本日はドヴォルザークの最円熟期の2つの傑作が演奏されます。ドヴォルザークにとってチェコで書かれた最後の交響曲となった交響曲第8番とアメリカ時代に作曲されたチェロ協奏曲です。交響曲第8番ではボヘミアの美しい自然が歌われ、チェロ協奏曲ではボヘミアへの郷愁が表され、どちらもロマンティックで美しい旋律に満ち溢れています。
今日の演奏会を指揮するのは阪哲朗氏。まだ30代の若きマエストロですが、既にスイスのビール市立歌劇場(92〜97年)、ドイツのブランデンブルク歌劇場(97〜98年)、ベルリン・コーミッシェ・オーパー(98〜2001年)の専属指揮者を歴任し、一昨年秋には、NHK交響楽団の定期公演にデビューしています。また、新国立劇場にも一昨年から登場し、今年も客演する予定。日本の新しい世代を代表する期待の星です。チェロ独奏はN響オーチャード定期に3年ぶりの登場となるロシアの名手、アレクサンドル・クニャーゼフ氏。彼は、若き日に難病を克服し、その後
、交通事故で妻を亡くして自らも重傷を負いながらも復活を遂げ、「奇跡のチェリスト」と呼ばれました。今や名実ともにロシアを代表するチェリストの一人として活躍しています。チェリストにとっての最高の傑作であるドヴォルザークのチェロ協奏曲でどんな名演を聴かせてくれるとても楽しみです。 |