ヤン・リーピン インタビュー アーティストか巫女か?ヤン・リーピンの素顔とは?

民族風の衣装に身を包み、インタビュー会場に現れたヤン・リーピン。まず目を奪われたのが、長く美しい黒髪と、艶やかに輝く素肌。それは、身体だけでなく、内面から沸き立つ魅力でもある。

——舞台上でヤンさんが見せる圧倒的な美しさ。その秘訣とは、一体何なのでしょう。

「私の踊りは身体だけではなく、心の中から生まれる動き。心がキレイでないと踊れません。そのためにもこだわっているのが、日々の食べ物。漢方では五臓六腑にそれぞれ色がついていて、黒いものを食べると肝臓にいい、黄色は腎臓にいい──、という風にいわれています。その考えに基づき、毎日自分の体の調子を見つつ食事をしています」

  ——なかでもヤンさんが普段欠かさず食べているものとは?

「大豆や小豆、黒豆を擦ってジュースにして飲んでいます。豆類は栄養が豊富で、特に女性の身体にとてもいいんですよ。あとは、食べ物の効能を考えてその時々で摂取することが多いですね。例えば、抜け毛が多いなと思ったらごま油を摂り、身体がむくんでいるなと思ったら冬瓜をスープにしたり。いちごは吹き出物によく効くし、目の疲れにはニガウリがいい。皮膚の調子が悪ければ、ほうれん草やブロッコリーを積極的に食べるようにしています」

——逆に、身体のために排除しているものはありますか?

「すべての食べ物には良いところがあると考えているので、特に避けているものはありません。もちろん、魚や肉も食べますよ。ある中国人の博士がサーモンを28日間続けて食べると皮膚の内面が美しくなると言っていて、私も週に2度ほど食べるようにしています。冷え性には羊肉がいいともいわれていますね。ただ、油分はあまり摂りすぎない方がいい。揚げ物などは、なるべく口にしないように気をつけています」

——来日公演が迫っています。海外ツアー中の体調維持で特に気をつけていることとは?

「さほどストイックにはしていません。前回の日本公演のときは、野菜がとても美味しかったのを覚えています。特に気に入ったのは、甘いトマト。国外に出たら、その土地土地で美味しい物をいただくのもひとつの愉しみ。今は再び日本を訪れる日を、心待ちにしているところです」(文:小野寺悦子)


小野寺悦子(おのでら えつこ)
ライター。編集プロダクション勤務を経て、2001年フリーランスに転向。ダンス、映画、演劇をはじめ、ビジネス、旅、食関連までと様々なジャンルを手がける。

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