PROFILE

ローラン・プティ / Roland PETIT
振付

1924年生まれ、40年、パリ・オペラ座バレエ入団。振付家としてはナチス・ドイツからのパリ解放の熱気の中で、コクトー、コフノ、ベラール、ソーゲらバレエ・リュスの流れをくむ芸術家たちとの深い関わりを通じて薫陶を得ることから始まった。45年、彼らとともにシャンゼリゼ・バレエ団を結成。初期の傑作『若者と死』(1946年)はコクトーの台本とアイディアに拠るところが大きい。48年にはパリ・バレエ団を旗揚げし、斬新な『カルメン』(1949年)で大成功を収め、パリのみならずロンドン、アメリカを席巻し、世界的な評価を受ける。50~60年代には、パートナーであるジジ・ジャンメールを伴ってハリウッド・ミュージカルで活躍した。65年、20年ぶりにパリ・オペラ座に戻って『ノートル・ダム・ド・パリ』を振り付ける。72年、フランス国立マルセイユ・ローラン・プティ・バレエ団の芸術監督に就任。以来、『プルースト――失われた時を求めて』『コッペリア』『眠れる森の美女』など、古典の再解釈からレビュー風の作品まで次々と新作を生み出した。98年の『白鳥の湖』の新解釈、『白鳥の湖、そしてその呪い』を最後に、マルセイユを去り、ジュネーヴに拠点を移した。2011年7月10日、惜しまれながらこの世を去る。Bunkamuraとの関係は深く、89年、Bunkamuraオープニング企画として『マ・パヴロヴァ』ほかをオーチャードホールで上演、99年Bunkamura10周年記念特別企画『オーチャードホール10周年ガラ』において、熊川哲也によって『ボレロ』が世界初演された。