
クロード・モネ
《睡蓮のある池》1919年 油彩・キャンヴァス
第一次世界大戦前の繁栄を謳歌していた頃のフランスでは、美術の全く異なるふたつの切り口が顔を合わせていました。印象派とエコール・ド・パリです。両者の背景として共通するのは、フランスの繁栄と社会の一応の安定があり、画家たちは自らの感性に忠実にその各々の目標に向かって邁進したことでした。そしてそれはいわば夢の実現でもあったのです。
日本人が抱くフランスへの憧れの源泉には、おそらくこの国が長年にわたり文化芸術をリードしてきたことがあるでしょう。その象徴が「芸術の都パリ」の存在であり、絵画作品はその結晶なのです。日本の個人コレクションで構成される本展は、日本人にとって最もフランス的なるものである絵画を通じての日本人からフランスへのオマージュであるとともに、それを描いた画家たちの一人ひとりの夢を追体験する試みといえるでしょう。