私のBunkamura文学賞

推薦書籍

No.60

『みんなどうやって書いてるの? 10代からの文章レッスン』編/小沼 理 河出書房新社
「スーパースター」国崎和也

OH! MY BOOKS 福永紋那

『みんなどうやって書いてるの? 10代からの文章レッスン』編/小沼 理 河出書房新社

笑うときに眉毛がハの字に下がって困った顔になる人が無性に好きで、映画とかでその笑い方をする人が出てきたらきゅ〜んとしちゃうんですが、ここ数年でもっとも心をうばわれたのが、お笑い芸人・ランジャタイの国崎でした。あんなに破茶滅茶で、なんか片方の眉毛は全剃りなのに、なんであんなやさしい顔して笑うんだろう?変なことしてめちゃくちゃ笑わせてくるのに、ふと見ると本人はあの困った顔で笑っていて、なんか哀愁みたいなものを感じてグッときちゃいます。

この本は、店番中に「なんでこの執筆陣の中に国崎?」と何気なく読み始めたのですが、「あいかわらずだな~」なんて笑いながら読んでいたらその数分後、たった数行で涙が暴発してめちゃくちゃ慌てました。こんなのは人生で初めての体験でした。
あらすじも前情報もなしで、わたしのように丸腰で読んでみてほしいです。

10代に文章の書き方を教える趣旨の本で、「文章だけの本って、マジ☆キモ」なんて言いながら不意打ちでぶっ込んでくる国崎に痺れちゃって、 あの笑顔を思い浮かべながら何度も読み返しては、今もまったくおんなじところで泣いています。

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