製作発表コメント

【本作について最初に一言】

ケラリーノ・サンドロヴィッチ

昨年の『東京月光魔曲』では、大恐慌の年である昭和4年(1929年)の東京が舞台でした。「昭和3部作」ということで、だんだん現代に向かって書いていこうと思っています。最終作は昭和30年代かと考えておりますが。 今回の「黴菌」という作品は、敗戦の年、昭和20年を舞台にした密室劇です。前回は東京の街に見立てた舞台装置がパノラミックに回転して、時間や場所がどんどん飛んだんですけど、今回は完全なる密室劇で、ある数日を切り取る形になります。昭和20年3月の東京大空襲の月からはじまって、終戦の8月15日、そして上演される時期と同じく年末で終わらせようと思っていますが、まだ台本は完成しておりません。今のところ、そういう構想でいます。
戦争を背景にしたドラマと言うと、どうしても戦争の強大さが大きな影を落とすことになると思いますが、その時期を僕なりに描こうとした時、どんなことをやったら自分の仕事になるだろうかと考えました。今回、五斜池家という広大な邸宅が舞台になります。そこに住む、戦争忌避者たちというか、戦争を避けてきた放蕩三兄弟がおりまして、山崎さんと生瀬さんと北村さんに演じていただくんですけれども、その兄弟たちとその家族、そしてそこを訪れる人達のドラマです。
リアリスティックにはじまり、最終的には僕自身もまだどうなるかわからないのですが・・・散文で始まり詩的に終わる、ということになると思います。最後は台本的にも思いもよらなかったところまでいけると面白いなと思っています。

【出演者より、出演にかける意気込み】

北村一輝

台本が進行中で、何をどう話したらよいかまだわからないのですが(笑)。何よりこのスタッフ、キャストの中でやれるということが一俳優として、大変楽しみです。KERAさんの作・演出のもと、尊敬している方々と共演できる機会を頂き、その中で自分なりに精一杯頑張っていきたいです。今までは、舞台というものに対しどこか少しアウェー感があったのですが、今回は楽しみたいと思っています。必ず良い作品になるよう頑張ります。

仲村トオル

僕が最初にいただいた資料には、商社マンの役でわりと経済的に豊かな人物であると書かれていました。しかし宣伝写真の撮影時にKREAさんから「資産家です。」と言われまして。そして、昨日の夜届いたFAX では、“人を疑うことを知らない実直な工場の工員”となっていて、ちょっとびっくりしました(笑)。どれくらいびっくりしたかといえば、孫に、今朝頼んだ本がもうAmazon から届いたと言われたおじいちゃんぐらいびっくりしました。「そんなに遠くからそんなに早く!? 自分がどこにいるのかわからない!」みたいな状態です(笑)。なんとか自分の居場所を見つけたいと思います。

ともさかりえ

私も最初は仲村トオルさんの奥さんの役だと聞いていましたが、昨日いただいた最新の登場人物設定では謎の女になっていました。奥さんではなかったです(笑)。ケラさんとはこれまで映像・舞台で何度かご一緒していますが、舞台は再演と翻訳劇でした。書き下ろしの新作でご一緒するのは初めてなので、とても楽しみにしています。精一杯頑張ります。

高橋惠子

ケラさんとご一緒するのは初めてで、お会いするのも今日が2度目。初めてお会いした時には「日本人ですよね?」と確認させていただきました(笑)。ぜひ一緒にお仕事したいと思っていましたので、今回お話をいただいて非常に嬉しかったです。細かい部分はまだわかりませんが、自分としてはちょっとした冒険旅行に出掛けるような気分でおります。もしかしたら地球以外の星に行くかもしれない、そんな覚悟もできています。楽しんで良い作品にしたいです。

山崎一

ケラさんの舞台には何度も参加させていただいていますが、今回は、初めてのKERA作品という北村さん、仲村さん、高橋さんという、いつもの“ケラさん色”とは少し違うキャストの方々とご一緒できることはとても楽しみです。それが作品にどうつながっていくのか、今からワクワクしています。今回は密室劇ということで、どんな世界になるのか、そこにも期待しています。

岡田義徳

まず、このキャストの中にいられるだけでもすごく幸せです。みなさんの足を引っ張らないように頑張りたいと思っています。昨日いただいた台本の中で、僕は“薬漬けのモルモット”という役になっていて(笑)。どう演じようか考えていますが、これだけの共演者の方々がいらっしゃるので楽しくやれそうです。舞台では奥さんのいる役は初めてで、それも楽しみです。

犬山イヌコ

その岡田さんの奥さん役です。昨日の時点では、五斜池家の生瀬さんの奥さんということで、やった!金持ちだ!って喜んでいたのに、モルモットの妻ということで(笑)やりがいがありそうなので頑張ります!山崎さんと同じく、新鮮かつゴージャスなこのキャストでやるのがとても楽しみです。『黴菌』というタイトルをすでに間違えている方がいらして、「『細菌』っていうお芝居やるんでしょ?」って言われたんですが、その辺間違えないようにお願いします。

緒川たまき

コクーンには出演したことがあるのですが、年末はいつもとは違った独特の不思議な華やかさがあって、一度やってみたいと思っていました。このメンバーでその場に立てるというのが喜びです。
皆様とご一緒できることが本当に嬉しく、楽しみにしています。ちなみに、仲村トオルさんとは今年の夏に映画で初共演させていただきました。そのときは夫婦役、そして今回は兄妹役ということで、急にこんなに御縁ができたことも嬉しく思っています。

みのすけ

今回、ナイロン100℃のメンバーからは僕と犬山さんが出演させていただきます。ケラさんとは高校時代からの仲なのですが、劇団以外の公演で初めてご一緒させていただくので、その辺も嬉しく思っています。密室劇という濃い空間の中で、いつもやっているメンバーと初めての豪華なメンバーとがどんなふうに融合して物語が繰り広げられるか楽しみです。頑張りたいと思います。

小松和重

今回の僕の役は五斜池家の運転手ということで、これから免許を取りに行ってみなさまに華麗なドライビングテクニックをお見せできるようにしたいと思います(笑)!楽しい現場になるように、頑張りたいと思います。

池谷のぶえ

今回のキャストは何度かご一緒させていただいている方と初めてご一緒させていただく方、ちょうど半々くらいのバランスで、安心感がありつつも刺激的な現場になると思います。ケラさん書き下ろしの新作への出演は5年振りくらいなので、そういう意味でも楽しみにしております。はじめにこのお話をいただいた時には、私は早々に謎の死をとげていたのですが(笑)、一日も長く生き延びられるように頑張りたいと思います。

長谷川博己

今回初めてケラさんの作品に出られて、とても嬉しいです。ケラさんの事はバンドをやっていらした頃からとても好きで、舞台もずっと拝見していて、いつか出たいと思っていたので念願が叶って光栄です。この豪華なキャストの中で、先輩たちの背中を見ながら自分も成長していけたらと思います。

(C)大久保惠造


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