私のBunkamura文学賞

推薦書籍

No.58

『おつきさまのえほん』文/ふわはね 絵/カワチ・レン ニジノ絵本屋

ニジノ絵本屋 高橋奈央

『おつきさまのえほん』文/ふわはね 絵/カワチ・レン ニジノ絵本屋

「月」は古くから日本人にとって身近な存在。暦として農作業の目安にしたり、月を題材とした小説や歌もたくさんあります。そんな月の満ち欠けが、この絵本ではリズムの心地よい言葉と優しいイラストで表現されています。

月齢0と言われる新月は「おつきさまが かくれんぼ もういいかい まあだだよ」。読み進めると、毎日おつきさまと待ち合わせしているような気持ちになっていきます。

おつきさまの下では、うさぎたちが演奏会をしようと楽器を手に集まってきます。なんと空からも仲間が…。言葉では描かれていない隅々まで、想像力をかきたてるイラストからも目が離せません。

今日のおつきさまとの出会いは朝かな、夜かな、かくれんぼしてるかな。離れて暮らすあの人にも見えているかな。写真を撮って送ってあげようかな。そんなことを考えていると、毎日歩く道も優しい気持ちで空を見上げる時間に変わってきました。忙しない日々の合間に、絵本とともに空を見上げてみませんか。

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