私のBunkamura文学賞

推薦書籍

No.43

『나는 이름이 있었다(僕には名前があった)』오은(オ・ウン) 아침달(朝の月)

CHEKCCORI 清水知佐子

『나는 이름이 있었다(僕には名前があった)』오은(オ・ウン) 아침달(朝の月)

韓国の中堅詩人で、ポッドキャストやブックトークなどの司会としても多くの人々に親しまれている오은(オ・ウン)さんの連作詩集。「人」をテーマにした32篇の中には詩人오은(オ・ウン)の最大の特徴でもある軽快でユーモアあふれる言葉遊びがたっぷり詰まっていて、今を生きる人々の悲哀が見事に描かれている。
邦訳の『僕には名前があった』(クオン刊)とあわせて読めば、言葉遊びの妙味が倍増するはず。付録に記述されているお薦めのBGMを聴きながらページをめくると、詩の韻律と音楽のリズムが相まってまるで作品の中の話者の声が聞こえてくるような錯覚を覚える。

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