私のBunkamura文学賞

推薦書籍

No.18

『シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた「家族とは何なのか問題」のこと』花田菜々子 河出書房新社

八雲堂書店 遠藤 晶

『シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた「家族とは何なのか問題」のこと』花田菜々子 河出書房新社

前作『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』が本好きにはたまらない面白さで、花田さんの魅力とその語り口にノックアウト。しかも日比谷に行けばお会いできる書店店長として心密かに憧れの存在。2作目のタイトルも男子2人の子育て卒業の私にはまたまた興味深く今回も一気読みだった。

花田さんとこんな形で関われた子どもたちはなんと幸せなんだろう。花田さんの決して押し付けがましくないニュートラルな姿勢はたくさんの人に自分から会ったり、たくさんの本から吸収した知恵の賜物なのだろうか。

自分の思い通りにいかない、またいくのもおかしい子育て、正解のない親子関係に柔らかく疑問を投げかける。人生ままならない、でも決して投げやりにならず自分で考えること人と関わることをやめない。子ども2人がどんな青年になるのかも楽しみだし、それを見守る花田さんの変化も知りたい。

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