
©Ziggurat Films
フラメンコに革命を起こし、その超絶的な速弾きと類まれなるテクニックで、ジャンルを超えて世界中の音楽ファンを魅了し続けた偉大なるギタリスト、パコ・デ・ルシア。本作では、7歳でギターを手にしてから最後のアルバムとなった“Canción Andaluza”まで、60年間の軌跡を辿る。わずか12歳でプロのフラメンコ・ギタリストとしてデビューしたパコ。その才能はフラメンコにとどまらず、ジャズ/フュージョンへと活躍の場を広げ、1979年、アル・ディ・メオラ(※)、ジョン・マクラフリンとの3人でアコースティック・ギターのみで敢行したツアーから、続く81年に発表したアルバムによって、スーパー・ギター・トリオの愛称で親しまれ、世界中で人気を博すまでとなる。世界を舞台に挑戦し続けたパコの”音楽探求”の旅は、フラメンコを伝統芸術から世界的芸術へと変貌させていく──
監督クーロ・サンチェスはパコの実の息子であり、プロデューサーのルシア・サンチェス・バレラと脚本の共同執筆者カシルダ・サンチェスは監督の姉妹。パコへのインタビューは2010~2014年に行われ、冒頭および終幕の場面は、マジョルカ島のパコの自宅で撮影された。滞在先のメキシコで心臓発作で急逝する直前まで回されたカメラには、今まで誰にも見せなかったパコの、人生、政治、芸術、孤独に対する深遠な考えが、プライベートな素顔とともに余すところなく映し出されている。セクシーな魅力で世の女性たちの心も掴んで離さない、世界を股にかけたスーパー・ギタリストの、頑ななまでの完璧主義ぶりと狂気に近い音楽探求への執念、その生き様に刻まれた栄光と挫折。カルロス・サンタナ、チック・コリアをはじめとするレジェンドたちのインタビューと、圧倒的なテクニックによって生み出される、官能的で華麗なる旋律が奏でる数々の名演奏シーンに心躍る、至福の音楽体験!
※一時期ラリー・コリエルに交替したが、後にディ・メオラが復帰