私のBunkamura文学賞

推薦書籍

No.44

『本当に欲しかったものは、もう Twitter文学アンソロジー』麻布競馬場、新庄耕、窓際三等兵ほか 集英社

渋谷○○書店 横石 崇

『本当に欲しかったものは、もう Twitter文学アンソロジー』麻布競馬場、新庄耕、窓際三等兵ほか 集英社

これが噂のTwittter文学、あるいはタワマン文学。

総勢10人のTwitter文学作家による、22本の珠玉のショートショート。タワーマンションやお受験、インフルエンサーなどを舞台に、勝者なき人生というゲームの敗者たちを描いた儚くも虚しく感傷的なアンソロジーは、2020年代の東京人の鬱屈で曇天な心を見事に写し出す。私たちにとって幸せとは――。生きるとは――。

「こんなものは文学ではない」「書籍化は無謀」「義務教育の完全敗北」などと罵られながらも、文字数が限られた流れ消えゆく言語空間の中から生まれてきた、文学の新たなスタイルかつコレクティブに期待を込めて、謹んで「私のBunkamuraドゥマゴ文学賞」をお贈りさせていただきます。

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