
© 1+2 Seisaku Iinkai
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『ヤンヤン 夏の想い出』
この映画は人生における1+2と同じくらいに、とてもシンプルである。私はこの映画を見終わった観客が、まるでただの友達と一緒にいたかのような気分を味わっていて欲しいと思う。もし彼らが、「一人の映画監督」に出会ったような印象を持って映画を見終わったとしたら、私はこの映画は失敗作であったと思う。 ──エドワード・ヤン 2000年4月9日、台北にて
『光陰的故事』(1982)でデビュー、『台北ストーリー』(1985)、『恐怖分子』(1986)、そして『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(1991)と、数々の名作を撮り続けたエドワード・ヤン監督。2007年に短すぎるその生涯を閉じる前、残念ながら最後の完成作となってしまったのが、『ヤンヤン 夏の想い出』(2000)です。台北と東京を舞台に、反射する夜の光と都市の孤独を、すれ違う時間と精一杯の親密さを、とても些細で、しかし限りなく大きな人生の出来事を「人の後ろ姿ばかりカメラで撮る」少年ヤンヤンとともに見つめた本作は、2000年の第53回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。BBCやニューヨーク・タイムズが選ぶ「21世紀の名作」ベスト10に選出、グー・シャオガン(『春江水暖〜しゅんこうすいだん』/Bunkamuraル・シネマにて上映中)、オリヴィエ・アサイヤス(『冬時間のパリ』)、アリ・アスター(『ミッドサマー』)、スーザン・ソンタグらがフェイヴァリットとして名を挙げ、なにより世界中の人々から愛された傑作です。公開から20年、今もかわらぬみずみずしさと、今だからこそ胸に沁みる風景を、貴重な35mmフィルム上映でご覧ください。
<STORY>台北の典型的な中産階級の家族、NJとその妻 ミンミンと二人の子供達は、ミンミンの年老いた母親とアパートに同居している。40代中盤にさしかかった NJが共同経営者を務めるコンピューター会社は、今年こそ大きな利益をあげたものの、来年度は方針の変更をしなければ、すぐに倒産してしまいそうな状態だった。NJは日本の革新的なゲームソフトのデザイナー、大田と提携することを提案する。ところが、ミンミンの兄弟、アディが結婚する日、一家にトラブルが起こり始める。結婚式の日、ミンミンの母親が心臓発作で倒れ、昏睡状態のまま病院に担ぎ込まれ、二度と回復しないかもしれないと宣告される。また、同じ日、NJが、今やアメリカ人の妻となった初恋の人、シェリーに20年ぶりに偶然出くわしてしまう。