ストーリー
平安末期の源平合戦の時代。
平家の武将・斎藤実盛は、60歳という老齢の身ながら合戦が続く日々を送っている。
敵は木曽義仲。かつて、幼い義仲の命を救い、木曽山中の中原一族に預けたのは実盛だった。しかも実盛の息子・五郎は、同世代の義仲、巴、中原兄弟と親交を厚くし、京に向かって兵を挙げた彼らの軍に身を投じていた。だが、五郎は不慮の死を遂げ、今は亡霊となって実盛の傍らにいる・・・・・・。
森の国に生まれ育った義仲軍の勢いは激しく、昔、彼らの輝きに触れたことのある実盛は、その眩しさを知っている。ついにはもうひとりの息子・六郎までも義仲のもとへ走ってしまった。
しかし六郎が見た義仲軍の実体はあまりにも無残で、想像とはかけ離れたものだった。