6月9日(火)、パリ市内でフランス音楽批評家協会による2008-2009年シーズンの音楽活動に対する年次投票が行われた。
その結果、今年のグランプリはパリ・オペラ座のヘルムート・ヘンシェン指揮、マーティン・クシェイ演出、エヴァ・マリア・ヴェストブロック主演の「ムツェンスク郡のマクベス夫人」(ショスタコーヴィチ作曲)に決まった。
一方、地方オペラに対して与えられるクロード・ロスタン賞は、国立リヨン歌劇場の『20世紀オペラ三部作』、「賭博師」(プロコフィエフ作曲、大野和士指揮、グルジェゴルツ・ジャルティナ演出)、「ルル」(ベルク作曲、大野和士指揮、ペーター・シュタイン演出)、「ヴェニスに死す」(ブリテン作曲、マーチン・ブラビンズ指揮、笈田ヨシ演出)に贈られた。セルジュ・ドルニー総支配人により、昨年9月同歌劇場の首席指揮者に任命された大野和士の初年度を飾る受賞となった。
なお、授賞式は15日(月)11時半からパリ市北東部にあるシテ・ドゥ・ラ・ミュジックで行われる。
それ以外の賞は以下の通り
最優秀初演作品:フィリップ・ブスマン作曲、リュック・ボンディ演出の「イヴォンヌ、ブルゴーニュ公国の王女」(パリ・オペラ座)
今シーズンの音楽家:ピアニストのロジェ・ムラノ
フランス語圏歌劇場最優秀公演:ジュネーブ・グランテアトルのオリヴィエ・ピ演出による「悪魔の三部作」(ウェーバーの「魔弾の射手」、オッフェンバックの「ホフマン物語」、ベルリオーズ「ファウストの劫罰」)
最優秀新人賞:モジリアーニ弦楽四重奏団
最優秀音楽エッセイ:ジャン・ジャック・ナチエ著「音楽家レヴィストロース」
最優秀音楽研究書:ディディエ・ファン・モア「カロル・シマノフスキー」
最優秀音楽視聴覚:オーディトリアム・デュ・ルーブルの「ミラノ、スカラ座特集」
6月10日、パリ発 三光洋(パリ在住音楽ジャーナリスト)