公演日程
2025/8/31(日)~9/21(日)

チケット料金
S席¥12,000 A席¥9,000(税込・全席指定)
2025/8/31(日)~9/21(日)
S席¥12,000 A席¥9,000(税込・全席指定)
唐十郎の初期作品『アリババ』、『愛の乞食』の二作品。唐が旗揚げした劇団「状況劇場」によって1966年に『アリババ』が、1970年に『愛の乞食』が初演されました。現実と幻想、現在と過去が溶け合うそれぞれの物語は、叙情的に紡がれる言葉の数々で、人々の中に眠る普遍的なロマンを呼び起こします。通い慣れた街、見慣れた景色が唐のフィルターを通して掘り起こされ、現代に生きる人々に活力と希望を与える作品として蘇ります。
演出を務めるのは、新宿梁山泊主宰の金守珍。唐十郎と蜷川幸雄の両虎を師とし、アンダーグラウンド演劇に真正面から取り組んできた金は、Bunkamuraシアターコクーンで、蜷川幸雄の遺志を継ぎ『ビニールの城』(16年)の演出を手掛け、多くの観客を魅了し見事その使命を果たしました。その後『唐版 風の又三郎』(19年)、『泥人魚』(21年)と、次々と唐の名作を喧騒の野外テントから広壮な劇場空間に甦らせ、アングラの醍醐味の猥雑さと詩情豊かで幻想的な唐の劇世界を美しく昇華させました。そして2023年、野外テントの聖地・花園神社を有する新宿のTHEATER MILANO-Zaで上演した『少女都市からの呼び声』は金らしい爆発的なエネルギーを内包した独創的な演出が記憶に新しく、アングラ演劇のさらなる躍進を予期させる瞬間でもありました。その歩みを止めることなく、今作では唐の初期作品二作を初の全編“関西弁”で連続上演。唐の独特な世界観を関西弁で再解釈することによって、新たな視点で戯曲の力を引き出し、アングラ演劇を次世代へ繋げてゆく契機となるでしょう。さらに6月には金が新宿梁山泊主催のテント公演でも同演目を演出・上演します。
主演を務めるのはSUPER EIGHTの安田章大。2023年に主演した『少女都市からの呼び声』で初めて唐作品に挑戦し、根底に流れる唐十郎の精神を見事に体現した安田は、今年6月に新宿・花園神社境内に特設される野外テントで『アリババ』と『愛の乞食』に出演することが決定しています。同じ演目でありながら、8月に世田谷パブリックシアターで上演する本公演ではあえて全編“関西弁”で演じ、関西出身の安田が持つ言葉の感覚を通じて、唐が紡いだ叙情的な台詞の数々を新たなアプローチでお届けします。
そして共演には、元宝塚歌劇団雪組トップスターで退団後はさまざまなジャンルの舞台で活躍する壮一帆、弱冠19歳にして朝の連続テレビ小説や大河ドラマに出演し注目を集める伊東蒼、タレントやグルメリポーターとして知られる一方で俳優としても劇中で強い存在感を放つ彦摩呂、独特の笑いのセンスと卓越した演技力を併せ持つ福田転球、どんな役でも哀愁漂う容姿と芝居で人間味を感じさせる温水洋一、海外映画に多数出演し最近では全編フランス語の芝居に挑戦するなど体当たりの演技を見せる伊原剛志、さらに、表現者としての飽くなき探求心から2021年に72歳にして初のテント芝居に挑戦、その後も出演を重ね、唐作品への造詣を深める風間杜夫が名を連ねます。
美しさと猥雑さが混在する唐ワールドを体現するに相応しい個性豊かな俳優陣が揃いました。“関西弁”による二作連続上演、アングラ演劇にどっぷり浸かるような没入体験をぜひ劇場でお楽しみください。
雨の中、真夜中の高速道路を駆け抜けて行った黒い馬を探す宿六。そしてその妻の貧子。二人のもとに老人が姿を現し、あの馬は赤いはずだと言う。ブランコが馬の嘶きのように音を立てて揺れだしたころ、隅田川に流した遠い記憶がよみがえってくる。「朝は海の中、昼は丘、夜は川の中。それはなあに?」
生命保険会社に勤める田口は、公衆便所で具合の悪そうなミドリのおばさんを介抱していた。そこに、セーラー服姿の少女・万寿シャゲが帰ってくる。今夜からここは、キャバレエ「豆満江」になるのだ。そこに支那人のチェ・チェ・チェ・オケラと、刑事の馬田と大谷が現れる。男達は万寿シャゲに、かつて海賊時代に出会ったある事件の生き残りの女の面影を見出す。と、その時――彼方より、伝説の海賊ジョン・シルバーの足音が響く。
1963年に劇団「シチュエーションの会」(翌年「状況劇場」に改名)を旗揚げ。翌64年に処女戯曲『24時53分『塔の下』行きは竹早町の駄菓子屋の前で待っている』を執筆。67年、新宿花園神社境内にて紅テントの公演を開始。国外での活動も積極的に行い、72年に韓国、73年にはバングラデシュ、74年にはレバノン、シリアの難民キャンプにていずれも現地語での公演を行った。88年に状況劇場を解散、劇団「唐組」を旗揚げし作・演出・出演を務めた。以降、70年に第15回岸田國士戯曲賞受賞、2003年に第7回鶴屋南北戯曲賞受賞、04年に第55回読売文学賞受賞、06年に第13回読売演劇大賞芸術栄誉賞といった日本での賞の他、10年には韓国の文学賞、第3回李炳注(イ・ビョンジュ)国際文学賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得る。また、97年から05年まで横浜国立大学教育人間科学部マルチメディア文化課程教授に就任し、劇団「唐ゼミ★」を指導。05年から10年には近畿大学文芸学部客員教授を務め、12年4月より、母校である明治大学文学部の客員教授に就任。脚本家としてだけではなく小説家としても数多くの作品を発表しており、83年には「佐川君からの手紙」で芥川賞を受賞、13年にはこれまでの独創的な舞台制作の功績が評価され、2012年度朝日賞を受賞。21年10月には文化功労者に選ばれた。2024年5月、急性硬膜下血腫のため死去。享年84歳。
東海大学電子工学部を卒業後、演出家・蜷川幸雄に師事し蜷川スタジオに所属。『近松心中物語』等に出演し、演劇の基礎を学んだ。1978年より唐十郎主宰の「状況劇場」に参加し、蜷川と唐という「アングラ小劇場」の代表とも言うべき演出家から直接に指導を受けた。独自の表現スタイルであるテント演劇のノウハウを獲得し、その後、87年に新宿梁山泊を創立。旗揚げより新宿梁山泊公演の演出を手掛け、テント空間、劇場空間を存分に使うダイナミックな演出力が認められている。89年には小劇場として初めての韓国公演を行い、第17回テアトロ演劇賞を受賞。94年、フランスアビニョン演劇祭正式招待作品『少女都市からの呼び声』で、文化庁芸術祭賞受賞。その後も、ドイツ、中国、韓国などに招聘され、高い評価を受けた。日本はもとより、オーストラリア国立演劇学校で特別講師として招かれ、99年にはニューヨークで公演を行い、世界に通用する演出家と評判を呼んだ。98年に『飛龍伝』にて、第5回読売演劇大賞演出家賞受賞。また2001年には日韓合作映画『夜を賭けて』で監督を務め、第57回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人監督賞、第43回日本映画監督協会新人賞を受賞。さらに、22年には第57回紀伊國屋演劇賞個人賞、24年に、『おちょこの傘持つメリーポピンズ』、『ジャガーの眼』にて、第59回紀伊國屋演劇賞【団体賞】、25年には、『おちょこの傘持つメリーポピンズ』で、第32回読売演劇大賞【最優秀作品賞】を受賞。エネルギッシュ且つ強烈なビジュアルを印象付ける演出力に、年々高い評価が集まっている。
<近年の唐十郎作品の演出>
『風のほこり』(17、24)、『ジャガーの眼』(14、24)、『おちょこの傘持つメリーポピンズ』(24)、『少女都市からの呼び声』(18、23)、『下谷万年町物語』(22)、『泥人魚』『少女仮面』『ベンガルの虎』(21)、『唐版 犬狼都市』(20)、『蛇姫様 わが心の奈蛇』『唐版 風の又三郎』(19)、『ユニコン物語~台東区篇~』(18)、『腰巻おぼろ~妖鯨篇』『風のほこり』『紙芝居~アメ横のドロップ売り』(17)、『ビニールの城』(16)、『少女仮面』『二都物語』(15)
1984年9月11日生まれ、兵庫県出身。SUPER EIGHTのメンバーとして活動し、ギターを担当。作詞作曲、ギタリスト、俳優としても活躍の幅を広げ、多くの舞台の主演を務める。近年の主な出演作に、【舞台】『あのよこのよ』(24)、『少女都市からの呼び声』(23)、『閃光ばなし』(22)、『リボルバー~誰が【ゴッホ】を撃ち抜いたんだ?~』(21)、『忘れてもらえないの歌』『マニアック』(19)など。2025年6月14日~7月6日、新宿花園神社境内特設紫テントにて、新宿梁山泊『愛の乞食』『アリババ』の主演を務める。
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「状況劇場」で産まれ、受け継がれてきたこの二作。令和の時代に表現する意味は2つです。1つ目は、唐十郎さんの脳を好きに泳ぎ倒して欲しいのです。正解を知っているのは唐さんだけなので、唐さんの頭の中は唐さんしか知り得ない。だから、唐さんが紡ぎ残してくださった綺麗な音符でFantasyの世界を旅して頂きたい。2つ目は、唐十郎さんの脳の中でリフレインされてきた世界はなんだったのかを"感じて欲しい"のです。
唐さんの戯曲を関西弁。賛否両論が出ることを承知で皆さんと挑ませて頂きます。唐さんの中に答えはあっても、唐さんが戯曲への理解を他者に委ねてくださっていたからこそ、この展開は産まれたものです。
関西弁の唐十郎戯曲『アリババ』、『愛の乞食』。人情味と親近感をうまく表現できる関西弁を活かして役者全員で唐さんの脳を泳いできます。共に泳ぎ倒してくだされば幸いです。日々起きる何かに対して解らなくて答えを探すのがあなたのもらった人生の一部ならば何か自分に残る音符を探す旅に来て頂けると我が幸せです。テントとは違う関西弁の異世界へようこそ!
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1975年8月7日生まれ、兵庫県出身。1996年に宝塚歌劇団に入団し、『CAN-CAN/マンハッタン不夜城』で初舞台。2012年より雪組トップスターを務める。14年の退団後は、さまざまなジャンルの舞台に挑戦する一方、コンサートやライブ活動も精力的に行っている。近年の主な舞台出演作に、『RUNWAY』『燃ゆる暗闇にて』『ピーター・パン』『みえないくに』(24)、『Greatest Dream』『ロジャース/ハート』『MEAN GIRLS』(23)、ドラマ『アンチヒーロー』(24・TBS)、『いりびと-異邦人-』(21・WOWOW)など。本年5月より、ブロードウェイミュージカル『A Year with Frog and Toad〜がまくんとかえるくん』への出演を控える。
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今回のお話をいただいた時に、私が唐十郎さんの舞台に…!と、嬉しい思いと少しのプレッシャーを感じました。
素晴らしい共演者の方々、スタッフの皆様と、憧れの世田谷パブリックシアターの舞台に立てることにワクワクしております。
唐さんから紡ぎ出される不思議な言葉の数々、その世界にどっぷり浸かる日々が今から楽しみでなりません。
また、このキャストならではの演出もあるようなので、それも楽しみです。
私の中の新しい私に出会うべく、貪欲に取り組んで参ります。ぜひお楽しみください。
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2005年9月16日生まれ、大阪府出身。映画『湯を沸かすほどの熱い愛』(16・中野量太監督)で、第31回高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞。映画『さがす』(22・片山慎三監督)で第77回毎日映画コンクール 女優助演賞受賞。近作には【舞台】『血の婚礼』(24)、『明るい夜に出かけて』(23)、【映画】『今日の空が1番好き、とまだ言えない僕は』(25・大九明子監督)、『世界の終わりから』(23・主演・紀里谷和明監督)、【ドラマ】NHK『宙わたる教室』、CX『新宿野戦病院』(24)、大河ドラマ『どうする家康』(23)、連続テレビ小説『おかえりモネ』(21)、などがある。
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2016年『ビニールの城』を観劇した時、小学生の私にとって見えるものも聞こえるものも感じるものも、全てが初めてで、私もいつかあの世界へ行きたい、と心から憧れる世界が広がっていたことを強く覚えています。
9年経って、唐十郎さんの世界を、金守珍さんの演出の元、キャストの皆さんと万寿シャゲとして生きられることを本当に嬉しく思います。9年前の観劇体験が色褪せず私の中で残り続けているように、皆様にとってもそのような作品になるよう全力で作品と向き合いますので、是非劇場へ足を運んでいただきたいです!
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1966年9月15日生まれ、大阪府出身。1988年5月、フジテレビ主催「ナイスガイ・コンテスト」で、準グランプリを獲得。89年4月、秋元康プロデュース「幕末塾」の結成メンバーとして TMネットワークのカバー曲『Come on Let’s Dance』でメジャーデビュー 。日本青年館をはじめ全国ツアーも展開。同年、グループ活動をしながら映画に抜擢される。さわやかさとコミカルな演技が認められその後、数々の映画、ドラマで人気者に。同時に、本人たっての願いで情報番組のリポーターやバラエティー番組にも進出し、その人懐っこさがウケて朝やお昼の人気リポーターに。特にグルメではその食べっぷりと独自の味の表現が人気を博し、過去に例をみない日本を代表するグルメリポーターとして活躍を続ける。YouTube「彦飯-HIKOMESHI-」配信中。
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いつも劇場にて観させて頂き感動しています。俳優の方々と唐さんの脚本と金守珍さんの演出には、独特の世界観があり、素晴らしい芸術だとずっとファンでした。そんな中、突然のオファーを頂いた時はこの作品を私如きが汚してなるものかとお断りしておりました。ですが何の心配も要らないから参加してほしいと言って頂きました。関西弁ですよ。伸び伸びやって下さいと。じわじわと心を揺さぶられ、遂にお受けさせて頂く事になりました。私もこの不思議な芸術の世界の1人になりました。
大好きな演劇に全力で挑みます。よろしくお願い致します。
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1968年9月10日生まれ、大阪府出身。大阪芸術大学舞台芸術学科卒業後、1993年に「転球劇場」を旗揚げ、座長をつとめる。以降、2006年のさよなら公演『3バカ』までの13年間、31作品全作品で出演・構成・演出を手掛けた。近年は演劇ユニット「新ロイヤル大衆舎」、「2Cheat」、歌喜劇団「マサコの間男」での活動も精力的に行う。主な作品に、【舞台】『エドモン』(23、25)、『花と龍』(25)、ケムリ研究室no.3『眠くなっちゃった』(23)、『王将』-三部作-(21)、『美しく青く』(19)、【ドラマ】『ハヤブサ消防団』(23)、『剣樹抄~光圀公と俺~』(22)など舞台・映像ともに多数出演。
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この出演が決まった時から全てが夢の様な、そんな心持ちです。今まで出会って来た演劇と近いようで遠い世界というか。唐十郎さん作品も初、演出金守珍さん初、キャストも風間さんを除いては初。二本立ても初。得体の知れない、色んな怪物と出会う感じ?自分が演劇を始めた頃の純粋な気持ちで、そして勝手にテント公演をイメージした熱量で挑みたいと思います。皆様、是非劇場に色んな怪物を観にいらして下さい。
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1964年6月19日生まれ、宮崎県出身。1988 年より小劇場を中心に俳優活動をスタート。唯一無二の個性派俳優として幅広く活躍。2017年に舞台『管理人』で第52回紀伊國屋演劇賞・個人賞受賞。金守珍演出舞台は初出演となる。近年の主な出演作に、【舞台】ケムリ研究室no.4『ベイジルタウンの女神』リーディングアクト『夏と夜と夢』(25)、【映画】『ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯~』(25)、【テレビ】NHKBSP4K『天城越え』NHKBS時代劇『雲霧仁左衛門ファイナル』(25)、フジテレビ『ぶらぶらサタデー タカトシ・温水の路線バスで!』にレギュラー出演中。
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学生時代、唐さんの作品はいくつか見ていて興味はあったのですが、この歳になるまで無縁で、お話をいただいた時は少し迷いましたが、安田章大さんのお名前と、初めて演出を受ける金さん。そしてシアターコクーンの制作。是非やってみようと。戯曲も現代風に手直しされるので、今から楽しみです。自分の役どころ。難しい面はありますが、アレやコレや楽しめたらと。素晴らしい作品になると思いますので、皆様、ぜひ劇場へお越し下さい。
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1963年11月3日福岡県生まれ、大阪府出身。ジャパンアクションクラブ(現JAE)に入り、1983年舞台『真夜中のパーティ』で俳優デビュー。96年NHK連続テレビ小説『ふたりっ子』で全国的に注目され、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。クリント・イーストウッド監督の映画『硫黄島からの手紙』(06)、イザベル・ユペール主演のフランス映画『不思議の国のシドニ』(24)など海外作品にも多数出演。昨年12月には、川平慈英と漫才コンビ「なにわシーサー’s」を結成し、漫才ライブを披露。近年の舞台出演作に『リア王の悲劇』(24・藤田俊太郎演出)、ミュージカル『ラ・マンチャの男』(23・松本白鸚演出)、『フェイクスピア』(21・野田秀樹演出)など。主演映画『ら・かんぱねら』が全国順次公開中。
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唐十郎さん作品(『愛の乞食』)、金守珍さん演出。共に初めてです。正直言って作品は未だ理解出来ません。取り敢えず、役者人生43年の経験を駆使し、楽しんで臨みたいと思います。関西弁での芝居も初めてなので、私の大阪で育った青春の味が出ればと思います。
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1949年4月26日生まれ、東京都出身。早稲田大学演劇科、俳優小劇場養成所を経て、71年「表現劇場」旗揚げ。77年より、つかこうへい作品に多数出演。82年映画『蒲田行進曲』で人気を博し、83年TV『スチュワーデス物語』教官役で一世を風靡した。以降、その演技力に対し高い評価を受けて、幅広いジャンルで活躍。舞台・テレビ・映画に加えて、落語にも取り組み数多くの高座に上がるなど、華のある実力派俳優として第一線を走り続けている。1983年紀伊國屋演劇賞個人賞、1983年84年日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、2003年文化庁芸術祭賞演劇部門大賞、2021年菊田一夫演劇賞大賞、2022年毎日芸術賞、他受賞。2010年紫綬褒章、2023年旭日小綬章、受章。
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若い頃に観た「状況劇場」の印象が、今も甦る。縦横無尽に駆け回る獣のような役者たちに異次元にさらわれてしまいそうで、桟敷に膝を抱えて震えた。帰宅して鏡を見ると、そこにはとても獣になれない優男のボク。「あっちには行けないな…」それが、齢70を過ぎて、荒唐無稽な唐十郎さんの世界にはまり込むとは、予想もしていなかった。昭和の名作を令和に羽ばたかせる金守珍さんの演出力に引き込まれたところも大きいが、今作『アリババ』で、唐作品6本目の出演となる。身も心もさらわれて、楽しくて仕方がない。
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花島令、水嶋カンナ、藤田佳昭、二條正士、宮澤寿、柴野航輝、荒澤守、
寺田結美、紅日毬子、染谷知里、諸治蘭、本間美彩、河西茉祐
伊東蒼、伊原剛志は『愛の乞食』のみの出演となります。
風間杜夫は東京公演・福岡公演の『アリババ』のみの出演となります。
金守珍 コメント
2023年、唐十郎作『少女都市からの呼び声』の稽古中、安田章大さんの告白に驚愕した。「自分は兵庫県の生まれなので、唐さんの台詞を頭の中で関西弁にして気持ちを作り、そこから役を深める」というのだ。だったら思い切って、すべて関西の言葉で上演してみたらどうだろう。唐さんの戯曲は、外国語に翻訳されて海外に紹介されているのだから、同じように関西出身の役者が標準語の不自由さから解放されたら、より豊かに演じられるはずだ。
今回、唐十郎初期作品の『アリババ』と『愛の乞食』の2本立てにしたのは、『アリババ』に登場する堕胎児たちが『愛の乞食』で海賊たちに生まれ変わる醍醐味を味わってもらいたいからだ。唐さんが作品世界をどのように広げていったか。その軌跡も、とくとご覧あれ!
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