「モリエール 恋こそ喜劇」トークイベントレポート

3/6(土)に行われた「モリエール 恋こそ喜劇」公開記念のトークイベント“芝居がくれた人生の楽しみ”。
モリエールを芸名の由来にもつ江守徹さんとネオかぶきで人気の劇団花組芝居の植本潤さんをお招きして、江守徹さんとモリエールの関係や、悲劇と喜劇についての考え方など、それそれが考えるお芝居の魅力についてお話しして頂きました。
   
江守さん:モリエールという作家はシェイクスピアと比べると、日本ではまったく知られていないよね。演劇が上演されてないし。だから文学座入ったころは、モリエールっていうと古臭いと思ってたから面白くなくてね。とくにサロンを舞台にしたものが多くって、日本人が全く似合わないような格好しているからおかしくて。
でも、『スカパンの悪だくみ』を日本で上演したときは、これは面白かった。まさに衝撃(笑劇)的で面白かった。それで文学座でモリエールの『人間嫌い』をやったときに、ぼくの発案で現代の物語にしようって。自分たちで人物設定を考えてやったんですよ。そうしたら結構面白かったですね。
        
植本さん:今回の映画にも『人間嫌い』の部分がいっぱい出てきますね。
主人公が悲劇役者を目指しますよね。でも、本人の素質としては喜劇の方が向いている、でもやっぱり悲劇を書きたいと。現代でもそういうところありますよね?賞をとるには悲劇の方がいいと。
 
江守さん:そういう傾向があるね。日本には。僕は悲劇と喜劇をそんなに分けて考えないし、どちらも好きですよ。喜劇が生まれるっていうのは悲劇的なところやまじめなところから生まれてくるっていうことがあるからね。滑稽さとか面白いことは、人間生活に関わっているところから生まれてくる。この映画の中でもそれはずいぶん描かれている。だから僕は悲劇も喜劇も好きだな。
    
植本さん:映画と演劇の違いはなんだと思いますか?
    
江守さん:演じるうえで、演劇と映画は根本的には変わらないと思いますよ。舞台の演技がオーバーに見えるなどと言うのは、それは勘違いだと思う。映画の演劇も、舞台の演劇も本質的にはまったく一緒だと思うよ。どちらも人間の自然さ、人間のリアルさを意識して演じることに変わりはない。
     
植本さん:映画は観るけれど、お芝居は全く観ないってひとも多いですね。皆さんにはぜひ舞台に足を運んでいただけたらなと思います。
    
江守さん:いつの世でも映画でも演劇にしろ、お客さんが気楽な気持ちでいつも観に来られるっていう世の中になってほしいですね。
        
植本さん:そう。心に余裕がない時こそお芝居を見に来てほしいですね。今日はどうも有難うございました。
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