ベルン美術館館長よりメッセージ!

   
 

 先日行われた開会式にいらっしゃったベルン美術館館長、マティアス・フレーナー館長より、日本初の回顧展である本展に向けて、メッセージをいただきました。

「スイスでは、アンカーは国民的画家です。彼の絵画は、今はもう我々が失ってしまった、理想的なスイスの姿として愛されています。当初海外での所蔵が多かった彼の作品ですが、今ではほとんどがスイスのコレクターによって買い戻されるほど、彼の絵を愛するスイス人は多いのです。

彼は人間そのものを、よき存在として考えていました。アンカーの絵は、その人間に対する肯定的な思いから、現実を描いた面もありますが、その一方詩的でもあります。アンカー以外のどの画家も、彼ほどにはおじいさんと孫の親密さを描ききることは出来ませんでした。アンカーの絵には、静寂とモデルに対する集中で満ちています。現実の存在の中に瞬間的な優美さを表現する彼の絵画は、レンブラントからシャルダンまで、光の偉大な画家の伝統ともいえるでしょう。日本の皆様に、ぜひアンカーの作品をご覧いただきたいですね」  

 

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