
©宮川舞子
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タップダンサーの熊谷和徳が、自身の単独公演としては約8年ぶりにオーチャードホールで公演する。『VOICE』と名付けた公演タイトルについて、熊谷はこう語る。
「タップダンスの音色やグルーヴは、僕にとって自分の声の表現に最も近いと思っています。人間の声は誰一人同じではなく、個性豊かな楽器だと。自分だけにしか出せないサウンド、表現を追求したいんです」
実際、熊谷のタップは、彼にしか出せない特別な声。その細やかで情感豊かな音は、ただ耳に心地よいだけでなく、様々な情景を目に浮かばせてくれる。さらに今回の公演では、元ちとせをはじめ、熊谷が注目する様々な声との共演を予定。そこには昨夏に出演したオリンピックの開会式で、熊谷の出演に加え、1シーンの振付と音楽を担当・制作した経験が反映されている。
「その際にアイヌや東北、奄美や沖縄など色々な民謡を聴き、タップの母国アメリカのブルースとの共通点を感じて。あの時の感覚を今回、タップと共にさらに掘り下げたいんです」
熊谷にとってこれらの歌は過去の遺物ではなく現代に響くものだ。
「昔から歌い継がれている民族音楽や民謡、そしてジャズやブルースは心の奥に誰もが持っている生きる喜びや悲しみを表現していると思います。それはおそらく世界中の人たち皆が共通して心の中に持っている、リズムや音なのではないかと思うのです。今回の公演『VOICE』では素晴らしいゲストの皆さんと共に、タップダンスのリズムを通して、その深い音の景色の世界を旅するように表現したい。そして観に来てくださるお客さまのそれぞれの心の声と共鳴することが出来たら幸いです」
遠い昔からタップのリズムは
人から人へと
踊ることで言葉にならないような想いをリズムという言語で会話をしながら受け継がれてきました
タップダンスを追求していく上で
最も大切なことの一つに
「自分の声(ヴォイス)をもつこと」
という表現があります
自分にしか出せない音色 歌いかた グルーヴ
それらを長年かけて探究していくことで
自分自身に向き合い問いかけながら
タップダンサーとしての自身の表現を創造していきます
今回の公演では そのような伝統を大切にしながら
稀有な「ヴォイス」を持つ素晴らしいゲストの方々と共に昔から歌い継がれている
民族音楽や日本の民謡 そしてジャズやブルースといった音楽を掘り下げていきたいと思っています
それらの歌の中には
今の時代に繋がる誰もが心の奥に持っている人間の生きる喜びや悲しみを表現していると思うのです
それはおそらく世界中の人たちみんなが共通して心の中に持っているリズムの鼓動や音であり
その繋がりこそが今求められているように思います
タップダンスのリズムを通して その深い音の景色の世界を旅するように表現したい
そして観に来てくださる皆さんのそれぞれの心の声と共鳴することができたら幸いです
熊谷和徳
15歳でタップを始め19歳で渡米。NY Times誌に「真のタップアーティスト」と評される。
2006年には米ダンスマガジン誌より「世界で見るべきダンサー25人」に選出、14年にNYにてFlo-Bert Award、16年にはBessie Awardを受賞。
19年版ニューズウィーク誌が発表した「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。
現在はNYと日本を2大拠点とし、ヨーロッパやアジアなど世界各地に活動の場を広げる。独自の唯一無二のアートは日々進化し、新たなタップダンスの未来を創造している。
東京2020オリンピック開会式において出演、振付、作曲を行なった。
鹿児島県奄美大島出身。2002年に「ワダツミの木」で鮮烈なデビューを飾り、以来、ヴォーカリストとしてさまざまなステージでその唯一無二の歌声と存在感を示している。
生まれ故郷であり現在も生活の拠点としている奄美大島が21年、世界自然遺産に登録され、独自の文化「シマ唄」を次世代に受け継いでいく語り部の一人としてもさらなる注目を集める中、8月には奄美の風を感じる楽曲を集めた『トコトワ~奄美セレクションアルバム~』をリリース。
22年2月にはメジャーデビュー20周年を迎え、配信シングル「えにしありて」[「いのち、むきだし。奄美大島」CMソング]をリリース。今後もアニバーサリーイヤーを彩る企画が多数予定されている。
撮影:前沢 卓
アイヌ文化伝承者。北海道阿寒湖アイヌコタン在住。
阿寒アイヌを代表する、アイヌ歌謡の歌い手。
母であるアイヌ歌謡の素晴らしき歌い手、故:日川キヨ媼の歌唱を受け継ぐ。
キク子媼が歌う、独特の揺らぎと節から生まれるその唄の響きは、古のウポポ(唄)そのままに、今を生きるアイヌウポポ界のレジェンド的な存在である。
撮影:前沢 卓
アイヌ文化伝承者。北海道阿寒湖アイヌコタン在住。
長きにわたり、アイヌの舞踊・歌謡を継承し、全国各地にて公演多数。
また、阿寒口琴の会代表として、これまで世界各地の口琴奏者との共演も各国で行う。
2022年2月に開催された音楽イベント「ウタサ祭り」に於いて、娘二人とのユニット「ネウサラパ」を結成。故郷、十勝地方本別町に伝わる稀有なアイヌ伝統唄を披露し、多くの反響を得た。
撮影:前沢 卓
アイヌ文化伝承者。北海道阿寒湖アイヌコタン在住。
母であるアイヌ文化伝承者 故:遠山サキ媼から、アイヌ文化の食・芸能・工芸を継承し、浦河地方・阿寒地方両方のアイヌ文化に精通。
アイヌ工芸作家としてクリエイティブな創作作品も多数。
また、阿寒アイヌ文化保存会副会長として、伝統唄・古式舞踊・料理などの若手育成に尽力している。
撮影:前沢 卓
アイヌ文化継承者。北海道阿寒湖アイヌコタン在住。
幼少より阿寒湖アイヌコタンにて歌や踊りに触れ育つ。
阿寒湖アイヌシアターイコロの歌舞手リーダーとして、舞踊の指導にも取り組む他、国立アイヌ民族博物館に於いて、阿寒地方の古式舞踊の指導にも尽力する。
撮影:前沢 卓
アイヌ文化継承者。北海道阿寒湖温泉在住。
幼少より阿寒湖アイヌコタンにて歌や踊りに触れ育つ。1997年よりソロ活動を始める。
以後様々な人々との出会いの中でアイヌウポポ(唄)を歌うようになる。
2011年より妹の郷右近 富貴子とKapiw&Apappoを結成。以後、様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションにも出演。現在夫と阿寒湖畔にてcafe&galleryKARIPを拠点に活動中。
撮影:前沢 卓
アイヌ文化継承者。北海道阿寒湖アイヌコタン在住。
幼少の頃より阿寒湖アイヌコタンにて歌や踊りに触れて育つ。
2011年ロシアサハ共和国にて開催された国際口琴大会に出演。若手部門にて入賞。
以後、アイヌの口琴ムックリを通じた共演や講座などを行い、普及に努める。
2011年姉・床 絵美とのユニットKapiw&Apappoを結成。以後様々なアーティストとの共演に出演。現在阿寒湖アイヌコタンにてアイヌ料理の店ポロンノを夫と共に運営。
鈴木正人(ピアノ/ベース) プロフィール
1971年ベルリン生まれ。ベーシスト/アレンジャー/プロデューサー。
1987年、高校在学中に青柳拓次(Vo/G)、栗原務(Dr)とLITTLE CREATURESを結成し、90年にシングル「THINGS TO HIDE」でメジャーデビュー。その後、渡米しバークリー音楽院に入学。帰国後はバンド活動と平行して、ベーシスト、プロデューサーとしても活動。2005年3月、文筆家の内田也哉子(vo)とCOMBOPIANOの渡邊琢磨(pf)と「sighboat」を結成。2006年、自身初となるソロアルバム「UNFIXED MUSIC」をリリース。2007年、菊地成孔ダブ・セクステットに参加。
2020年、デビュー30周年を迎えた。
人と人、音と音を繋ぎながら、シーンにおけるキーパーソンとして、その存在感を高めている。
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堀米綾(ハープ) プロフィール
東京藝術大学卒業。クラシックを軸にしながらも広い音楽シーンで活動を展開している。現在「菊地成孔&ペペトルメントアスカラール」、林正樹率いる「間を奏でる」、サクソフォンや25絃箏とのDUO、オーケストラ、ソロ等で国内外の公演に出演。これまで溝口肇、野田洋次郎、UA、大友良英、他多くのアーティストと共演。収録参加作品も多く、映画「天気の子」、東京2020オリンピック、映画「翔んで埼玉」出演他。OTTAVAラジオプレゼンター。
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福盛進也(ドラムス) プロフィール
1984年1月5日、大阪市阿倍野区生まれ。
10年間のアメリカでの活動後、2013年に拠点をミュンヘンに移し欧州各国で活動を開始。
2018年に自身のトリオで、ECMレーベルから日本人二人目となるリーダー・アルバム『For 2 Akis』をリリース。 現在、トリグヴェ・サイム(sax)、ウォルター・ラング(pf)との新たなトリオの他、国内では藤本一馬カルテット、林正樹グループ、佐藤浩一(pf)とのプロジェクト“lakka”などで活躍中。
2020年には自身のレーベ ルnagaluを立ち上げ、『Another Story』を発表、翌2021年には第二のレーベルS/N Allianceも設立し、プロデュース業や録音のディレクションにも力を入れ、日本の音楽シーンに新たな風を吹き込む。
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太田美帆&u+ta(コーラス) プロフィール
太田美帆の新コーラスプロジェクト「u+ta」(ゆた)。固定メンバーは太田美帆のみ。メンバーは流動的に変化する。
u(you、あなた)to(と、&)a(すべての始まり)
その声が在って始まる。u+ta(ゆた)。
今回のメンバーは、太田美帆、鎌野愛、小松陽子、根本理恵、勝政美紀。
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