花や生き物たちにあふれた夢とメルヘンの世界へ
子供のような無垢な眼差しと自由な想像力で、小さな生き物たちを主人公にした不思議な世界を詩情あふれる文章とともに生み出した絵本画家エルンスト・クライドルフ(1863-1956)。スイスではいまでも子供たちに愛され読みつがれる国民的な絵本画家で、19世紀から20世紀初頭にかけてのヨーロッパにおける絵本の黎明期を代表する一人としても評価の高いアーティストです。
本展は、美しい自然と豊かな芸術の国、スイスで育まれた画家クライドルフの作品世界をベルン美術館寄託の作品を中心に約220点でたどる日本で初めての大規模なクライドルフ回顧展です。
In cooperation with the Verein/Stiftung Ernst Kreidolf and the Museum of Fine Arts,Berne,Switzerland.
<ここがポイント>
ミュンヘンの美術学校で優秀な成績を収めていたクライドルフは、働きすぎで体調を崩し、アルプスで療養生活を送ります。大自然に息づく小さな生き物たちの世界―このアルプスでの体験が、独特な世界を創造する原動力となったのです!
『花を棲みかに』より 《まま母さん》
水彩、墨・紙 1926年以前 ベルン美術館 ©ProLitteris, Zürich