ホール内にも秘密がいっぱい!?

オーチャードホールには果実が実っている
 
オーチャード(orchard)の意味は英語で果樹園。
公演を果実に見立て、果実がたわわに実る場所という想いをこめています。

高さ23メートル、幅22メートル、奥行き38メートルの直方体の形をした
シューボックス(靴箱)型ホールにバラエティに富んだ果実を実らせるため、
重要な役割を果たしているのが、舞台上に見える白い壁が3重に連なった
「可動式音響シェルター」。
1枚の壁が約40トンの重さを誇るこの音響シェルターを前後に動かすことにより、
クラシックコンサート、オペラ、バレエ、ミュージカルなど
それぞれの用途にあった舞台空間と良質な音を作り出せるのです。

この音響シェルターを動かすために、舞台上には線路が敷かれています!
通常、皆様の目にふれることはありませんが、その長さ約20メートル。
東急グループの中で一番短い線路と言われています。
シェルターの移動速度は分速約2メートル。40トンの重さの壁が静かに移動するさまはまさに圧巻です。


この線路の上をシェルターが
走ります。

1つのシェルターに1本の線路。3本の線路が
舞台上にあります。

このボタン一つで40トンの
シェルターが動き出します。


椅子に秘密が?!

オーチャードホールの椅子は、木材で作られていて、
クッションは、オーチャードホールのシンボルカラーである赤が使用されています。

この椅子、よく見ていただくと、座った観客を包み込むように両端が湾曲しています。
背もたれの高さは、ちょうど座った時の耳の高さになっており、舞台から発信された音が
湾曲した木材に反射して音が届くようになっているのです。
さらに、1階と2階では背もたれの高さも違い、2階の方が若干高くなっているのです。
椅子の一つ一つにも、お客様に良い状態で音楽を聴いていただくための工夫が
されているのです。



1階の座席の背もたれは約8.5cm


2階の座席の背もたれは約12cm

 


シアターコクーンの舞台は変幻自在

ハード(施設)をどこまでやわらかくできるかということにこだわり設計された
シアターコクーン。その床下は、舞台から1階の前方客席まで、
束(つか)と呼ばれる短い柱で支えられ、下には広大な空間が広がっています。
この構造のおかげで、舞台を様々な形状に変更することができます。

今年上演してきた公演にもその多様性が見てとれます。

まず、4月に上演された『音楽劇 三文オペラ』では、
20年間舞台の下に隠れていた奈落をむき出しにしてみせた舞台セット。
さらに客席の真中に下から上がってくる階段を作り、
俳優たちが客席下から出たり入ったりするという神出鬼没な演出も。


(C)谷古宇正彦

6月、7月に上演された『桜姫 現代版』『コクーン歌舞伎 桜姫』の両演目では、
客席前方まで舞台を張り出し、その舞台を囲むようにベンチシートを設置。
さらには、舞台上にまで客席が作られました。

また、現在上演中の『コースト・オブ・ユートピア』では、
舞台を挟むように客席が置かれ、観客が作品の世界に入りこめる、
より臨場感あふれる舞台になっています。


この上、11月に上演される『十二人の怒れる男』でも、
舞台が客席前方まで張り出した形状になる予定。

作品自体の面白さをさらに引き立てている舞台の形状にも
今後注目してみてくださいね。

 

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