6月下旬、この時の使命は衣裳の出来上がり確認。
前田文子さんによる衣裳デザインは50種類を超え、着数では200以上
になります。製作は中国の工房で行いました。
素材、色、機能性などのディテールを製作スタッフに伝え、確認していく作業に
は予想以上に時間がかかりました。
言葉が違う、文化、センスが違うということはこういうことか!と
何度も立ち止まらされました。そして今回がそのほぼ最終工程。
まだ確認できていなかった約半数の衣裳をチェックしました。
時間をかけた甲斐もあり、美しい仕上がりです。
上左 李白役のホウ・タンフェイのフィッティングをする前田さん
上右 インドからの使節の役の鮮やかな衣裳
下左 感動するのは中国の刺繍の技術。贅沢に使われてます。
下右 まだまだ完成ではありません。次々と直しの指示が出ます。
ここは上海戯劇学院舞踏学院。
上海中心地から南西のほうへ30分ほど行ったところにあります。
この学校は中国で3つの指に入るほどの芸能のエリートスクールだそうです。
演技、音楽、舞踊などの学科があります。
うわさでは演技コースなどは入学するのに600倍もの倍率になるとか。
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この舞踏学院出身で日本で知られているのはサンフランシスコバレエ団のヤンヤン・タン。10年くらい前に、日本でウーロン茶のCMに出たことで話題になりました。
今回「楊貴妃」に出演するのは主役のチェン・ファンユアンをのぞいて全員が
この学院に所属する”上海青年舞踊団“のメンバー。学生もいれば、先生もいます。
みんな若く(先生といっても若いのです。)、18歳〜25際くらい。
衣裳あわせの間もじっとしていられず、スタッフを困らせていました。
でも無事作業が終わるとみんなで大量の衣裳やかつらなどを教室まで運んでくれて、
なかなかの紳士ぶりも見せてくれました。
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キャンパスに足を踏み入れると遠くの校舎からはにぎやかな
京劇のチャイニーズシンバルの音が。。。
と思うと、すぐそばの窓からキレイなソプラノが聞こえてきたり。
全寮制の学校なので、キャンパス内には寮があり、
生徒たちがお湯をもらいにポットを持って歩いていたり。
ゆったりとした時間のなかで芸術を学べる
幸せな環境なんだなあ・・・と。
さてもうすぐオーチャードホールへやってくる彼ら。
街には人があふれ、めまぐるしく変化していく
渋谷の街で、日本人の観客を前にどんな演技を
みせてくれるのか、そして何を感じるのか・・・。
(スタッフTM)