私のBunkamura文学賞

推薦書籍

No.12

『それでも俺は、妻としたい』足立紳 新潮社

SHIBUYA TSUTAYA 内山はるか

『それでも俺は、妻としたい』足立紳 新潮社

 年収50万、無名の脚本家・豪太は妻の収入に頼る生活。主夫として家事、1人息子の世話をしながら、いかにセックス出来るか思考する日々を送る。このダメ夫に罵詈雑言を浴びせ続けながらも離婚せず心のどこかで信じている妻チカの愛情深い物語。

 本作は映画脚本家・足立紳氏による(ほぼ)実録夫婦小説!と帯にこうある。ほぼ実録…この内容を思うと特に奥様には脱帽するしかない。
身近であり異次元でもあるこの物語に共感はさることながら、とにかく終始笑える。そして、ちょっぴり泣ける。夫婦の在り方もしみじみ考えされられる。本作品を紹介推薦するにあたり、私を知る周囲の人々の反応にいささか不安はあるものの、やはり多くの男女、特に既婚者には読んでほしい傑作だ。

 一覧に戻る