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バレエビギナーのための鑑賞ガイド⑧

コンサートホールや劇場で生のコンサートやお芝居を体験してみたいけど、分からないことが多く、何となく敷居の高さを感じてしまう…。そうした不安を払拭して最初の一歩を踏み出すきっかけになるよう、初めて文化芸術を楽しむための入門知識をまとめた初心者向け企画「Start!Bunka ビギナーのための鑑賞ガイド」。第8回はバレエを楽しむコツや鑑賞時の基本的なマナーをご紹介します。

初めての方がバレエ公演を選ぶポイントは?

物語や人物の感情を言葉ではなく踊りで表現し、音楽・衣裳・美術と合わせて華やかな夢の世界へ誘うバレエ。鍛え上げられた肉体で舞台に立つダンサーたちが体現する究極の美に、瞬きするのも忘れてしまいそう。また、作品世界を雄弁に語るオーケストラの音楽とダンサーの身体表現が絶妙に重なり合う瞬間も格別!そうした感動は生の舞台の鑑賞体験でしか味わえないものです。

バレエのジャンルは大きく分けて、様式性の高い踊りで構成される古典的なクラシック・バレエと、20世紀以降に誕生したより自由で新しいモダン・バレエの2種類あります。そして公演スタイルにも、オーケストラの生演奏付きか録音音源か、全幕舞台かガラ公演(様々な人気作品の代表的なシーンを抜粋して踊る公演)か、海外の団体か日本の団体か、さまざまな違いがあります。

「前からこの作品が見てみたかった!」といった選定条件が特にない場合は、まずは馴染みのある物語、国内外の人気バレエ団、世界的なダンサーなど、どんな要素でもいいので何かしら興味を惹かれた要素から公演を選ぶとよいでしょう。あまりバレエに馴染みがない方も、チャイコフスキーの三大バレエ『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』のように、有名な劇中曲がドラマ・映画・CMなどに用いられているような作品だと初めてでも馴染みやすいはず。また、バレエにはストーリーもあるので、事前にあらすじを調べて内容が分かりやすそうな演目を選ぶと、踊りや演奏をよりじっくり堪能しやすいでしょう。

バレエ公演ではどの席を選べばいい?

初めてのバレエ鑑賞の場合、公演選びと同じく多くの方が迷うのが「どのエリアの席で鑑賞すればいいか」ではないでしょうか。ホールに足を運んだことがないと、それぞれの席の特徴や違いをイメージしづらく、どんな基準で席を選べばいいか分からないですよね。

良い席の定義は、「こんな鑑賞体験をしたい!」という目的によって変わってきます。ダンサーのきめ細かな表現が至近距離でよく見えて、踊りの迫力と臨場感を味わえる1階前方。舞台全体を見渡すことができ、群舞や舞台美術を鑑賞しやすい1階後方。ダンサーたちのフォーメーションが把握しやすく、オーケストラが奏でる音もより豊かに響く2~3階席。斜め方向から見下ろす形になりますが、独特の角度から舞台を俯瞰できるバルコニー。それぞれの席に特徴があるので、何度か通って自分好みの席を探してみてください。さらにオペラグラスを持参すると、ステージから離れた席でもダンサーの表情・動き・衣裳を細かく堪能しやすくなるのでおすすめです。

バレエ鑑賞のマナーは?どんな服装で行けばいい? 

バレエ公演全般の鑑賞マナーとして最も気を付けることは、周りのお客様の鑑賞の妨げにならないよう、上演中に音を立てないことです。まだ舞台にダンサーが現れない前奏の時点から公演は始まっているので、会話はもちろん、咳もできるだけ幕の合間まで控えましょう。カバンや袋を開けたり、公演のパンフレットをめくる音も、自分が思っている以上に周りに聴こえてしまうもの。同じ理由から上演中の途中入場ができない場合があるので、開演時間に間に合うよう余裕を持って来場することをおすすめします。

ダンサーの見事な踊りに感動したら、ぜひ拍手を贈りましょう。拍手のタイミングがつかみづらい場合は周囲に合わせるとよいでしょう。

なお、客席内での飲食、撮影・録音・録画は禁止。携帯電話・アラーム付き時計など、音の出る電子機器の電源は切っておきましょう。補聴器をお使いの方は、開演前に正しく装着されているか確認することをおすすめします。また、意外と盲点なのが鑑賞時の姿勢。前のめりに座ると後方のお客様の視界をさえぎることになるので、座席の背もたれに背中を付けた状態で座りましょう。他にも分からないことや鑑賞中に困ったことがあれば、案内スタッフに相談してみると良いでしょう。

マナーと言えば、「バレエ公演にどんな服を着ていけばいいか分からない」と迷う方も多いのではないでしょうか。日本での一般的なバレエ公演にドレスコードはないので、気構えずラフすぎない清潔な服装であれば問題ありません。もちろん、場の雰囲気を楽しむオシャレをするのも良いですが、バレエの上演時間は2~3時間と比較的長いので、体が締め付けられて疲れやすい服装は避けた方が無難です。なお、周囲の方への配慮のため、帽子は開演中には脱いで、香りの強すぎる香水は避けた方がよいでしょう。

会場で快適にお過ごしいただくために/チケット購入方法

バレエ公演当日に最低限必要なものはチケットですが、会場内の空調の寒暖の感じ方には個人差があるので、ショールやカーディガンなど軽く羽織って体温調整を行えるアイテムや、咳やくしゃみが出てしまう時に口元を押さえられるハンカチもあると便利。他にも、先ほどおすすめしたオペラグラスや、会場で購入したグッズを入れるエコバッグなど、必要に応じて持参しましょう。市販のオペラグラスは持ち運びやすいよう軽量かつシンプルに設計されているため倍率3倍が一般的ですが、大きめの会場や2~3階席で鑑賞する場合は4~10倍程度の高倍率タイプがおすすめです。なお、公演によっては会場ロビーでオペラグラスを貸し出している場合があるので、購入前に一度試してみてはいかがでしょうか。

チケットは、おもに各プレイガイドや公演会場のチケットカウンターなどで販売されます。販売方法は公演によって異なるので、詳しくは主催者のホームページをご覧ください。Bunkamura主催公演では、オンラインチケットMY Bunkamuraをはじめ、Bunkamuraチケットセンター(電話)・東急シアターオーブ/Bunkamuraチケットカウンター(店頭)または各プレイガイドでのご購入、ご予約が可能です(詳細はBunkamuraチケットガイドでご確認ください)。公演によっては学生向けのシートや料金をご用意していますので、こちらも公演のホームページでご確認ください。また、残席状況によっては会場で当日券が販売される場合があるので、事前販売でチケットが完売になってもあきらめず公演のホームページをこまめにチェックしてみてください。

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