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ホーム > ル・シネマ > クシシュトフ・キェシロフスキ没後20年 特別上映 キェシロフスキのまなざし

上映作品情報 | ル・シネマ

クシシュトフ・キェシロフスキ没後20年 特別上映
キェシロフスキのまなざし

Krzysztof Kieslowski Retrospective

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7/9(土)~7/22(金)

©1993 MK2 Productions / CED Productions / FR3 Films Productions / CAB Productions / Studio Tor, ©1993 MK2 Productions / France 3 Cinema / CAB Productions / Film Studio Tor, ©1994 MK2 Productions / France 3 cinema / CAB Productions / Film studio TOR

ポーランドに生まれたクシシュトフ・キェシロフスキ監督は70年代より本格的に監督としてのキャリアをスタート。80年代の作品が、その詩的で愛に溢れたまなざし、美しい脚本と映像で絶賛され、90年代にはジュリエット・ビノシュ、ジュリー・デルピー、イレーヌ・ジャコブ3人のフランスを代表する名女優をそれぞれ主演に据えた『トリコロール』3部作が世界中で大ヒット。一躍時代を代表する名匠となった。しかし96年、突然の心臓発作でこの世を去る。54歳だった。
今回上映となるのは、ル・シネマでの封切り時にも絶大な人気を誇った『トリコロール』3部作、『ふたりのベロニカ』、そして監督の初期作にあたるポーランド時代のみずみずしい作品群。ポーランド時代の作品はすでに日本での権利が切れており、6作品の上映は共催者であるポーランド広報文化センターの助成により実現。この企画のために特別に上映許可が取得されました。それらを含めた10作品すべてが貴重な35ミリフィルムでの上映となります。監督の没後20年を迎えたこの夏、誰もが胸のうちに秘める繊細な心の揺らぎを描いた名作の数々がスクリーンに甦ります。

また、会期中には豪華ゲストを招いたトークイベントも複数回開催。登壇ゲストには、今年のカンヌ国際映画祭で最新作『淵に立つ』が「ある視点」部門審査員賞を受賞した深田晃司監督、そしてキェシロフスキ監督の祖国ポーランドで最も権威のあるグディニャ映画祭芸術監督であり、若い世代を代表するポーランドの映画評論家のミハウ・オレシュチク氏が予定されています。

いま、キェシロフスキの作品とふたたび出会い、きっとわたしたちは愛を思い出す──

<上映作品>

『トリコロール/青の愛』Trois couleurs: Bleu
1993年/99分/カラー/35ミリ
出演:ジュリエット・ビノシュ、ブノワ・レジャン、エマニュエル・リヴァ
事故で愛する夫と娘を失ったジュリー。すべてを捨て、パリで新たな生活をはじめようとするも、夫が書いた未完の協奏曲のメロディーを、そして想い出を忘れることができない。そんな中、知らなかった夫の秘密を知り…。フランス革命の精神「自由・平等・博愛」を込めたトリコロールをモチーフに、独立した物語でありながらそれぞれが”運命”で交錯する三部作。最初を飾るのは『青の愛』で、テーマは”自由<愛の呪縛(記憶)からの自由(再生)>”。ジュリエット・ビノシュの愁いを帯びたまなざし、盟友・プレイスネルの旋律…そのすべてが忘れがたい感情を残す。

『トリコロール/白の愛』Trois couleurs: Blanc
1994年/92分/カラー/35ミリ
出演:ジュリー・デルピー、ズビグニェフ・ザマホフスキ、ヤヌシュ・ガヨス
パリに住むポーランド人の美容師カロルは、性的不能を理由にフランス人の妻ドミニクに離婚を言い渡される。失意に沈む彼がメトロの通路で故郷の音楽を奏でていると、同郷の男に声をかけられ、ともにワルシャワへと戻ることに。故郷の地で生活を取り戻したカロルだが、ドミニクへの恋しさは募るばかり。そこで彼は愛を取り戻すための作戦を思いつく…。三部作の二作目『白の愛』はジュリー・デルピーを主演に迎え、テーマは”平等<愛に平等はあるのか>”。三部作のなかで最もユーモアに溢れた温かいまなざしを感じる本作。ふたりが同じ愛のもとに再び心を通わせるラストシーンは感動的。

『トリコロール/赤の愛』Trois couleurs: Rouge
1994年/ 96分/カラー/35ミリ
出演:イレーヌ・ジャコブ、ジャン=ルイ・トランティニャン、フレデリック・フェデル
大学に通う傍らモデルとしても活動するバランティーヌは、車で犬をはねてしまう。首輪を頼りに訪ねた住所で、盗聴が趣味の孤独な元判事に出会う。心を閉ざす元判事は彼女の優しさに触れ、やがてふたりは互いの孤独を感じ合い、心を開く。三部作の最後にふさわしいテーマは”博愛<すべてを包み込む、無垢な愛>”。青、白、そして赤…三つの物語が見事に絡み合うラストは、キェシロフスキが紡いできた”愛”の奇跡の集大成であり、何度観てもこれ以上ないほどに美しい。三部作の最終章にして、監督の遺作となってしまった永遠の一作。

『ふたりのベロニカ』 La double vie de Véronique
1991年/ 98分/カラー/35ミリ
出演:イレーヌ・ジャコブ、フィリップ・ヴォルテール、サンドリーヌ・デュマ
一方はポーランドの小さな村で、一方はパリ郊外で、同じ年、同じ日、同じ時刻に生まれた二人のベロニカ。同じような容姿、癖、音楽的才能を持ち、さらには先天性の心臓病まで共有していたふたりは、いつもお互いのことをどこかで感じ取っていた。そして突然この世を去ったポーランドのベロニカに導かれ、パリのベロニカは真実の愛を探し求める。運命、偶然、奇跡、孤独、そして愛…キェシロフスキ的主題に溢れた、不思議で美しい愛の物語。監督の最後の”ミューズ” イレーヌ・ジャコブと出会えた喜びがスクリーンにほとばしる大ヒット作。

『愛に関する短いフィルム』 Krótki film o miłości
1988年/ 87分/カラー/35ミリ
出演:グラジナ・シャポウォフスカ、オラフ・ルバシェンコ、ステファニア・イヴィンスカ
孤独な少年トメクは、彼の泊まる下宿の向いのアパートに住む年上の女、マグダのことを覗き見している。そしてマグダもまた、孤独な心を抱え、多くのボーイフレンドと過ごすことでやり過ごしていた。そんな彼女をやさしく見つめるトメク。遂には彼女と会う機会が訪れ、すべて告白するが……TVシリーズで企画された『デカローグ』の1話として製作された作品のロングバージョンである本作。愛について語ること、それはまなざしについての映画であるということを強く意識させ、人をいとおしむキェシロフスキ自身のまなざしもスクリーンから感じられる。

『殺人に関する短いフィルム』Krótki film o zabijaniu
1987年/ 85分/カラー/35ミリ
ミロスワフ・バカ、クシシュトフ・グロビシュ、ヤン・テサシュ
見習い弁護士ピョートルは最後の試験を受けていた。犯罪をなくすという自らの使命に燃えながら。同じ頃、青年ヤツェクがあてもなく街をぶらつき、また同じ時、タクシー運転手がいつものように嫌がらせで乗車拒否をしていた。ヤツェクはそのタクシーに乗り込み、なぜか周到に準備した凶器で運転手を殺してしまう。ヤツェクの裁判を担当したのは、その日弁護士になったばかりのピョートルで……。『愛に関する~』と同じく『デカローグ』の中の1話をオリジナルとする作品。出会うはずのなかった3人が”殺人”を介した運命の巡り合わせで結びつく、衝撃の必見作。

『終わりなし』Bez końca
1984年/109分/カラー/35ミリ
出演:グラジナ・シャポウォフスカ、イェジ・ラジヴィオヴィッチ、アレクサンデル・バルディーニ
愛する弁護士の夫アンテクを心臓発作で亡くした妻ウラ。そしてアンテク本人もまた、死の実感がなく魂は現世に残り、家族の側を離れられずにいた。ある日、彼が死の直前まで関わっていた事件の被告の妻がウラを訪ね、交流するうちに突然の悲しみに暮れるウラのことを心配し、催眠療法による霊能者を紹介する。そこで亡き夫と出会った彼女は、お互いの愛を確認し──。当時のポーランドのムードを色濃く反映した初期を代表する傑作で、今作以降プレイスネルが音楽を、ピェシェヴィチが脚本を担当し、黄金チームが形成されるきっかけとなった。

『偶然』Przypadek
1981年/ 119分/カラー/35ミリ
出演:ボグスワフ・リンダ、タデウシュ・ウォムニツキ、ボグスワヴァ・バヴェレツ
80年代初頭、ポーランド。生きる指針であった父を亡くした青年ヴィテクは、大学を休学しワルシャワに旅立とうとする。そしてまさに列車が発車しようとしたその時…もしも列車に飛び乗れたなら/もしも飛び乗ろうとして、警備員に制止されたなら/あるいは、もしも列車に乗れなかったなら──?主人公が辿る運命を三つのエピソードに分けて語る、偶然と運命に翻弄されるものを描くキェシロフスキの真骨頂が発揮された重要な一作。後のトリコロール三部作へと繋がる原点を見出だすことができるその構成と語り口は今でも新鮮で、観る者の心をとらえて離さない。

『アマチュア』Amator
1979年/ 112分/カラー/35ミリ
出演:イェジ・シュトゥール、マウゴジャータ・ゾンプコフスカ、エヴァ・ポカス
家族、安定した生活、そして友人にも恵まれ、フィリップは平凡ながらも幸せに暮らしていた。彼は娘の成長を撮ろうと旧式の8ミリカメラを買う。しかし家族を撮るつもりが、彼はどんどんとファインダー越しの世界に引き込まれてしまう。自らの働く工場の式典を撮影した映像がアマチュア映画のコンクールに入賞。映画製作も始める。しかし夫婦仲は悪化し…。社会状況への愛すべき皮肉や映画の魅力、そして人生における欲望との葛藤を描き、「映像文化にとって真のコペルニクス的革命」と評され、世界にキェシロフスキの名を知られるきっかけとなった一作。

『傷跡』Blizna
1976年/104分/カラー/35ミリ
出演:フランチシェク・ピェチカ、イェジ・シュトゥール、マリウシュ・ドゥモホフスキ
ポーランドの田舎町に、大規模な化学肥料工場が誘致される。住民の声は聞き入られることなく、工場誘致は政治家を巻き込んだ一大事業となり、かつてそこに住んでいた地元の名士ステファンが現場の監査官に任命される。誠実で人望もあり、理想の実現に燃えるステファンだが、政治に巻き込まれそこまでの権限は与えられず、次第に住民側にも工場側にも居場所がなくなってゆく…。キェシロフスキの長編劇映画デビュー作は、ドキュメンタリー映画出身という出自が存分に発揮され、当時の社会状況を色濃く映し出しながら、見事に人間の本質に迫る秀作。


~クシシュトフ・キェシロフスキ監督~
1941年、ポーランドのワルシャワ生まれ。ロマン・ポランスキー、イエジー・スコリモフスキ、アンジェイ・ワイダらの名匠を輩出した、ポーランド国立のウッチ映画大学で記録映画を学ぶ。66年に最初の作品となる短編ドキュメンタリー『路面電車』を発表。当時のポーランドの急激な経済成長、そして近づく社会的危機やムードを敏感に感じ取り、70年代を通じ優れたドキュメンタリー作品を多数制作。73年、最初の劇映画(TV用)『地下道』を監督。76年に劇場用長編第1作『傷跡』を発表。ドキュメンタリー制作で培った鋭い観察と、人々の心の奥底を見事に捉えたドラマの二つの要素を巧みに織り交ぜた本作は絶賛を受ける。その後、劇映画制作を本格化し『アマチュア』(79)、『偶然』(81)を発表。この頃からすでに"キェシロフスキ的要素"を自身の命題として確立していた。戒厳令による社会情勢悪化の中で82年、著名な弁護士で作家のクシシュトフ・ピェシェヴィチと出会い、脚本の共同執筆を開始。その第1作として『終わりなし』(84)を完成させる。87年、ピェシェヴィチの発案で10話のTVシリーズ『デカローグ』に着手。その第5・6話を劇場用に再編集した『殺人に関する短いフィルム』(87)、『愛に関する短いフィルム』(88)が、前者はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され審査員賞、国際批評家連盟賞を受賞、後者も世界中の映画祭で絶賛された。91年には初のフランスとの合作『ふたりのベロニカ』を発表。それまでのモチーフをさらに昇華させた詩的、神秘的な世界観で、批評家のみならず多くのファンを獲得。93~94年にかけて『トリコロール』3部作をヴェネツィア、ベルリン、カンヌ映画祭に連続出品し、数々の賞を受賞。ル・シネマでの封切り時には半年以上のロングランとなる。次回作に世界中の期待が集まる中、96年3月13日、突然の心臓発作により54歳の生涯を終える。
人々への愛に溢れた繊細なまなざしを持つキェシロフスキの作品は、ポーランド国内はもちろん世界中で共感を呼び、スタンリー・キューブリック、エドワード・ヤン、ヴィム・ヴェンダース、ナンニ・モレッティといった名だたる監督たちからも賞賛を受ける。没後20年が経った今も、遠く離れたアメリカで『デカローグ』を新たなテレビシリーズとしてリメイクしようとする動きがあるなど、その影響力は広がり続け、今年のカンヌ国際映画祭ではゴダール、タルコフスキー、溝口らの作品と共にキェシロフスキ作品のレストア版の特別上映が行われた。

共催
ポーランド広報文化センター/Supported by Instytut Polski w Tokio
後援
アダム・ミツキェヴィッチ・インスティチュート
協力
松竹メディア事業部、MK2、ビターズ・エンド

オンラインチケット MY Bunkamura

上映スケジュール

『傷跡』(1976/104分/35mm)…6回
7/9(土)10:20、7/11(月)14:40、7/12(火)19:15、7/17(日)17:15、7/20(水)14:50、7/21(木)12:25

『アマチュア』(1979/112分/35mm)…6回
7/9(土)12:35、7/13(水)16:50、7/14(木)14:35、7/17(日)19:30、7/18(月)12:25、7/19(火)10:20

『偶然』(1981/119分/35mm)…6回
7/9(土)15:10、7/11(月)17:15、7/14(木)19:25、7/17(日)10:20、7/19(火)12:45、7/21(木)14:40

『終わりなし』 (1984/109分/35mm)…6回
7/9(土)17:50、7/14(木)12:15、7/15(金)19:00、7/16(土)10:20、7/18(月)14:50、7/20(水)12:30

『殺人に関する短いフィルム』(1987/85分/35mm)…7回
7/10(日)16:50、7/11(月)19:45、7/14(木)10:20、7/17(日)12:50、7/19(火)17:35、7/20(水)19:20、7/21(木)17:20

『愛に関する短いフィルム』(1988/87分/35mm)…7回
7/10(日)19:15、7/12(火)12:25、7/13(水)19:15、7/15(金)10:20、7/17(日)14:45、7/18(月)17:20、7/22(金)12:30

『ふたりのベロニカ』(1991/98分/35mm)…8回
7/9(土)20:10、7/11(月)10:20、7/13(水)12:25、7/15(金)16:40、7/16(土)12:40、7/19(火)15:15、7/21(木)19:15、7/22(金)10:20

『トリコロール/青の愛』(1993/99分/35 mm)…8回
7/10(日)10:20、7/11(月)12:30、7/12(火)14:25、7/14(木)17:15、7/16(土)14:50、7/18(月)19:20、7/20(水)10:20、7/22(金)14:30

『トリコロール/白の愛』(1994/92分/35mm)…8回
7/10(日)12:30、7/12(火)10:20、7/13(水)14:35、7/15(金)14:25、7/16(土)17:15、
7/19(火)19:30、7/21(木)10:20、7/22(金)16:50、

『トリコロール/赤の愛』(1994/96分/35mm)…8回
7/10(日)14:35、7/12(火)16:45、7/13(水)10:20、7/15(金)12:20、7/16(土)19:30、7/18(月)10:20、7/20(水)17:15、7/22(金)19:15

  • チケット情報

1,500円均一

※リピーター、学生の方は1,200円
※本特集の作品を1度ご鑑賞いただいたお客様は、2回目以降前回の半券ご提示で本特集の全ての作品が1,200円となります。(有料チケットのみ。)

20160709, 20160710, 20160711, 20160712, 20160713, 20160714, 20160715, 20160716, 20160717, 20160718, 20160719, 20160720, 20160721, 20160722
20160709
20160722

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