マンガデザインで文化ツーリズム

兵庫県

関西地方への陸路の玄関口が新幹線の新大阪駅なら、空の玄関口は伊丹空港ですね。伊丹空港は兵庫県、大阪府、京都府に空港バス、モノレールで繋がるターミナル空港でまさに「文化ツーリズム」のハブ空港と位置づけられます。関西空港、神戸空港と並び、2025年の大阪・関西万博の情報発信基地としての活躍が期待されますね。レンタカーも各社のレンタルプールが整備されていてあらゆる場所の起点になります。(吉良俊彦)

  • キャラクター造形学科
  • A.O.

伊丹空港から見る飛行機

2024年6月制作

伊丹から見る飛行機を描きました。兵庫県伊丹市は地元で、幼い頃から伊丹空港の飛行機の音が聞こえる生活を送ってきました。また、ここにはスカイパークという飛行場を近くで見ることができる公園施設があり、昔そこで飛行機の絵画コンテストに出た思い出の場面を思い出し、兵庫県(伊丹)は飛行機との縁が強い場所だと思ったので描きました。

吉良先生コメント

僕にとって大阪芸術大学への毎週の玄関口が伊丹空港・大阪国際空港です。「大阪」と付くので大阪府にあると思っていましたが、兵庫県にあるんだと後で気づきました。千葉県にある東京ディズニーランドと同じですね。この作品に描かれているシーンは僕も機内からよく目にしています。子どもたちが集まる空港の隣の公園はスカイパークというのですね。希望にあふれた子どもの目の輝きがマンガデザイン効果を高めています。兵庫県で伊丹空港、その視点がツーリズム視点です。

  • キャラクター造形学科
  • K.K.

甲子園

2024年6月制作

阪神甲子園球場を描きました。僕の出身高校が野球で有名で馴染み深かったのと、兵庫県は甲子園球場があるので甲子園の季節になると大人も少年も高校球児の手に汗握る試合に熱狂しているのでは?と思い高校球児たちを描きました。

吉良先生コメント

『巨人の星』の花形満以来の阪神タイガースファンの僕が伊丹空港の次に足を運んでいる兵庫県のスポットは、間違いなく阪神甲子園球場です。高校野球の聖地甲子園をマンガデザインしたこの作品、いいですね!表情描写が最高です。この汗、眼光、緊張感はまさに「青春」そのものです。

  • 美術学科
  • R.M.

旧松山家住宅松濤館

2024年8月制作

芦屋市の芦屋市立図書館打出分室(旧松山家住宅松濤館)を描きました。日本の登録有形文化財であり、小説家の村上春樹さんや小川洋子さんの作品にも登場します。また、私の通っていた幼稚園の近くにあり、よく利用していた思い出と小説に出てくることから、本の1ページから飛び出ているように描きました。

吉良先生コメント

画力、構図アイデア、作品選択、制作意図、クリエイティビティ溢れる素晴らしい作品です。文化芸術ツーリズム表現とは?の命題の答えのようなマンガデザインです。図書館なので本を上手に使い、立体的に見せている手法がすごすぎます。日本の登録有形文化財の芦屋市立図書館打出分室を見てみたくなりますね。

  • デザイン学科
  • S.M.

有馬人形筆

2024年6月制作

有馬人形筆を描きました。有馬温泉の伝統工芸品で、可愛らしい人形がついた筆です。450年もの歴史があるらしく、子宝授与や安産の縁起物として名物なお土産です。

吉良先生コメント

豊臣秀吉も愛したと言われる有馬温泉は、日本三古泉のひとつ。数々の文豪や著名人に愛され、今日でも昔ながらの情緒あふれる温泉街が広がっています。僕もゆっくりした時間を過ごしたこと、よく覚えています。このマンガデザイン作品はその有馬温泉の伝統工芸品の有馬人形筆。450年前、室町時代から続くカラクリ人形の筆、日本の伝統工芸の素晴らしさと可愛らしさをしっかり表現したデザイン力溢れる作品です。

  • デザイン学科
  • K.M.

西脇市播州織

2024年6月制作

西脇市の播州織を描きました。せっかく地元なので、自分で撮った写真とイラストを合わせました。播州織は染めた糸を布に織るため、チェック柄が綺麗にでます。

吉良先生コメント

200年以上の歴史と伝統のある播州織(ばんしゅうおり)は西脇市を代表する地場産業です。染めた糸を布に織るため、チェック柄が綺麗という特徴を写真とマンガとスマホを組み合わせて制作したこの作品は秀逸です。地元西脇市を愛する気持ちがアイデアにつながり、感動すら感じさせる作品です。

  • キャラクター造形学科
  • Y.H.

異国の地、神戸にあり。

2024年6月制作

日本三大中華街のひとつ「南京町」を描きました。似たお店が無限ループするような面白い場所です。そのキュートなシンボルたちを描きました。

吉良先生コメント

日本三大中華街は、横浜中華街、長崎新地中華街そして神戸の南京町です。このマンガデザインは「南京町」のキュートなシンボルデザインを表現した作品です。僕が住む横浜にも中華街があり、神戸の南京町、長崎の新地中華街にも訪れたことがあります、すべてに共通する異国情緒のベースは赤の配色で、まさにこのデザインのイメージですね。

  • 美術学科
  • R.M.

国生みの島・淡路島

2024年6月制作

国生みの島、淡路島を描きました。『古事記』の冒頭を飾る「国生み神話」、イザナギノミコトとイザナミノミコトが最初に作った国土が淡路島という話をもとに描きました。

吉良先生コメント

制作意図にはクリエイターのデザインに向き合う思考が溢れます。真摯に調べ、新しいことを伝えようとする姿勢に頭が下がります。それを表現するデザイン力も秀逸です。くにうみの島・淡路島、最高です。皆様、しっかり制作意図をお読みください。知らなかったことに触れあえるはずです。僕自身、淡路島に対するイメージが大きく変わりました。

  • デザイン学科
  • K.S.

姫路城(白鷺城)

2024年8月制作

姫路市の姫路城を描きました。最近お出かけで姫路城に行ったので記念に描きました。姫路城の壁は白鷺のように白いと言われているので白鷺が壁から出ているように描きました。

吉良先生コメント

白鷺城と言われる所以を理屈抜きにマンガデザインしたアイデア溢れる作品です。姫路城の壁が白鷺のように白いと言われていることを生かして白鷺が実際に壁から出てくるようにマンガ手法を使って表現したクリエイティビティは素晴らしく、デザインに強い力を与えていますね。白鷺の飛ぶ角度に書かれた兵庫の文字も良いですね。

  • デザイン学科
  • T.N.

城崎温泉「鴻の湯の伝説」

2024年6月制作

豊岡市の城崎温泉・鴻の湯を描きました。城崎温泉には、「鴻の湯の伝説」があります。1400年前に大谿川上流の大きな松の上に巣をつくっていたコウノトリたちのうち足を痛めた1羽が田に降り立って水に足を浸したその数日後には元気よく飛び立っていきました。これを見た里人がコウノトリの飛び立った場所を調べてみると、湯が湧いていた、という城崎温泉の始まりだと言われている伝説です。そのお話から、コウノトリが1羽足湯をしにきたというテーマで描いてみました。一息ついてホッとしているような雰囲気が出るようにしました。

吉良先生コメント

志賀直哉(『城の崎にて』著者)をはじめとする多くの文人たちに愛されてきた兵庫県の北部・豊岡市の城崎温泉。有馬温泉などと並ぶ兵庫県の名湯ですね。その1400年前の伝説を着眼点にして制作したこの作品にはストーリー力があります。このマンガデザインの主役コウノトリの伝説が「鴻の湯の伝説」となって今日に語られる世界観が見事に描かれています。

  • デザイン学科
  • Y.S.

日本酒なら兵庫県

2024年6月制作

兵庫県が生産量1位を独走している日本酒と、酒をつくる職業の杜氏を描きました。お酒の透明感と全体の色使いを意識して描きました。

吉良先生コメント

日本酒の蔵で酒造りの一切を取り仕切る責任者、それを杜氏(「とじ」か「とうじ」)と呼びます。兵庫県は日本酒生産量1位を独走しており、日本三大杜氏のひとつが兵庫県の丹波杜氏です。若者が飲まなくなっていると言われている日本酒のイメージを変えるほど斬新な世界観を描いた革新的なマンガデザインです。この作品なら若者の日本酒ブームが来る日は近そうですね。

もっと!文化ツーリズム

兵庫県

播磨国総社で20年に一度行われる「三ツ山大祭」は、500年以上続く祭礼。高さ18m×直径10mという巨大な3基の釣鐘形の置山を築き、厄払いと平安を祈ります。次回は2033年開催予定です。

日本地図(兵庫県)
県庁所在地
神戸市
人口
5370(千人)
面積
8,400.82(km2)

 

【出典】