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ミュージカルビギナーのための鑑賞ガイド⑥

コンサートホールや劇場で生のコンサートやお芝居を体験してみたいけど、分からないことが多く、何となく敷居の高さを感じてしまう…。そうした不安を払拭して最初の一歩を踏み出すきっかけになるよう、初めて文化芸術を楽しむための入門知識をまとめた初心者向け企画「Start!Bunka ビギナーのための鑑賞ガイド」。第6回はミュージカルを楽しむコツや鑑賞時の基本的なマナーをご紹介します。

ミュージカルの観劇作品を選ぶポイントは?

歌と踊りが織りなす絢爛豪華な世界が魅力的なミュージカルは、観劇経験が少ない方でも、そして予備知識がなくても誰もが気軽に楽しめるエンタテインメント。コメディ、シリアス、ラブストーリーなど作品ジャンルは多彩ですが、初めて鑑賞する場合は、過去に何度も再演されている名作、有名な映画や本を原作にした作品、あるいは聴いたことのある曲が含まれた作品から入るとより馴染みやすいはず。海外作品から選ぶ場合は、トニー賞など著名な賞の受賞歴も参考にするとよいでしょう。
またミュージカル公演の種類として、舞台装置や俳優の演技を伴わない演奏会形式や、通しの物語として上演するのではなく、複数の人気作品の中から有名なナンバーを選りすぐって歌と踊りを披露するミュージカルガラコンサートもあります。馴染みのある歌を集中して味わえるので、楽曲の魅力を最大限楽しみたい方にはこうした公演もおすすめです。

ミュージカルでの座席の選び方と作品を楽しむコツは?

ミュージカル公演の劇場での座席は、それぞれの場所によって特徴があります。出演者との距離が近くて表情までよく見えて、演技の臨場感がより味わえる1階前方。ステージ全体が視野に入り、ダンスのフォーメーションなどを見渡しやすい1階後方。舞台美術を含めて全体を俯瞰しやすい2~3階席。劇場によっても見え方や特徴が異なりますので、色々な劇場に通い、自分好みの劇場や席を探してみてください。
次は鑑賞前の“予習”について。前述のようにミュージカルは予備知識がなくても楽しめることが大きな特長ですが、楽曲がCDや音楽配信サービスで提供されている場合は事前に聴いて楽曲の魅力に馴染んでおくと、生の声・生の演奏で聴いた時の感動が倍増! さらにホームページなどをチェックしてあらすじを簡単に把握しておくと、より物語の世界に入り込みやすいでしょう。なお、海外招聘作品はステージ上に字幕が表示されることもあるので、外国語が分からない場合も、必要に応じて確認しながら観劇することができます。
また、会場へのアクセス・経路・所要時間なども事前に調べておくと、当日に心の余裕を持って鑑賞に臨みやすくなるでしょう。

ミュージカルでの観劇マナーは?どんな服装で行けばいい?

上演中は他のお客様の鑑賞の妨げにならないよう、おしゃべりなど音を出す行為は控えましょう。なお、客席内での飲食、撮影・録音・録画は原則として禁止されています。携帯電話・アラーム付き時計など、音の出る電子機器の電源は切っておきましょう。補聴器をお使いの方は、開演前に正しく装着されているか確認することをおすすめします。前のめりに座ると後方のお客様の視界をさえぎることになるので、座席の背もたれに背中を付けた状態で座りましょう。他にも分からないことや鑑賞中に困ったことがあれば、案内スタッフに相談してみると良いでしょう。
上演中に俳優たちの見事なパフォーマンスに感動したら、その気持ちをぜひ拍手で伝えましょう。一般的には楽曲を歌い終わった後に拍手が沸きますが、意外と難しいのがタイミング。最後の一音まで聴きたいというお客様もいらっしゃいますので、最後の一音が終わるところまで待ち、周りと合わせて拍手するのが無難でしょう。
もう1つの観劇マナーとして気になるのは、服装ではないでしょうか。ミュージカルにはドレスコードはなく、長時間座っても疲れないよう普段から着慣れたカジュアルな服装で大丈夫です。もちろん、華やかなショーを観劇するという特別な日を楽しむため、オシャレにドレスアップするのもOK。なお、周囲の方への配慮のため、帽子は客席内では脱いで、香りの強すぎる香水は避けた方がよいでしょう。

劇場で快適にお過ごしいただくために/チケット購入方法

公演当日に必要なものはチケットですが、劇場内の温度が気になる方は調節のため簡単に羽織れるものがあると便利です。他にも、ステージの様子を間近に感じることができるオペラグラス、公演前後に購入したプログラムやグッズを入れるエコバッグなど必要に応じて持参しましょう。市販のオペラグラスは持ち運びやすいよう軽量かつシンプルに設計されているものから、高倍率タイプのものまでさまざまですので、劇場や席に合わせて選ぶとよいでしょう。なお、公演や劇場によってはオペラグラスを貸し出している場合があるので、購入前に一度試してみてはいかがでしょうか。
チケットは、おもに各プレイガイドや公演会場のチケットカウンターなどで販売されます。販売方法は公演によって異なるので、詳しくは主催者のホームページをご覧ください。Bunkamura主催公演では、オンラインチケットMY Bunkamuraをはじめ、Bunkamuraチケットセンター(電話)・東急シアターオーブ/Bunkamuraチケットカウンター(店頭)または各プレイガイドでのご購入、ご予約が可能です(詳細はBunkamuraチケットガイドでご確認ください。)。公演によっては学生向けのシートや料金を用意している場合もあるほか、残席状況によっては会場で当日券が販売される場合があるので、興味のある公演を見つけたら、公演のホームページをこまめにチェックしてみてください。

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