岩松了(作・演出)×一青窈(作詞)×小林武史(音楽監督・作曲)
書下ろし音楽劇 箱の中の女
「泣くために歌ってた。今度はもっと、を伝えたい。」
一青窈全曲作詞。小林武史作曲。
この公演のために書き下ろされた数々の楽曲に全身全霊を込めて歌います。 ――― 一青窈
2008.12/10(水)〜25(木) Bunkamuraシアターコクーン
一青窈ファン必見! コンサート以上に濃密な一青窈ワールドが体験できる音楽劇。 “箱の中の女” 一青窈を巡る男たちに個性派男優が集結。 奇跡のコラボで挑む芝居と音楽の完全融合!
人の強さや弱さ、心のひだを選び抜いた言葉で表現し続ける一青窈が遂に音楽劇に挑戦。岩松了が作・演出する男と女のラブ・サスペンス劇へ全編書下ろし(作詞)で参加。
音楽監督にはMr.Childrenやレミオロメンなどを手掛ける小林武史。「ハナミズキ」や「もらい泣き」以上の新曲が誕生するかも。音楽と芝居が濃密に融合した音楽劇の誕生。
今度、音楽劇『箱の中の女』をやります。
一青窈さんの音楽、それも未発表曲ばかりを演劇の中に組み込むたくらみです。
あの一青窈がお芝居をするというのが私にとっても観客の方にとっても新鮮で楽しみではないかと思います。
『箱の中の女』 そのタイトル通り、箱の中より出てきます。
今回、初めてお芝居というものに挑戦します。
これまで、自分の気持ちを詩に込め、あるカタチにはめ込んで歌ってきたのですがそれでもやっぱり伝え足りないと思っていました。
岩松さんのお芝居はすごくセリフが多いという印象ですが、違う視点からの言葉(岩松さん)を自分の中に流し込んで吐き出すことでやっと届け足りるのかなというのが今回の私の願いです。
あんまり早口は得意じゃないですけれども、がんがんに鍛えていただいて、精一杯、箱の中の女をやりたいと思います。
箱から飛び出るような音楽を、異次元空間に広がる感情をどれだけ表現できるか頑張ります。
男は孤独な生活をしていた。波止場で荷物の積み下ろしの仕事についていたが、友達とてなく、倉庫ともつかぬ男の住居には、船から降ろされた荷物、これから出荷される荷物が山積みされている。男は妻が欲しかった。愛する者と暮らせる日々を夢見ていたのだ。それがかなわぬ中、男は一人の密輸業者に密輸を加担するように持ちかけられ、それを受け入れた。或る夜、眠ろうとした時に、山積みされている箱の中から奇妙な音がする。不思議な音に誘われるようにその箱に近づく。中から一人の女が出てきた。箱は、あの密輸業者から預かったものだ。男は女に、密輸業者との関係を問いただそうとするが、言葉を話さぬ。おそらくは何か不幸な身の上にあるのに違いない。秘密の生活をつづけるうちに、男はこの女こそ運命の女だと思いはじめる。が、女の周辺にはにわかに不穏な空気が・・・
出演者プロフィール
一青窈(作詞) HITOTOYO
1976年9月20日東京生まれ。台湾人の父と日本人の母の間に生まれる。慶應義塾大学環境情報学部(SFC)卒。大学時代にはアカペラサークルでストリートライヴも行う。2002年、シングル「もらい泣き」でデビュー。以降、全ての作品の作詞を手がける。2004年、台湾の巨匠、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督による、映画「珈琲時光」に初主演、活躍の場を広げる。同年に発表したシングル「ハナミズキ」は、もともとは9・ 11の同時多発テロをきっかけに作られた作品。2007年には、初のベストアルバム「BESTYO」をリリースしロング ヒットとなっている。 今年3月に最新アルバム「Key」を、5月に初の単行本「明日の言付(ことづ)け」 を発売。9月16日には初の武道館公演を行なった。
岩松了(作・演出) Ryo IWAMATSU
劇作家、演出家、俳優として活躍。岩松了プロデュース公演、タ・マニネ公演等、数多くの作品を手掛けている。1989年には『蒲団と達磨』で岸田國士演劇賞、94年には『こわれゆく男』『鳩を飼う姉妹』で紀伊国屋演劇賞個人賞、98年『テレビ・デイズ』では読売文学賞を受賞。近作に『シェイクスピア・ソナタ』『死ぬまでの短い時間』『恋する妊婦』等。また、俳優として、映画「図鑑に載っていない虫」「転々」、ドラマ「時効警察」「帰ってきた時効警察」等の作品に出演。監督・脚本を担当した映画「たみおのしあわせ」が今夏公開。
小林武史(音楽監督・作曲) Takeshi KOBAYASHI
音楽プロデューサー、キーボーディスト。Mr.Children、レミオロメンなど、数多くのアーティストのレコーディング、プロデュース、ライブ演出などを手がける。『スワロウテイル』、『リリイ・シュシュのすべて』、『地下鉄(メトロ)に乗って』『幸福な食卓』など手がけた映画音楽も多数。
2003年にMr.Childrenの櫻井 和寿と中間法人「ap bank」を立ち上げ、環境プロジェクトに対する融資を行うほか、2005年より野外音楽フェス“ap bank fes”を開催するなどの活動を行っている。