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イベント情報

『Museum Gathering×日本デザイナー学院『黒の手紙~レトル・ノワール~で黒を感じるワークショップ』(2007年8月)

幻想的な作風で知られる今回の『ルドンの黒』展では、オディロン・ルドンのモノクロの版画作品を中心に展示していますが、そのルドンがこだわった“黒”という色の持つ意味や魅力を理解していただくことによって、ルドンの黒の世界をより深く楽しんでいただこうという企画です。

ワークショップという名前が付いていますが、今回のワークショップは一般的に行われている、参加者を募ってみんなで何かを作り上げるというものではなく、ご来場の方一人一人に参加頂く新しいワークショップ形式となりました。

日本デザイナー学院のみなさんが作ってくださったのは「黒の手紙~レトル・ノワール~」。封筒も中身も黒い、名刺サイズの小さな手紙です。

中にはさまざまな“黒”にまつわるエピソードが書かれています。この手紙を展覧会の鑑賞前にご覧いただいて、“黒”に対する意味や魅力を感じていただき、ルドンの作品をより楽しんでいただこうという企画です。

(黒の手紙-例)

・黒の重さ
色には重さを感じさせる色とそうでない色があります。色相別に重いほうから並べていくと
「黒、青、赤、紫、橙、緑、黄、白」黒は最も重さを感じさせるのです。
・黒い花
花にいろんな色があるのは、赤や黄、緑などの色素によるもの。植物は黒い色素であるメラニンを持っていないので、基本的に黒い花というのは存在しないことになります。しかし、赤や紫の色素がとても濃くなったりすると、黒い花に見える場合があるようです。
・ゴッホと黒
黒と白を使わない印象派の画家たちに対して疑問を持ったゴッホは、弟テオにこんな言葉を残しています。「黒と白は使ってもいいのか、いけないのか、これは禁断の木の実なのか」

ミュージアム入り口で、日本デザイナー学院の学生さんが“黒の手紙”をお客様に直接お渡しします。

さらに会場出口にて、日本デザイナー学院のスタッフがお客様にアンケート用紙を奥張りしております。アンケート用紙には、『あなたにとって『黒』とはなんですか?』と書かれています。

そして、最後にスタッフが作成した“黒い郵便箱”が設置。コチラにアンケートを投函していただきます。

今回のワークショップでは、来場された方にとっての「黒」をお聞きし、最終的に特別に作成したWebページにてアンケート結果を発表しました。“黒”という色はどこか他の色とは特別な趣や存在感があります。ルドンも“黒”のそういうところにひきつけられたのでしょうか。

さらに今回のコラボレーションでは、学生さんがスタッフ用として作成したルドンの作品をモチーフにしたオリジナル Tシャツが、渋谷・東急ハンズさんのご協力により商品化され、会場内のショップにて販売することとなりました。

(おまけ)
今回のコラボレーションのミーティング&作成風景です。