彗星のように現れて一瞬にして消えた、地方の少女歌劇団の話なんですね。かつて熱い思いを抱いていた集団が崩壊して、ある日夢のように還ってきた。関わった人たちは何を考え、何を感じたのか。過去を振り返ることは希望かもしれないし、捨て去るべきことかもしれない。でも、そこに確かにあった“熱い思い”を検証したいんですよ。
実はこれ、僕にとっては痛恨の作品なんだ。簡単に言えば初演は失敗だった(笑)。女性キャストは全員元宝塚の人たちに出てもらったんだけど、宝塚ファンは“ケーキを食べに行ったらキムチ食わされた”みたいな感じだったんじゃないかな。でも清水のホンはすごく面白かったから、もう一度キチッとやり直さないと死ねねぇな、と思ってね。かつての自分と向き合いたいという、僕自身の思いもあるわけです。
団塊から上の世代にとっては身近な物語のはずだし、その世代をあざ笑う批判者としての若い世代も、清水は客観的に描いてる。だからいろんな世代の人に観てほしい。もちろんショーアップもするから、ショーが好きな人も楽しんでもらえると思いますよ。
今、世の中が停滞してるでしょ。未来の展望なんて何も持てない。でも、そんな淋しい時代だからこそ、熱いメッセージを激しく叩き付けたいんだ。美しくて、激しくて、ノスタルジックで、闘争的で。そんな舞台をつくりたい。そして今度こそ、成功させたいね!
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(取材・文=市川安紀)











