Ms & Mrパーフェクトの白鳥&王子コンビ健在!
スゴ過ぎる「白鳥」の初日レポート
昨年、初来日しオーチャードホールを驚きの声でいっぱいにした本作。「あの驚異の技を、もう一度みたい!」というリピーターと、初めて見る観客で客席は熱気ムンムン。
会場が暗くなり、お馴染みのチャイコフスキーのメロディーが流れる。前半は、王子が各国を旅する設定で、極彩色の世界で様々な雑技が披露される。ポールからポールへと回転しながら軽々と飛び移り、回転する大きなリングでグルグルと回り、帽子はまるでプログラムされたかのようにジャグラーのもとに確実に帰ってゆく…。それをいとも簡単にやってのけてしまうから、見ている方の平衡感覚や常識が失われてしまうほど!
他にも四羽の白鳥ならぬ、お茶目な“四匹のカエル”や、後半の軟体技の蛇など…。「スゴイ!」と思う技に拍手をしていたら、上演中ほぼずっと拍手をしていなければならないハメに!?
そしてなんと言っても、この作品を支えているのが白鳥&王子のウ・ジェンダン&ウェイ・バォホァの2人。いつ見ても彼らの演技はパーフェクト!頭や腕に爪先立ちする、この作品の代名詞とも言える技はもちろんのこと、白鳥として、王子としての演技にも磨きがかかって観客を物語にも引き込んでくれる。最後の大技が決まった瞬間には、息を止めて見守っていた観客から自然と大きな拍手が沸き起こった。
背筋がゾクゾクするような、鳥肌モノのテクニックが満載!まだ見ていない人は、奇跡の白鳥に出会いにオーチャードへ急げ。
text:山下由美
photo:宮川舞子