6月25日(木)、シアターコクーンの舞台に、蜷川幸雄と18人の俳優がズラリと揃った。どの顔にも緊張の色が見えたが、蜷川は開口一番、「日本の俳優の知的水準は落ちた。今回ほどキャストに難航した作品はない」と毒づいた後、知性と勇気に富む18人の精鋭の方を振り返り、「頼んだぞ!」と、喝を入れるように声を掛けた。19世紀ロシアで、革命の礎を築くべく奮闘と挫折を繰り返した人間たちの、30年にわたる姿を描く群像劇。9時間に及ぶ大作だけに、「台本を見て気絶しそうになりました」(阿部寛)、「台本を持って手首を痛めました」(勝村政信) など、ジョーク混じりながらも戦々恐々のコメントが続いたが、「最初はクラクラしましたが、蜷川さんのもと、恐れずに船出したい」という麻実れいさんの言葉に、全員の想いが集約されているのが見てとれた。覚悟を決めたキャストたちと、怪気炎をあげるキャプテン蜷川。三ヶ月におよぶ大航海が、いよいよ帆を上げ、スタートした。
Text:伊達なつめ(演劇ジャーナリスト)
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(c)大久保惠造
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