今回は、藍染めという日本の伝統的な素材をモティーフに日本的な感性で世界に通じるデザイン性をお持ちになりご活躍されている坂東さんと、土着性、民族性の強い題材をモチーフにした創作活動が世界に受け入れられた棟方には、相通ずる点があるのではないかと考え、坂東さんにアートレビューをお願いしました。ほとんど“飛び込み”状態でお願いしたのにも関わらず快く引き受けてくださり、ギャザリングに備えて4回も棟方展をご覧くださったという坂東さん。私たちが考えていた棟方との共通点以外にも「故郷へのこだわり」「自然物(板/藍)を活かした作品づくり」「色へのこだわり」等々ビックリするほど共通点が多く、とても広がりのあるお話を聞くことができました。
最近、若い人たちの間でも日本の伝統的なもののよさや“和”への関心が高まってきているようですが、海外からの評価ではなく、日本人が日本人が生み出すもののよさを認識して誇りにしていくこと、棟方や坂東さんなどの“本物”を自分の眼で見て感じることが大切なんだなと再認識させられたような気がします。
(海老沢)
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