96年からKARASメンバーとして活躍している佐東利穂子。ローマで初演の『Scream and Whisper』では、共演のヴァスラフ・クーニェスとともに仏・伊ダンス雑誌「Ballet 2000」の05年度最優秀ダンサー賞、また『消息』では07年度日本ダンスフォーラム賞を受賞する等、ソリストとしても高い評価を受けている。一方では振付助手も務めており、いまや勅使川原作品にはなくてはならない存在となっている。
「勅使川原が示唆することの中から何を感じるか、感じたことで身体がどう変わるかを試している」という彼女の言葉通り、稽古中、勅使川原の投げかける一言に瞬時に反応し変化していく。そしてその変化に勅使川原もまた反応し、より世界観が深まっていく。
また、今回の共演者である若きダンサーたちからも「稽古への臨み方や素直さなどの大切さを改めて新鮮に感じている」と多くの刺激を受けており、本作では彼女自身の更なる飛躍が期待できる。

©宮川舞子