あらすじ
舞台は1920年代、夢幻の都市、空想の、記憶の、風の街、シカゴ。2大ギャング「黒手組」と「銀色ファミリー」が対立し、街を騒がせている。「銀色ファミリー」のボス・銀色パパ(串田和美)が経営するクラブ・ラ・リベルテには多くの人間が入り浸り、ジャズの音色と踊り子や酔っぱらいの嬌声で賑わっている。踊り子になる夢を抱き街にやってきたジル(松たか子)は、八百長ボクサーのクリンチ・チャーリー(大東駿介)に出会う。「黒手組」のボス・アスピリン(松尾スズキ)はフラポー嬢(鈴木蘭々)に一目惚れするが、フラポー嬢はギャング撲滅の正義感に燃える新聞記者ベンジャミン(石丸幹二)の婚約者だった。クラブ・ラ・リベルテの踊り子サラ(秋山菜津子)は外遊中のコミ帝国皇太子(片岡亀蔵)と恋に落ち、男に騙され続けてきた踊り子キリー(りょう)はようやく幸せが手にできそうだ。
それぞれの仄かで切ない恋物語が、キャバレーショウのように色鮮やかに散りばめられていく―。