私のBunkamura文学賞

推薦書籍

No.42

『考える脚 北極冒険家が考える、リスクとカネと歩くこと』荻田泰永 KADOKAWA

KAIDO books&coffee 佐藤亮太

『考える脚 北極冒険家が考える、リスクとカネと歩くこと』荻田泰永 KADOKAWA

その昔は参勤交代、そして多くの旅人が行きかった道「東海道」。その道中に存在する53の宿場町のうち、日本橋から数えて最初の宿場町にあたる品川宿に、2015年の夏OPENした古書店喫茶「KAIDO books&coffee」。日本全国、世界中の「旅・冒険・道・歴史」などのテーマに絞った書籍を常時一万冊取り揃えている。店主である私が言うのもなんだが、この店を訪れる客には変わり者が多い。毎年、東海道500kmを走っているおじさん。人力車で世界中を旅している若者。ヨットについて何十年も記事を書き続けているライターのじいさん。その変わり者の中でもひと際、異彩を放っていたのが北極冒険家の荻田泰永さん。本棚から冒険関連の書籍を見つけると、子供のようにはしゃいでいた記憶が新しい。そんな彼がこれまでの自身の冒険の集大成とも言える本を出した。文章から感じられる、北極という極限状態での緊張感、空気感。そして生きるとは何かを考えさせられる究極の一冊。ぜひ、時代を超えて読み継がれて欲しい。

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