損」「ささやき色のあの日たち」「死ぬまでの短い時間」(07)、「黴菌」(10)、「大逆走」(15)などがある。

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    コメント

    新劇の代表作「欲望という名の電車」、スタンリー役を演じるマーロン・ブランドは最高でした。そして蜷川版では堤真一さんが演じたこの大役。ブランチは前作に続き大竹しのぶさん。全身全霊をかけるという言葉でも補いきれない気持ちですが、フィリップ演出のもと魅力的な作品になるよう演じたいと思います。

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  • 鈴木杏ステラ・コワルスキー

    プロフィール

    1995年にドラマ「MiSSダイヤモンド」で子役としてデビュー。その後出演したCMが話題となり、97年のドラマ「青い鳥」(TBS)で注目を集め、以降ドラマ・映画で数多くの作品に出演。03年の初舞台「奇跡の人」、04年の映画「花とアリス」、05年のドラマ「がんばっていきまっしょい」と話題作に立て続けに出演し、改めてその高い演技力が高く評価され、子役から女優へと転身を遂げる。第26回高崎映画祭 最優秀主演女優層、第24回読売演劇大賞 最優秀女優賞ほか、多くの賞を受賞している。近年の主な出演作は、映画「軽蔑」(11)、「さよなら渓谷」(13)、「花とアリス殺人事件」(15・声の出演)、ドラマ「花燃ゆ」(NHK・15)、「東京センチメンタルSP~千住の恋~」(TX・17)、舞台「イシュマン島のビリー」「母と惑星について、および自転する女たちの記録」「元禄港歌-千年の恋の森-」(16)、「足跡姫~時代錯誤冬幽霊~」「マリアの首-幻に長崎を想う曲-」(17)、「トロイ戦争は起こらない」(17.10上演)などがある。

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    コメント

    初舞台の場所だったシアターコクーンで、初舞台の時に出逢えた大竹しのぶさんと、約15年ぶりにご一緒できる幸運に、もうすでに心が震えています。今の自分を余すことなく、溢れ出る全てで向き合いたいです。

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  • 藤岡正明ハロルド・ミッチェル[ミッチ]

    プロフィール

    2万名が応募した伝説の「ASAYAN」超ヴォーカリストオーディションを勝ち抜き、01年にシングル「交差点」でデビュー。'05年に「レ・ミゼラブル」マリウス役でミュージカルデビューを果たし、'08年には「ミス・サイゴン」のクリス役を演じるなど、近年は舞台でも活躍。'12年には自らの演劇ユニット「青唐辛子」を旗揚げした。また、アルバムリリースやライブツアー、楽曲制作を行うなど、ミュージシャンとしての活動も積極的に行っている。近年の主な出演作は、ミュージカル「プロミセス・プロミセス」(12)、「ピアフ」「王様と私」(13)、「ザ・ビューティフル・ゲーム」「シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~」(14)、「Trails」「タイタニック」(15)、「グランドホテル」「ジャージー・ボーイズ」「ミス・サイゴン」(16)、「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」(17)などがある。

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    コメント

    今までに幾度となく上演されてきたこのテネシー・ウィリアムズの名作を、錚々たる俳優の方々と共に出演させていただけることに、深く感謝いたします。大きなことは言いません。精一杯努めさせていただきます。どうか、ご観劇いただき、何かを持って帰っていただけましたら幸いです。

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  • 少路勇介
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