振付:ジョージ・バランシン 主演:熊川哲也 【2/25(水)、26(木)、27(金)、28(土)夜、3/1(日)】 |
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フランス美術界の巨匠ルオーにより先鋭の美術、爆発的エネルギーに満ちたバランシンの振付・・・
20世紀を代表する振付家バランシンが、当時最盛期にあったディアギレフのバレエ・リュスのために振り付けたこのバレエは、プロコフィエフの音楽、ルオーの美術という、時代をリードした偉才たちによるコラボレーションで生まれた一大傑作。物語のモチーフとなっているのは新訳聖書ルカ伝。「放蕩」とは後先も省みずに無益な遊びにふけることだが、このバレエでは、不遜な冒険心に駆られて家出をした主人公が旅先でさまざまな出来事に遭遇し、心身ともに傷つき、やがては家族の愛に迎えられて帰還するまでがドラマティックに描かれています。
そんな普遍ともいえる物語世界の劇性をさらに高めるのが、主人公の心情をそのまま写し取ったかのように展開されてゆく大胆で鮮烈な踊りの数々。超一流の表現力とテクニックを併せ持つダンサーだけが踊り尽くせる難役だけに、これまで歴史を飾ってきたのもミハイル・バリシニコフやルドルフ・ヌレエフなど稀代の名ダンサーたちの揃い踏み。まさに選ばれた者にしか踊れない、<スターのためのバレエ>。熊川哲也も英国ロイヤル・バレエ団在籍中にすでにこの作品を踊っており、2005年には日本で初披露。歴代スターをも凌駕するその名演は絶賛を浴び、今や熊川の重要なレパートリーの一つに位置づけられ、この名作が誇る輝かしい系譜に新たな伝説を刻みつけています。本公演では、熊川が3年半ぶりにこれを披露するほか、2007年のKバレエ カンパニー『海賊』でのアリ役などで一躍脚光を集めた橋本直樹が、スターの証ともいえるこの大役に挑みます!