2024.02.20 UP
【コラム】「渋い」をたしなむ
~花鳥風月を愛でる~
2月如月(きさらぎ):February
立春から15日ほどが過ぎ、雨水(うすい)となりました。雨水とは、降る雪が雨へと変わり、雪解けが始まる頃のこと。厳しい寒さはまだ残っていますが、季節はゆっくりと本格的な春に向けて動き出す時期です。せわしない毎日の中でも、少し足を止めて、季節の移り変わりを感じてみませんか?
(今回のコラムでは渋アートスタッフが撮影した写真も合わせてお楽しみください)
白梅(代々木公園“梅の園”にて2/15撮影)
日本の美意識を象徴するものとして「花鳥風月」があります。「花鳥風月」とは自然の中の美しく風流な事物のこと、またそれを愛でる風雅な趣味のこと。四季折々の自然の風景は日本最古の和歌集『万葉集』にも多く詠まれ、鎌倉時代には屏風や襖に花や鳥が描かれ始めるなど、日本人は古くから自然に親しみ、四季の風物を愛で、その美しい景色そのものや湧き上がる想いを詩歌や絵画などに表現してきました。
カワヅザクラ(代々木公園内にて2/15撮影)
そんな日本美術の中の「花鳥風月」に触れられるのが、ただいま開催中の「花鳥風月-古伊万里の文様」(戸栗美術館)です。こちらの展示では、古伊万里の文様から花・鳥・風景・月に着目、「花鳥の間」「風月の間」とされた二つの展示室で、四季折々の花鳥文、風情溢れる山水文のうつわを鑑賞できます。大胆で鮮やかな色彩のものから、山水画のような趣きのあるものまで、バリエーションに富んだ古伊万里を楽しめます。
※本コラムは展覧会開催時に執筆されたものです。戸栗美術館『花鳥風月―古伊万里の文様』は終了しました。
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春の訪れを感じられる今の時期の「花」といえば、梅。戸栗美術館から徒歩20分ほどのところにある代々木公園の“梅の園”では、紅白の梅が例年2月中旬頃から3月上旬頃まで見ごろを迎えます。こちらの白梅には1本だけ一重咲きの白梅があり、香りとともに楽しめます。
紅梅と白梅(代々木公園“梅の園”にて2/15撮影)
さらに、早咲きの桜・カワヅザクラも咲き始める頃。濃いピンク色の花びらが青い空に映え、花の蜜を求めて飛んでくるメジロのかわいい姿も見られます。
三分咲きほどのカワヅザクラ(代々木公園内にて2/15撮影)
撮影に出かけた日は日中はコートもいらない暖かな日で、鳥のさえずりに耳を傾けながら穏やかなひとときを過ごすことができました。
「花鳥風月」とは、自然の中の美しい風情のあるもの。
思い思いの「花鳥風月」を愛で、味わってみてはいかがでしょうか。
#渋アート
#花鳥風月
■私が見つけた「#渋アート」■
白に散る紅 ────