ファンタジーにあふれたワーグナーの世界は、ハリウッド!?
Bunkamura20周年を記念して行なわれる『ワーグナー・ガラ・コンサート』。 「ワルキューレの騎行」など、クラシック・ファンならずとも誰もが一度は聞いたことのある有名なメロディを生み出した、偉大な作曲家ワーグナー。
その音楽の魅力を、クラシック音楽が大好きという椿姫彩菜と、コンサートの指揮者・飯守泰次郎が語り合うトークイベントが開催されました。
クラシック好きの母親の影響もあり、幼少の頃から自然にクラシックに親しんでいたという椿姫。18歳まではピアノを習い、学生時代はクラシック専門のCD、レコード店でアルバイトもしていたという。
一方、飯守はワーグナーの聖地であるバイロイト音楽祭で20年間にわたり音楽助手をつとめた経歴の持ち主。
椿姫「偶然、最近ワーグナーのオペラを見に行ったのですが、ファンタジックな世界と、壮大な音楽にワクワクしました」
飯守「神話や伝説を核にして、夢の世界を描くワーグナーのうまさは、ハリウッドに共通するものがあると思います。
権力抗争、政治、経済、愛など現代にも通じる普遍的なテーマが盛り込まれているのです」
椿姫「若い人は“クラシック”と聞くと引いてしまう部分もあるけど、こんなに長い間世界中の人々が親しんでいる音楽はないと思う。
みんなにも知って欲しい」
飯守「ワーグナーの色彩豊かで、重厚な音楽は、麻薬のような中毒性がある。
だからワグネリアンとよばれる、熱狂的なファンが世界中に存在するのです」
今回のコンサートで演奏される曲は、ワーグナーの初期、中期、晩年の作品がそろっていてクラシック初心者や、ワーグナーはちょっと苦手と思っている人にも最適なのだとか。
また、来日するアラン・タイトス、キャスリン・フォスターのふたりについては・・・
「アラン・タイトスは90年代からワーグナーに取り組んでいて、いま円熟期の頂点にいるところ。
キャスリン・フォスターは初来日で、ワイマール州立歌劇場で活躍するドラマチック・ソプラノです。
彼女はちょうどキャリが軌道にのり始めたところで、このふたりの組み合わせはとってもいいと思います」(飯守)。
ワーグナーの作品についてだけでなく、彼の私生活や、バイロイト音楽祭の秘話と話がつきなかったトークイベント。
椿姫も「コンサート当日は絶対聴きにきます!」と公演に期待を寄せた。
Text:山下由美(フリーライター)