京都府

『文化ツーリズム』の3回目は世界に誇るツーリズムスポット古都・京都です。都道府県魅力度ランキング(2009年より実施15回目)で15年連続北海道に次いで2位を続けており、国内においても魅力的な文化芸術エリアです。(吉良俊彦)

- デザイン学科
- S.O.
おばんざい
2024年6月制作
「おばんざい」と呼ばれる京都で日常的に食べられているお惣菜たちを描きました。京都でとれた食材を使った、日常に根差したほっこりあたたかな食文化を表現しました。

- キャラクター造形学科
- M.O.
抹茶ケーキ
2024年6月制作
京都といえば宇治市の抹茶。おいしい抹茶ケーキが食べたい思いのみで描きました。
吉良先生コメント
この抹茶ケーキ美味しそうですね!マンガデザイナーズラボの重要なテーマの中に「食を描く」があります。SDGsの目標2に対応して食品ロスを減らすためにも食品廃棄をしないようにしなければいけません。そのために食を描いています。写真を超えることを目指しています。まさにこのマンガデザインのように、です。美味しいデザインですね。

- キャラクター造形学科
- K.T.
七歩蛇(しちほだ、しちふじゃ)
2024年6月制作
怪異小説集『伽婢子(おとぎぼうこ)』に記述のある妖怪「七歩蛇」を描きました。京都東山に出現されたとされており、龍のような姿で猛毒を持つとされています。嚙まれると毒により七歩歩かぬうちに死に至るので「七歩蛇」と名付けられたそうです。
吉良先生コメント
怖さが伝わってくるマンガデザインですね。京都の文化芸術でこのテーマを選ぶ選択眼、鋭いですね。怪奇物妖怪物はマンガを描く学生たちにもジャンル的には大人気ですね。学生の制作意図通り、この七歩蛇は、浅井了意の怪異小説集『伽婢子』の中で、京都東山に出現したとされる奇怪な蛇の一種です。僕には気づけない題材です。

- キャラクター造形学科
- N.M.
京舞
2024年6月制作
祇園を中心とした京舞を描きました。調べたところ京舞は柔らかな中にも鋭敏で直線的な所作が含まれるとあったので、線画自体にも直線を使って描いてみました。また、柔らかさも表現するためにごわごわしたペンを使い、びっちりしすぎないように線を飛び出させたりしました。
吉良先生コメント
京都といえば祇園。その祇園の京舞を題材にした京都ど真ん中のマンガデザイン作品です。その中でデザイン手法に工夫をこらし、まるで切り絵のように見えるようにペンを選択、そして線をあえて飛び出させて舞の柔らかさを残しています。色の選択も京舞らしく気品がある作品に仕上げています。素敵な作品ですね。

- デザイン学科
- Y.Y.
京おうぎと京せんす
2024年6月制作
京せんすと京おうぎを描きました。背景は西陣織の柄にしました。和風感を出したくてザラザラのテクスチャーフィルターを上からかけました。
吉良先生コメント
京都らしい、芸術性の極めて高い作品です。背景を西陣織デザインにするなど、作品への集中力が漲っていますね。「おうぎ」と「せんす」は「扇」と「扇子」と表記し、非常に似通っています。現在では「扇」と「扇子」はほとんど同じ意味で用いられるそうです。しかし、かつて「扇」という言葉は、手に持って風を起こす道具全般のことを指すものでした。それに対して「扇子」は、折りたたんで持ち運べる扇のことを指す言葉であったという違いがあるそうです。まさに“せんす“のいい、マンガデザインです。

- キャラクター造形学科
- M.T.
宗旦狐と抹茶
2024年6月制作
京都にまつわる人物、茶人の千宗旦(せんのそうたん)に化けた狐「宗旦狐」を描きました。千宗旦は幼少期に大徳寺で修行をしています。
吉良先生コメント
やはり京都といえば抹茶ですね。そして茶といえば大徳寺、「大徳寺の茶づら」といわれます。僕も大好きな大徳寺で幼少期に修業をした千宗旦は、宗旦流の祖。このマンガデザインはその宗旦に化けた狐を見事にデザインしています。目が狐で尾も狐ですね。背景まで見事に描き上げています。

- デザイン学科
- T.N.
天橋立と飛龍観股のぞき
2024年6月制作
天橋立と股のぞき台で股のぞきをしている人を描きました。昇り龍を分かりやすくするために天橋立を逆さに描き、思い切ってデフォルメしてみました。
吉良先生コメント
天橋立は陸奥の松島、安芸の宮島とともに、日本三景とされている特別名勝のひとつです。その名勝を題材に、とてもユニークな視点で描かれたマンガデザインです。のぞき方もわかりやすいですし、そうすると龍が飛んでいるように見えるのがわかります。まさにツーリズムにぴったりの作品です。

- 美術学科
- R.M.
嵯峨面
2024年6月制作
嵯峨面を描きました。京都の三大念仏狂言のひとつで使用され、厄除けや魔除けのお守りとして社寺で分け与えられていました。時代の変遷の中でいつしか姿を消していましたが、近年復活させたようです。
吉良先生コメント
嵯峨面は、京都・嵯峨野に伝わる民芸品です。清凉寺に伝わる嵯峨大念仏狂言で使う面を模して、厄除け魔除けのお土産として寺の門前等で売られていたそうです。清凉寺といえば、『源氏物語』の主人公・光源氏のモデルとされる源融(みなもとのとおる)の像があり、想像以上のイケメンでした。この嵯峨面の十二支のマンガデザイン、素朴さを加えたタッチはプロの領域です。

- デザイン学科
- Y.S.
京野菜
2024年6月制作
京野菜(金時人参、鹿ヶ谷かぼちゃ、聖護院大根、くわい、京たけのこ、万願寺とうがらし、賀茂なす、えびいも、九条ねぎ)を描きました。京都で採れる伝統野菜である京野菜たちが並んで歩いている様子を描きました。野菜をかわいくデフォルメすることや、人物のデッサンに気をつけました。
吉良先生コメント
浴衣姿の女の子と擬人化してデフォルメした京野菜との共演マンガデザイン作品、最高にかわいいです。女の子のしぐさも含めて京野菜たちは楽しそうで明るさに溢れています。京都で採れる伝統野菜として、金時人参、鹿ヶ谷かぼちゃ、聖護院大根、くわい、京たけのこ、万願寺とうがらし、賀茂なす、えびいも、九条ねぎが登場しています。素晴らしいですね。

- キャラクター造形学科
- Y.H.
とめどなく溢れる京都
2024年6月制作
京都は様々な美しい建造物、美味しい食べ物、工芸品に溢れています。もはや描ききれません。魅力が多過ぎるところが魅力だと思っています。
吉良先生コメント
京都は文化芸術に溢れている、をすべてマンガデザインしてくれた京都愛に溢れた作品です。伝統工芸、京野菜、社寺仏閣などの歴史的建造物、お菓子、デザート、茶道などなど、数えてもきりがないほどの文化芸術の宝庫であることがよく伝わってきました。

もっと!文化ツーリズム
京都府
京都で織物作りが始まったのは5世紀頃。平安遷都後に宮廷の織物を管理する役所「織部司(おりべのつかさ)」が置かれると一層盛んになりました。また、扇子の起源は「木簡(もっかん)」を重ねて作られた「檜扇(ひおうぎ)」と呼ばれるもので、現存する最古の檜扇には、877年の年号(元慶元年)が記されているそうです。

- 県庁所在地
- 京都市
- 人口
- 2,535 (千人)
- 面積
- 4,612.21(km2)
【出典】
- 県庁所在地:国土交通省ウェブサイト
https://www.mlit.go.jp/river/toukei_chousa/kasen/jiten/toukei/birn38p.html - 人口:総務省統計局ホームページ
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2023np/index.html - 面積:国土地理院ウェブサイト
https://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MENCHO-title.htm
吉良先生コメント
京都には歴史的建造物、文化遺産、伝統工芸品などたくさんの文化芸術があります。その中で京都の日常生活における食文化「おばんざい」を選択した視点が良いですね。元気いっぱいのマンガデザインに京都のお惣菜たち。その元気がお惣菜にも乗り移ってとても美味しそうに見えます。